花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

映画「ヴァチカン美術館 天国への入口」を見た(2)

2015-04-17 01:06:55 | 美術館
(1)でグチャグチャと書いてしまったのは、私的に「ヴァチカン美術館」という表記に若干の違和感があり、映画や公式サイトの「複数形」の理由説明にはもちろん納得しているが、あの高い塀の中の部分は「博物館」であり、その中に絵画館がありベルヴェデーレがありスタンツェもあり、アパルタメント・ボルジアも図書館も、そしてあのシスティーナ礼拝堂もあるという私の今までの認識に「美術館」という表記がしっくりこなかったからかもしれない。美術ド素人で頭が悪い&固い&古い私にとって、「美術館」という言葉と付随するイメージで一括りにされてしまうには其々が個性の強い別個の独立した存在であり、やっぱり「博物館」だよね~(~o~)、と思ってしまったからでもある。美術館とは博物館の一種(博物館は美術館を包括する)らしいし。あ、あんまりシツコイと「年寄りはイヤダねぇ」と言われそうなのでこれ以上はやめますけどね(^^ゞ

さて、映画の方は4K3D映像ということで、迫力のある画面と高音質の音響で楽しめた。しかし、上映時間がほぼ1時間という短さ故に、BBCの美術紹介番組を見ているみたいで(Skyだけどね)、有名作品の紹介に終始した感も否めない。

でも、古代彫刻《ラオコーン》の発掘から始まり、歴代教皇たちの古代彫刻コレクターぶりの紹介など、ベルヴェデーレの彫刻群に多くスポットが当たったのは良かった。もちろん、ルネサンス天才御三家(レオナルド、ミケランジェロ、ラファエッロ)やカラヴァッジョなどの有名どころもちゃんと押さえて、そのうえ、現代宗教美術コレクションまで紹介されたのも好ましかった。もちろん、バティカンの懐の広さをアピールしようとする魂胆が透けて見えるのだけどね(^^; 


ラファエッロ《聖ペテロの放免》(1514年)


ダリ《キリストの磔刑》

しかし、残念だったのは、せっかくの4K&3Dなら、もっと作品に迫る角度での映像を撮れなかったのだろか?ハイライトはミケランジェロのシスティーナ礼拝堂天井画だと思うけど、3D効果があまり感じられなかったし。やはり絵画の場合は2次元だから仕方がないのかなぁ。

でも、カラヴァッジョは絵画の中に明暗による3次元効果を作り出そうとした画家である。《キリストの埋葬》のあの石棺の蓋部分の角を、できれば仰角3Dで観客に見せてほしかった!!このカメラマン勉強足りない!と思わず活を入れたくなったくらいだ(^^;; 


カラヴァッジョ《キリストの埋葬》(1600-04年)

ヴァティカンの美術品を1時間で紹介するなんて元々無理があるのだけれど、意外にポイントを押さえた作品紹介ではあった。むろん私的にはベッリーニはどうした?とか、不満も多々あるけどね。それに、SkyじゃなくRaiだったらもっと違った映像が見られたかも、などという欲張りな考えも頭を過ってしまったし(^^ゞ

ということで、シツコイごちゃごちゃの割には感想がサクッとで、失礼いたしました。