花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

国立西洋美術館「ウルビーノのヴィーナス展」(1)

2008-03-06 04:07:14 | 展覧会
国立西洋美術館で「ウルビーノのヴィーナス―古代からルネサンス、美の女神の系譜」展を観てきた。



同じく西美の講演会、フィレンツェ美術館特別監督局長官クリスティーナ・アチディーニ氏による「フィレンツェ美術館特別監督局―伝統と未来のはざまの美術館」も聴講した。

ボローニャのFさんからお聞きしたところによると、「ダ・ヴィンチ展」での《受胎告知》日本貸し出しをウフィッツィが渋っていたのを、このクリスティーナさんが説得して展示できたらしい。なるほどと納得できたのは、フィレンツェ美術館特別監督局はフィレンツェの美術館を統括する機関であり、ウフィッツィもピッティもアカデミアもその傘下「Polo(ポーロ=グループ)」に入っている。今回の《ウルビーノのヴィーナス》もその尽力の賜物だろう。
ちなみに最近Poggio a Caianoに世界初の静物画専門美術館が開館したのだが、その「静物画美術館」もポーロのひとつだとか。

では、何故そこまで日本に好意的なのか?もちろん日伊の文化交流のためであるだろう。が、実は講演会でふーむと納得したことがあった。今回の展覧会主催者である読売新聞社がウフィッツィ所蔵のウッチェロ作《サン・ロマーノの戦い》の修復を支援することになったという。



ウフィッツィの予算が少ないことは知っていたが、こんな手もあるのかと美術品の持つ力に改めて目を開かせてもらった。クリスティーナさんってやはり凄腕の長官だと思う(^^;

ということで、トラパニの「カラヴァッジョ展」レポートと入り乱れての「ウルビーノのヴィーナス展」感想が続く予定であるが、いつものように尻切れとんぼにならないようにしたい(^^;;;