山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

グラフを描いてみよう~1次関数編

2020-05-30 | 数学・物理嫌いを克服する部屋
 さて今回から、どうやったらグラフを楽に描けるかといったテーマで話を進めて参ります。何でグラフを描いた方が良いのかということに関しては「グラフが描けないと大損する!?」を参照してください。

 第1弾として1次関数のグラフを扱います。1次関数の一般形はy=ax+b(a≠0)で表され、グラフ上では直線となります。
ということで、先ずは1次関数の場合には、x軸とy軸を先に描いちゃいましょう。(ということは後で描く場合もあるということ!?)

ここでx=0とするとy=bとなりy軸とbで交わります。これをy切片といいます。このことは、この直線が座標(0,b)を通ることを意味します。b=0の時は座標(0,0)、即ち原点を通ることとなります。早速このy切片をy軸上にプロットしておきましょう。
 
 さて、直線は平面上の2点が決まれば描くことができます。既にy切片が決まっておりますので、もう1点を決めれば良いのです。
ここでy=0としてみますとax+b=0という1次方程式を得ます(※1)。これをxについて解くとx=-b/aという解を得ます。このことは(-b/a,0)を通ることを意味します。世間ではどのように言っているか知りませんが、私はこのx軸と交わる点のことをx切片と呼んでいます。

(※1) 方程式ax+b=0はy=0とy=ax+bの連立方程式と考えることができます。その解はx軸との交点を意味します。

 x切片を計算によって求めることができますが、これが整数値であれば簡単にx切片とy切片を直線で結べばこれでめでたしめでたしなのですが、分数となることもあります。もちろん無理やりx軸上にプロットして直線を引いても構いません。
もし、xの他の値を代入すれば整数値になるのであればその座標をプロットして直線を引いた方が望ましいでしょう。例えばy=2x/3+1という1次関数であれば、x=3を代入すればy=3を得ます。よって(0,1)、(3,3)を結ぶ直線を引けば良いということになります。

 そうそう、定義域付の場合もありますよね。α≦x≦βなどとされていたら、範囲内は実線、範囲外は点線で描くようにしましょう。そして境界は等号付不等号の場合は●、等号無しの不等号の場合には○で描くのが一般的です。

 長々と書いてきましたが、それ位知ってるよという声が聞こえてきそうです。そうであれば、それで結構なことであります。もう何も言うことはありません。1次関数のグラフはバッチリ描けるはずです。

 これからは余談となりますが、1次関数のグラフは書けてもx=c、y=dといったグラフを描けない方が多いのです。
x=cはyの値に関わりなくxの値は一定ということですから、(c,1)、(c,2)、(c,3)の何れの座標もx=cを満たしております。これらの点を結ぶ直線は、y軸に平行な直線となります。ちなみにc=0とすればy軸そのものとなるのです。
同様のことをy=dはx軸に平行な直線となり、d=0の時にはx軸そのものになります。
 何故このような例をを持ち出したかと言うと、x=2のグラフを描けと言われた時、そこでフリーズして何も先に進めなくなってしまう人が如何に多いかということなのです。教科書や問題集などで取り扱ったことは2度や3度ではきかないでしょう。その時理解できたかどうかは知りませんが、とりあえずグラフ自体は描いたでしょう。なのに忘れてしまうのです。そりゃ訳が分からないものは、余程印象深いものでない限り覚えているはずもありません。その時、自分自身の手を動かして試行錯誤しながら問題に当たらなかった結果が理解に繋がらず、忘却の彼方へ追いやってしまうです。
 どのようなグラフになるのか分からないのであるならば色々な点をプロットしてみることが最低条件なのです。それもせずにフリーズしてしまう状況は思考停止と何ら異なりません。将来、問題に直面したとき、思考停止に陥って手をこまねいてしまうつもりですか?

 と少しキツメになってしまいましたが、基本中の基本のことですから自分自身と向き合って欲しいと思います。

 さて、1次関数のグラフは比較的簡単にマスターできることでしょう。それは直線という馴染み深いものであるからです。定規を使えば、かなり正確に描けます。そうするとそのグラフを眺めているだけで色々な情報を引き出せるでしょう。
 今回はグラフを描くことがテーマでしたが、逆に与えられた2点の座標から直線の方程式を決定するような問題があります。公式を知っている方は速攻で公式に座標値を代入して目的の1次関数を求めることができるでしょう。しかし、計算ミスが発生するのも世の常です。そこで気軽に座標をプロットして求める直線を描いてみましょう。そうすると傾きやy切片の凡その値が読み取れるでしょう。それと公式を用いて得た値と矛盾すれば、どこかに計算ミスがあることを示唆しています。(もちろん検算してみるという方法もありますが、もっと複雑な関数の場合にはグラフの方が楽になります。)
 しかし、グラフを描くのにもたついているようでは役に立ちません。ですから何度も繰り返しますが、気軽にササッとグラフを描けるようになって欲しいのです。

 次のテーマはいよいよ2次関数(放物線)のグラフを扱います。