今日のニュースで、雪舟の幻の水墨画＝うちわ型「倣夏珪山水図」が発見されたことを知った。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091901026&g=soc
発見されたのは、雪舟「倣古（ほうこ）図」シリーズ不明作品の中の１点であり、夏珪は中国南宋の画家である。
東京都美術館で観た「ボストン美術館の至宝展」にも夏珪の《風雨舟行図》が来日していた。実は今回の展覧会で私的に目を喜ばせて貰ったのは意外にも中国美術だったのだ。
夏珪《風雨舟行図》（1189-94年頃）ボストン美術館
今回の展覧会は西欧絵画だけでなく、ボストン美術館を構成する各分野からの作品が展示されており、展覧会構成は…
1）古代エジプト美術 2）中国美術 3）日本美術 4）フランス美術 5）アメリカ絵画 6）版画・写真 7）現代美術
そして、これらの多岐にわたる美術作品を寄贈したコレクターにもスポットを当てている。
米国の多くの美術館は市民であるコレクターの寄贈によって成立しているが、ボストン美術館の所蔵作品の層の厚さもまた、ボストンの歴史と市民たちの懐の深さをも物語っていた。なにしろ岡倉天心を招聘した美術館でもあるのだから。
私も2007年の米国旅行でボストン美術館を訪ねた。
しかし、興味のある西洋美術と日本美術を重点的に観たので、古代エジプトや中国美術は素通りしている。なので、今回の中国美術作品は初見であり特に目に嬉しいものだった。取り分け、徽宗《五色鸚鵡図巻》と陳容《九龍図巻》には目を見張ってしまった。
徽宗《五色鸚鵡図巻》（1110年頃）ボストン美術館
徽宗《五色鸚鵡図巻》は、先ず徽宗の痩金体が目に飛び込み、それに続き、まさしく院体画然とした杏花枝と鸚鵡（本当は鸚哥らしい）に、やはり徽宗だなぁ！と感嘆してしまった。この書と画のハーモニーが格調高くも雅であり、徽宗の美意識の有り様にしばしうっとりと見とれてしまう。でもね、「水滸伝」好きとしては、あなた民のこと考えてるの？とツッコミたくもなったのだ(^^ゞ
私が、横浜でみたときに、最も良い印象を受けたのは、
陳容《九龍図巻》でした。
藤田美術館 売り立ての中で最も高価だった陳容？ 六龍図巻が落札価格は4千896万ドル（約56億円）でしたから、これはどのくらいの価値があるか想像もできません。
その次は、色鮮やかな、
徽宗模写 搗練図巻
でした。
夏珪《風雨舟行図》は、夏珪真蹟として誰もが認めるもので、真蹟はこれ１つ他は皆ダメと言う人もいるくらいです。
で、藤田美術館の高額売り立て作品が陳容（？）作品だったとは！！ということは《九龍図巻》が観られたのはラッキーかもしれませんね。
山科さんご紹介の徽宗模写《搗練図巻》もチェックしてみました(^^ゞ
http://www.mfa.org/collections/object/court-ladies-preparing-newly-woven-silk-28127
張萱の作品を模写したようですが、色鮮やかに唐代の趣が伝わってくるようですね♪
で、夏珪《風雨舟行図》が貴重な真蹟だったとは...(・・;)
まさに、ボストン美術館の至宝が来日したいうということなのでしょうね。
思いがけず、素晴らしい中国絵画に出会いました。私も花耀亭さんの取り上げた三点に感動いたしました。そして、皆さんと同様なことを感じました。それから、陳容の九龍図巻を見て横山大観の生々流転を思いだいました。もしかすると九龍図巻の図案を借りたのかなと思いました。
それ以外では、蕭白やミレーの絵などが私には気に入りました。
残念ながら中国美術はスルーされましたが(^_^;)
来週観に行くかも？です…
会は良い意味で予想を裏切ってくれましたよね(^_-)-☆
九龍図巻と生々流転、なるほどです！！大観はどこかで陳容を意識していたかもしれませんね。
で、実は私もSYNDOWさんと同じです（笑）＞蕭白やミレーの絵
蕭白の渦巻く風の描写や、ミレーのオランダ絵画を想起させる窓の光の描写は本当に目を楽しませてくれましたよね(^^)
最後の振り返っての作品映像に中国絵画が無かったので、やはりとは思っていましたが、スルーだったのですね(>_<)
で、momoさん、来週ぜひご覧になってくださいませ♪♪ ゴッホだけでなく、それぞれの分野で楽しめますよ～(^^)/