花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

ロンドン・ナショナル・ギャラリーでの《聖女バルバラ》。

2019-04-11 23:41:46 | 西洋絵画

うかつにも、書くのを忘れていたことがある。昨秋、ロンドン・ナショナル・ギャラリーで観た《聖女バルバラ》である。すなわち、ロンドン・ナショナル・ギャラリーではなく、アントワープ王立美術館の《聖女バルバラ》なのである

LNGのヤン・ファン・エイク作品が並ぶ最後に、さり気に展示されていた...。

 

ヤン・ファン・エイク《聖女バルバラ》(1437年)アントワープ王立美術館

恥ずかしながら、「えっ?この作品はLNG所蔵だっけ??」と、解説下の小さな文字「アントワープ王立美術からのローン」にも気が付かず、ちょっと混乱した頭で、そのまま次の作品に眼は移ってしまった。気が付いたのは、撮った写真をチェックしていた時だったのだから、まさに迂闊としか言いようがない

以前アントワープに行った時は美術館には寄れず仕舞いだったので、私的には今回が初見であった。素描作品ということで、ヤンらしい光学的色彩の魔術は見られないものの、後景の風景、中景の建築中の教会や立ち働く人々の繊細緻密な線描、そして棕櫚を持つ聖女バルバラの造形はまさにヤンらしく、衣襞のハッチングの妙も併せてしみじみ味わうことができた。LNGで観ることができたのはラッキーだったと思う。

それにしても、アントワープ王立美術館は改修中とは言え、よく貸し出したものだなぁ。だったら、日本にも貸し出して欲しいところだ(欲張り?)