花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

シャネル・ネクサスホール「カール・ラガーフェルド写真展」サクッと感想。

2017-01-25 00:29:56 | 展覧会

大人の休日作戦で東京に行ったのだが、人間ドッグ受診+展覧会だったので、故に観た展覧会は少ない。

・ 「カール・ラガーフェルド写真展 太陽の宮殿 ヴェルサイユの光と影」 シャネル・ネクサスホール 

会場内の撮影は可だった。写真作品ということもあるのだろうが、ファッション系展覧会の柔軟な対応が好ましい。

2009年の東京都現代美術館「ラグジュアリー:ファッションの欲望」展を観た時に、シャネルの白いレースのシンプルなドレスに魅了された。実際はレースではなく、ルサージュの刺繍だったことに驚いたのだが、それ以上に、素材の質感にマッチした無駄のないエレガントなフォルムが美しく、ラガーフェルドの造形感覚に興味を覚えた。

今回の写真展でも、ヴェルサイユ宮殿というフランスの歴史的建造物を、現代の空気を内在させながら、光と影の綾なすモノクロの世界で切り撮って見せてくれた。驚くことに、その雲母色に発光するプリントの支持体は何と切りっぱなし紙なのである!羊皮紙を模した紙を使い、スクリーンプリントの古い技法によって制作されたものだそうだ。時に銀色に、時に黄金色に、光を孕みながら発光するように見える。素材の質感に凝る性格の表れなのだろうね。

バロックの壮麗な宮殿とル・ノートルの庭園を、ラガーフェルドは彼の幾何学で構成するのだが、その陰影を刻む実質的な主役は空の光であり、その光を映す噴水池の水面なのだ。もしかして、あのクリームがかった雲母色の光のマチエールを作り出したいからこそのモノクロだったり??



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