花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

ボルゲーゼ美術館で「カラヴァッジョとハートフォードの画家」展が。

2016-11-09 15:11:47 | 展覧会

・「L'origine della natura morta in Italia  Caravaggio e il Maestro di Hartford(イタリア静物画の起源 カラヴァッジョとハートフォードの画家)」展

・期間:2016年11月16日~2017年2月19日

・会場:ボルゲーゼ美術館 

イタリアにおける独立した静物画の成立は、カラヴァッジョ《果物籠》(アンブロジアーナ絵画館)が起源とされている。

 

カラヴァッジョ《果物籠》(1597年頃)アンブロジアーナ絵画館

今回の展覧会は、カラヴァッジョ周辺の画家として「ハートフォードの静物の画家」(東京でも展示されていた)に注目し、カヴァリエーレ・ダルピーノ工房周辺の画家たちを含め、17世紀初頭におけるローマでの静物画の諸相と起源を探る展覧会のようだ。 

 

「ハートフォードの静物の画家」はハートフォードのワズワース・アシニウム美術館が所蔵する作品にちなんでの名称で、今も特定されておらず議論のある画家でもあるようだ。ダルピーノと近しい関係だったらしく、フェデリコ・ゼーリがカラヴァッジョに結び付けようとしていた画家でもある。

ちなみに、国立西洋美術館「カラヴァッジョ展」図録にアルベルト・コッティーノ氏による論文「カラヴァッジョ様式の静物画」が掲載されており、その意味でも興味深く観ることができそうだ。と言っても、私は観に行けないと思うのだが...(-_-;)

※参照:Studio Martinotti「L'origine della natura morta in Italia Caravaggio e il Maestro di Hartford(イタリアの静物画の起源 カラヴァッジョとハートフォードの画家)」(プレスリリースPDF付)

※参考:Andrea Bacchi, Elisabetta Sambo「La natura morta di Federico Zeri(フェデリコ・ゼーリの静物画)」

※参考:Alberto Cottino「Maurizio Marini e la natura morta caravaggesca(マウリッツィオ・マリーニとカラヴァッジョの静物画)」

ご覧になる方、レポートをよろしくお願いします~(^^ゞ



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5 コメント

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ハートフォードの画家 (山科)
2016-11-13 15:37:26
ハートフォードの画家

紹介いただき、ありがとうございました。

イタリアにおける静物画の発生と成長については、いまいち研究が少ない気がします。ハートフォードの画家」は1950年代に命名されたものだそうですが、イタリアのものだとよくわかったな、とおもうところです。

1986年に埼玉・下関・池袋西武で開催された ローディ コレクション  の「イタリア美術展」カタログ解説を読み返してみたくなりました。
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山科さん (花耀亭)
2016-11-15 01:07:49
研究の少なさは、静物画が低ジャンルとみなされていたのも影響があるのしょうかね??
ゼーリ監修の「Natura Morta in Itarlia」という2冊組の本が出ているのですが、箱の背表紙の著者一覧が、多分、研究者一覧のようが気がします(^^;
https://www.amazon.com/Natura-Italia-Volumes-Italian-German/dp/8843527630
研究者たちって本当にディープで凄いなぁと、いつも感心してしまいますね。

ちなみに、ワズワース・アシニウム美術館は17世紀イタリア・スペインのバロック絵画が充実しているので、もしかして、そこから眼が付けられたのでしょうかね??

で、山科さん、ローディ・コレクション展は1986年も来ていたのですねぇ。内容は若干違うかもしれませんが、私も2002年に山形美術館で「イタリア静物画展」を観ましたよ♪
http://www.dnp.co.jp/museum/nmp/artscape/catalog/yamagata/yamagata/yamagata.html
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ローディコレクション (山科)
2016-11-16 08:07:44

2001年に東京でシルヴァーノ ローディコレクションをみたときのコメントを書いておきます。
1986年のときのはまた別途
***
東京新宿の安田火災東郷青児美術館で5/26に観ました。私は、このコレクションを日本で観るのは2回目です。1986年9月に北浦和の埼玉県立近代美術館で観ました。美術館の周りの広い芝生と、羊皮紙にテンペラで描いた奇妙な静物画が印象に残っていました。本展のNo。16のイチヂクの絵です。
15年の後、再び、同じ絵画、同じコレクションをみるというのは、そのコレクションがそれほど有名でないだけになおさら「時間」というものを感じ、深い瞑想に誘うものがあります。
No。16の女流画家ジョバンナ=ガルゾーニ「皿に盛られたイチジク」は、やはり面白いもので、記憶する価値のあるものでした。
さて、記憶に残っていないのに、今回、印象が強かったのは、カタログNo。29の「魚と玉葱」と、No。11の「白磁の鉢と桃のある静物」です。2点とも15年前のカタログにも載っていたので展示されていたのでしょうが、当時はその美しさに気がつかなかったのでしょう。来年まで、富山、足利、山形を巡回します。
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ローディコレクション 続 (山科)
2016-11-17 19:35:17
ローディコレクション についてURLに書きました。
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山科さん (花耀亭)
2016-11-17 23:41:05
URLを拝見しました。当時のご感想コメント紹介、ありがとうございました!!
私も2001-02年の図録を持っているので、山科さんのコメントを参照しながら再読しました。
で、山科さんご称讃の《皿に盛られたイチジク》を見て、なるほど!と気が付きました。ポッジョ・ア・カイアーノ「静物画美術館」での一押し作品《さくらんぼ》もガルゾーニ作でしたね。
http://blog.goo.ne.jp/kal1123/e/56e2568e26c4aa5b86130ebfaae41df5
山科さんのおかげで(忘れかけていた(^^;)ローディ・コレクションの面白さを再認識できました。ありがとうございました!!
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