Pのlog ( 大阪と上海のChouChou)

通称P。shushu(照れちゃう)ような稚拙きわまりない文面で、上海や大阪のchouchouを綴ります。よしなに。

夜上海(ye shanghai) 【between 'chinoiserie' and chinese style】

2011年01月05日 | 上海chouchou(たべる)
 待ち合わせの通りを、ぼくはひとつ間違えていたらしく通り過ぎてしまっていた。
     うしろからゆっくり追いかけてきたKYOKOさんが、ちょっと不服そうに追いついた。

  

     それからぼくらは新天地の石庫門のそばを歩いた。

         以前食べた、URBAN SOUP KITCHEN のような気軽さと違って重厚な造りに
     ふさわしい、そんな料理になるんだと思ったら…

            やっぱりそうなった


           

  その店はその石造りの通りの中にあった。
  絵で描いたような、typicalな中華料理。正装して食べに来たいところだ。
  事実power lunchに使っているスーツ姿のグループが多い。


                      

       夜上海(ye shanghai)。

        映画と同じ名前をもつその店には、長楽路にあるclubしか記憶がないのだけれど
        名前のもつイメージにふさわしい豪奢な内装で、店内に入るとすぐに店員さんに
        2Fに案内される。注文したのはランチのセット。

        そこでKYOKOさんに電話がかかってきた。日本からだろうか。

            ちょっとごめんね、すぐ事務所に戻って書類をメールしてくる…

        怒ったように、でも少し「仕事なんだからしょうがない。待っててね」という無言の指示が
        あったようだった。

        ぼくはひとり取り残されて、まわりで昼食をとっている人たちや服務員のサービスの
        よさやら、さりげなくリーダが店員教育の一環でOJTよろしく指示をしているのを
        みるでもなく見ていた。

  

       前菜はあっさりしていて、上海料理のstratにふさわしかった。
       そのあときのこのsoupがでて、あったまりながら飲んでいると、テーブル担当の
       女性が、遠慮がちに「お連れ様はまだこないのでしょうか?」という意味の言葉を
       中国語で聞いてきた。

           気にしないでいいよ

       ぼくはそう答える。
       そのうち帰ってくるかもしれないけれど、彼女はとくになにかぼくに気を使うという
       ことはないので、ゆっくり調整しているだろう。こちらも気にしないで食事するように
       しないと、それは悲しいことになる
       
      そこは経験則に基づく、回避策のひとつだ。
      ある種の経験により、こういうことが気にならなく感じるようになった。

        ある人はそれを紙一重といい、ある人は分水嶺を越えたともいうだろう。
        でもそれはすべて客観的事象にすぎないということだ。

             

   この松の実をパン生地でくるんだものを食べながら、周りを見渡す。左側の窓際の
   テーブルにはビジネスなのかその合間の接待lunchなのか、スーツ姿の男性が2人。

                                       

    反対側の右側の中央部のテーブルの列の中には夫婦づれや家族できているテーブルなど
    さまざまだが、場所のイメージからだろうか。静かに自分たちの距離だけで聞こえる声で
    食事をしている。

    chinoiserie。シノワズリは欧風に中華テイストを混在させたフランス語の造語だけれど
    この店の内観はまさにそれ…なのだろうか。
    料理は完全に中華だ。

  

    紅焼肉がやってきた。メニューはそれこそ一般の店にもあるものだ。器、盛り付けやその
    dishをだす際の服務員の所作であるとか。お上品に美しさを意識している。

    それはchinese styleの欧化、あるいは欧風を意識した中華というべきか。
    
    chinoiserie とchinese style の間にあるもの。かつてOrientalismとかHerenismとか
    習ったものとはもちろん違う気もするし、Globarismもどうかと思う。
    それは…いま世界が悩んでいるもののそれなのかもしれない。
                                                  

         

  ブロッコリーがテーブルにやってきたのとちょうど前後して、ようやくKYOKOさんが
  帰ってきた。正直、戻ってこないまま食べ終わるかと思っていたので驚いた。

    ひとしきり、彼女のぷんぷん怒る言葉につきあったあと、また食べ始めた。

                          

   そのうちデザートがもうやってきた。
   あずきのぜんざいのようなものがやてきたので甘味なのだとばかり思ったら、これは
   酸っぱかった。

      正直、ぼくもKYOKOさんも 「へ  」と違和感をもって出迎えることになった。
      それまでの紅焼肉などの重たいものが多ければ、まるで歯磨きのような爽やかさをもった
      これはとてもいいマッチングだといえるのだけれど、正直ここは甘味でもよかったかも。

  

   結局デザートらしいものは次にきた果物まで持ち越しになった。
   Dragon fruitsが中華風。最近でこそ、日本のスーパーでも見かけるようになってきたが
   最初みたときは不思議な食べ物だとおもったものだ。

   ひとは年をとるとびっくりしなくなるものなのだろうか。
   それを大人になるのだということなら、ぼくは子どもみたくドキドキする出会いをまだ
   繰り返したいものだ。もちろん食べ物も。
   すっぱいぜんざいみたいなものではなくて、の但し書きはつくけれど

                

    食べおわると13時をかなりまわっていた。お客さんは少なくなっていて
    ビジネス街でもあるこのあたりが、すでに午後の仕事時間になっていることを
    示している。KYOKOさんも早く自分の世界に戻りたそうだったので、ぼくらは
    すぐに立ちあがって1Fに降りていった。

    とてもきれいなlunch time は今回初めてだろうか。
        
                                           

★新天地夜上海(Ye shang hai)
  上海市盧湾区太倉路181弄6号
  +86-21-6311-2323
  http://www.elite-concepts.com/eatplusdrink.php?id=20



Dakota Star - Firefly


   いっそのこと、映画「夜。上海(邦題:夜の上海)」の主題曲にした。
   nangiという人が歌うversionのほうが、上海で聞くにはふさわしい。

   新天地はもともと石庫門。その横を再び通り抜けて、ぼくは地下鉄に
   KYOKOさんは急ぎ足で会社の事務所に戻っていった。


             

          


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