この英語絵本の電子書籍版を読んだ。読んだというのはちょっとおこがましい気がする。
内表紙には、出版社と2012という年号が記されている。2012年に出版された絵本だが、著者名もイラスト作者名も直接記載していない。少し変則的な出版方式かと思う。
それは「おこがましい気がする」と書いた点と絡むのかもしれない。
おこがましい気がするというのは、絵本を開けると、見開きページの左に1つの単語、右のページにはその単語にリンクする色を使った様々なイラストが描かれている。それだけ。
ただし、最初のページの冒頭には、George is curious about colors ・・・・・ という書き出し文が記されている。そして、単語は1つだけ。ページをめくると、次は単語が1つだけとイラスト。以下同じ。その単語は、
Red, Orange, Yellow, Green, Blue, Indigo, Purple と7語だけ。
そして、最後の Purple の見開き右ページの右下には、
And here's a rainbow for とここまで記されている。
このPurple の見開きページは、それまでのページとは異なり、雲に架かる虹のイラストが紫地に描かれている。勿論、ナレーションはちゃんと付いている絵本である。
ナレーションでは、最後の一文の末尾は、ちゃんと for you. と完結する。
大人の私の英語リハビリにおいても、この絵本は読んだというにはちょっとおこがましいと気が引ける。私にはリハビリ学習以前の段階の絵本だから。
発想レベルで企画できる本だから、著者名等がないのだろうか。イラスト画家はいると思うのだけれど・・・・。常にあるコピーライトの記載が常の箇所としてない。
しかし、読んで(?)みて、はたと思った。これは基礎的な絵本である。
作者はMARGRET & H.A.REY'S を冠していないので、原作者たちの作った絵本ではない。だけど、 Curious George の絵本を系統的なシリーズものとして続けて行く上では重要なステップの絵本と位置づけられると思う。
なぜなら、色の認識と色を識別できたとしても、そこには色名というコトバでとらえるまでには至っていないはず。人とのコミュニケーションで色を伝達するためには言語と結びつける段階が不可欠。そのためにはどこかのプロセスで繰り返し色名という概念を単語という形で教えられ、その関連を自覚し、脳に定着させるプロセスがあるはずだ。親子、友達、周囲の人々との関わりのなかで、色の認識とコトバが自然とリンクさせていけるのだあろう。認識した色をコトバに置き換えて、発語し、相手に伝えるという一番基本的な頭の働きがそこにある。色とコトバの関係を自然に身につけさせる手段の一つが絵本ということになる。物質の世界とコトバの世界を最初にリンクさせるところに絵本の役割が最初に登場する。この絵本、その段階を具体化した一つのアプローチなんだと気づいた。
この本を開いてみて、英語リハビリ学習ではなく、言語を修得し始める出発点ということを、改めて考えてみるきっかけになった。
この絵本が、違った次元・領域に関わる学び、再認識のきっかけを与えてくれたことになる。その点で、おもしろかった。
序でに、ちょっとネット検索で調べて知ったこと、学んだことを引用しご紹介しておきたい。
*「色盲などの視覚機能の障害がない場合、一般に生後4カ月頃には大人と同じ色彩感覚が身につくと言われています。
そして認知機能が発達していくに従い、およそ2歳頃には同じ色を組み合わせることができています。」(資料1)
*色の名前の理解には、色覚だけでなく言語能力が必要ですが、これについては:
「園城式乳幼児分析的発達検査」によれば、「赤・青・黄といった基本の色名がわかるのは2歳9カ月から3歳0カ月相当の発達であること」がわかっているそうです。つまり、基本の色がわかるのは3歳頃。
「認知・言語促進プログラム(NCプログラム)を参考にすると、「4歳頃には10色程度の色の名前を言えるようになってくる」そうです。 (資料1)
*色彩感覚について、ダニフ・マイラ氏の調査結果を紹介する記事がある。
その要点は:
赤ちゃんの色彩感覚は、生誕後数週間で、赤、黄、オレンジ、緑を認識
1カ月後に黄色と緑を識別
4カ月後に大人と同じ色彩感覚を得られる (資料2)
*「『形』や『色』の感覚を身につけるということは、さまざまな『形』や『色』の違いに気づくようになるということ。子どもに形や色を教えるとき、ただ机に向かってプリントを見ながら『これは四角』『これは黄色』と教えていくのではなく、日常生活の中で形や色を身近に感じられるように取り組むのがおすすめです。」(資料3)
つまり、この絵本も幼児と一緒に楽しみながら読み聞かせるのに役立つのでしょうね。*小学1年生までは基本色名10種程度を知ればよいとされている。 (資料4)
昭和55年3月発行のある教科書1年生用のあげている色
黒、白、灰色、赤、橙、茶色、黄色、黄緑、緑、青、空色、紫 12色
*「B.Berlin & P.Kay の色彩用語の全人類の言語的普遍性によると色彩用語は、
White, Black(資料4)
もう一つ、虹の色について、虹の色の種類の捉え方に文化差があることを知った。この点もおもしろい。この絵本を使えば、私たち日本人が捕らえるように、虹は7色であるという概念を学ぶことでもある。
ご関心があれば下記のネット情報をご覧いただくよい。
英語リハビリ学習と敢えて関連づけるなら、藍色が indigo という単語と再認識。ネットの和英辞典を引くと、indigo blue と表現をしていた。
英語絵本が思わぬ異領域の再学習のきっかけになった。これも英語リハビリ学習の副産物として、おもしろい。
お読みいただきありがとうございます。
参照資料
1) 色の名前がわかるのは何歳から?~子供の言語発達~
:「Senwisdoms 医療と育児と心理学」
2) 知ってる?色覚も視野も大人と全く違う!子どもの世界の見え方とは
:「保育のお仕事レポート」
3) 就学前の子どもに「形」「色」「数」の感覚を身につけさせるには? :「たまひよ」
4) 「幼児の色の認識について」松村佳子:中田真代 共著
奈良教育大学教育工学センター研究報告 1991-03-15
ほかにもネット検索で得た参考情報を一覧にしておきたい。
赤ちゃんが色を理解して言えるようになるのは何歳から? :「まひまり」
色色雑学 :「KONIKA MINOLTA」
虹 :ウィキペディア
「虹の色は7色」が世界で非常識な理由・虹の色の順番や覚え方:「All About 暮らし」
【心理学科コラム】虹の色は7色? :「人間環境大学」
世界各国の虹の色の数-虹ができる仕組み⑦ :「光と色と THE NEXT」
インターネットに有益な情報を掲載してくださった皆様に感謝します。
(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません。
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)
こちらもお読みいただけるとうれしいです。
『MARGRET & H.A.REY'S Curious George and the Pizza Party』
Houghton Mifflin Harcourt
『MARGRET & H.A.REY'S Curious George Goes to the Beach』
Houghton Mifflin Company
『MARGRET & H.A.REY'S Curious George Makes Pancakes』
Houghton Mifflin Company
『MARGRET & H.A.REY'S Curious George Goes to the Zoo』
HOUGHTON MIFFLIN HARCOURT
『Curious George's First Day of School』
Houghton Mifflin Harcourt
『Curious George Goes to the Hospital 』 MARGRET & H.A.REY
Houghton mifflin Harcourt
『Curious George Learns the Alphabet』 H.A.REY
Houghton Mifflin Harcourt
『Curious George and the Birthday Surprise』 MARGRET & H.A.REY
Houghton Mifflin Company
『Curious George Goes to a Movie』 MARGRET & H.A.REY
Houghton Mifflin Company
内表紙には、出版社と2012という年号が記されている。2012年に出版された絵本だが、著者名もイラスト作者名も直接記載していない。少し変則的な出版方式かと思う。
それは「おこがましい気がする」と書いた点と絡むのかもしれない。
おこがましい気がするというのは、絵本を開けると、見開きページの左に1つの単語、右のページにはその単語にリンクする色を使った様々なイラストが描かれている。それだけ。
ただし、最初のページの冒頭には、George is curious about colors ・・・・・ という書き出し文が記されている。そして、単語は1つだけ。ページをめくると、次は単語が1つだけとイラスト。以下同じ。その単語は、
Red, Orange, Yellow, Green, Blue, Indigo, Purple と7語だけ。
そして、最後の Purple の見開き右ページの右下には、
And here's a rainbow for とここまで記されている。
このPurple の見開きページは、それまでのページとは異なり、雲に架かる虹のイラストが紫地に描かれている。勿論、ナレーションはちゃんと付いている絵本である。
ナレーションでは、最後の一文の末尾は、ちゃんと for you. と完結する。
大人の私の英語リハビリにおいても、この絵本は読んだというにはちょっとおこがましいと気が引ける。私にはリハビリ学習以前の段階の絵本だから。
発想レベルで企画できる本だから、著者名等がないのだろうか。イラスト画家はいると思うのだけれど・・・・。常にあるコピーライトの記載が常の箇所としてない。
しかし、読んで(?)みて、はたと思った。これは基礎的な絵本である。
作者はMARGRET & H.A.REY'S を冠していないので、原作者たちの作った絵本ではない。だけど、 Curious George の絵本を系統的なシリーズものとして続けて行く上では重要なステップの絵本と位置づけられると思う。
なぜなら、色の認識と色を識別できたとしても、そこには色名というコトバでとらえるまでには至っていないはず。人とのコミュニケーションで色を伝達するためには言語と結びつける段階が不可欠。そのためにはどこかのプロセスで繰り返し色名という概念を単語という形で教えられ、その関連を自覚し、脳に定着させるプロセスがあるはずだ。親子、友達、周囲の人々との関わりのなかで、色の認識とコトバが自然とリンクさせていけるのだあろう。認識した色をコトバに置き換えて、発語し、相手に伝えるという一番基本的な頭の働きがそこにある。色とコトバの関係を自然に身につけさせる手段の一つが絵本ということになる。物質の世界とコトバの世界を最初にリンクさせるところに絵本の役割が最初に登場する。この絵本、その段階を具体化した一つのアプローチなんだと気づいた。
この本を開いてみて、英語リハビリ学習ではなく、言語を修得し始める出発点ということを、改めて考えてみるきっかけになった。
この絵本が、違った次元・領域に関わる学び、再認識のきっかけを与えてくれたことになる。その点で、おもしろかった。
序でに、ちょっとネット検索で調べて知ったこと、学んだことを引用しご紹介しておきたい。
*「色盲などの視覚機能の障害がない場合、一般に生後4カ月頃には大人と同じ色彩感覚が身につくと言われています。
そして認知機能が発達していくに従い、およそ2歳頃には同じ色を組み合わせることができています。」(資料1)
*色の名前の理解には、色覚だけでなく言語能力が必要ですが、これについては:
「園城式乳幼児分析的発達検査」によれば、「赤・青・黄といった基本の色名がわかるのは2歳9カ月から3歳0カ月相当の発達であること」がわかっているそうです。つまり、基本の色がわかるのは3歳頃。
「認知・言語促進プログラム(NCプログラム)を参考にすると、「4歳頃には10色程度の色の名前を言えるようになってくる」そうです。 (資料1)
*色彩感覚について、ダニフ・マイラ氏の調査結果を紹介する記事がある。
その要点は:
赤ちゃんの色彩感覚は、生誕後数週間で、赤、黄、オレンジ、緑を認識
1カ月後に黄色と緑を識別
4カ月後に大人と同じ色彩感覚を得られる (資料2)
*「『形』や『色』の感覚を身につけるということは、さまざまな『形』や『色』の違いに気づくようになるということ。子どもに形や色を教えるとき、ただ机に向かってプリントを見ながら『これは四角』『これは黄色』と教えていくのではなく、日常生活の中で形や色を身近に感じられるように取り組むのがおすすめです。」(資料3)
つまり、この絵本も幼児と一緒に楽しみながら読み聞かせるのに役立つのでしょうね。*小学1年生までは基本色名10種程度を知ればよいとされている。 (資料4)
昭和55年3月発行のある教科書1年生用のあげている色
黒、白、灰色、赤、橙、茶色、黄色、黄緑、緑、青、空色、紫 12色
*「B.Berlin & P.Kay の色彩用語の全人類の言語的普遍性によると色彩用語は、
White, Black(資料4)
もう一つ、虹の色について、虹の色の種類の捉え方に文化差があることを知った。この点もおもしろい。この絵本を使えば、私たち日本人が捕らえるように、虹は7色であるという概念を学ぶことでもある。
ご関心があれば下記のネット情報をご覧いただくよい。
英語リハビリ学習と敢えて関連づけるなら、藍色が indigo という単語と再認識。ネットの和英辞典を引くと、indigo blue と表現をしていた。
英語絵本が思わぬ異領域の再学習のきっかけになった。これも英語リハビリ学習の副産物として、おもしろい。
お読みいただきありがとうございます。
参照資料
1) 色の名前がわかるのは何歳から?~子供の言語発達~
:「Senwisdoms 医療と育児と心理学」
2) 知ってる?色覚も視野も大人と全く違う!子どもの世界の見え方とは
:「保育のお仕事レポート」
3) 就学前の子どもに「形」「色」「数」の感覚を身につけさせるには? :「たまひよ」
4) 「幼児の色の認識について」松村佳子:中田真代 共著
奈良教育大学教育工学センター研究報告 1991-03-15
ほかにもネット検索で得た参考情報を一覧にしておきたい。
赤ちゃんが色を理解して言えるようになるのは何歳から? :「まひまり」
色色雑学 :「KONIKA MINOLTA」
虹 :ウィキペディア
「虹の色は7色」が世界で非常識な理由・虹の色の順番や覚え方:「All About 暮らし」
【心理学科コラム】虹の色は7色? :「人間環境大学」
世界各国の虹の色の数-虹ができる仕組み⑦ :「光と色と THE NEXT」
インターネットに有益な情報を掲載してくださった皆様に感謝します。
(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません。
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)
こちらもお読みいただけるとうれしいです。
『MARGRET & H.A.REY'S Curious George and the Pizza Party』
Houghton Mifflin Harcourt
『MARGRET & H.A.REY'S Curious George Goes to the Beach』
Houghton Mifflin Company
『MARGRET & H.A.REY'S Curious George Makes Pancakes』
Houghton Mifflin Company
『MARGRET & H.A.REY'S Curious George Goes to the Zoo』
HOUGHTON MIFFLIN HARCOURT
『Curious George's First Day of School』
Houghton Mifflin Harcourt
『Curious George Goes to the Hospital 』 MARGRET & H.A.REY
Houghton mifflin Harcourt
『Curious George Learns the Alphabet』 H.A.REY
Houghton Mifflin Harcourt
『Curious George and the Birthday Surprise』 MARGRET & H.A.REY
Houghton Mifflin Company
『Curious George Goes to a Movie』 MARGRET & H.A.REY
Houghton Mifflin Company