花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

「びじゅチューン!制作の舞台裏」講座を聴講。

2017-09-11 23:44:06 | 講演会

某文化センター(仙台)でNHK-Eテレ「びじゅチューン!」の作者である井上涼さんの講座があった。井上涼さんの大ファンであるゲストのmomoさんが都合が悪くて行けないとこのことで、レポーター代わり(?)に受講してきた。

会場は意外に子供が多くて、ファン層の幅広さが了解される。ちなみに、井上さんのお話だと、一番多いのは30代OL層だそうだ。ご自分で「癒し系だから?」とおっしゃっていた(笑)。講座は井上さんと番組プロデューサーの倉森さんの漫才のような楽しい掛け合いで進行し、客席も笑いが絶えなかった。本当に井上さんってテレビのイメージそのままで、あのユニークな語り口や律儀なフットワークの軽さに嬉しくなってしまう。なんと、後半では自分から客席を握手して回ってくれたのだから。 

さて、講座は参加者の事前アンケートの質問に答える形で進行された。実は私もmomoさんから質問を募って送っており、その中の一つが採用されたのでちょっと嬉しかった。 

で、制作する時はストーリーが先か?美術作品が先か?という質問では…先ずは美術作品を選ぶのが先とのことだった。参考にしているのは画集や図録だそうで、教科書に出てくるような有名作品を主体に、絵画・彫刻・建築物などを満遍なく網羅するようにしているそうだ。作品を決め、研究を深めながらストーリーに落とし込んでいくらしい。 

ちなみに、初期作品の「あしゅらコーラス」や「ファッショニスタ大仏」に対して、どうやらクレームがついたようで(事前に寺側から了承を得ていたのに(^^;)。う~ん、お寺さんって結構難しいのね。 

今回の講座では、新作「審判はフリーダ」を例に、制作過程を詳細に紹介してくれた。

興味深かったのは、まず作品から受けたイメージからストーリーを展開すること。今回のフリーダは、彼女の緊張感のある怖そうな眼差しから審判員を連想したそうで、毎回作品コンセプト込みのラフスケッチを作成するようだ。やはり元広告会社勤務らしい(^^; 

面白かったのは、「審判はフリーダ」に「白鷺城と初デート」の谷君が登場。言及されなかったけど「1500年のオーディション」のデューラーも鉢巻きして登場しているのだよ!! 井上さん曰く、登場人物(キャラ)を考えるのが面倒なので他作品の人物を使うそうだ(^^; 。きっと「ツタンカーmail」と「ポロポーズはラスコー洞窟で」のカップルもね(^_-)-☆

ちなみに、動画制作は動きを良くするために作画も単純化し色数も少なくする必要があるようで、フリーダも実物作品からどんどん省略していった様子も紹介された。音楽もデジタルソフトで作っているそうで、初めにサビ部分ができて、ラフ音像を持って倉森さんと相談し、意外に短時間で作っているようだ(井上さんの高校部活はブラスバンド部だった!)。 あの楽しいコーラス編曲は吉岡さん。

なんだか端折ってしまったが、今回の講座で井上さんの創作過程を知ることにより、ますます「びじゅチューン!」を見るのが楽しくなった。井上さんのお人柄にも触れることができたし、握手も二度したし(笑)。また仙台で講座をぜひ開催していただきたいものだと思う。(詳細はまた後日にね(^_-)-☆>momoさん)