山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

数学って何の役に立つの?

2020-05-18 | 数学・物理嫌いを克服する部屋
 世の中の多くの人が数学が嫌いか、あるいは好きではないのではないかと思っております。数学が好きという人をあまり知りません。数学が好きと言うと何となく引かれてしまいそうだから積極的に公言しないということかも知れませんが・・・。
 しかしながら数学の成績を上げたい(必ずしも数学力を上げたいということとは等しくありません)とういうニーズは高いのです。だから私の商売も成り立っているのですが・・・。
 ではなぜ数学の成績を上げたいのかというと、それは受験科目だからとか推選入試の為とか色々な理由がります。必然的に私の周りには数学が嫌いとか苦手な子供達が多くなるということでもあります。そして、その子供達から多く発せられる疑問が「何で数学なんて勉強しなければならないの?」とか「数学って何の役に立つの?」とかいったことです。
 そもそも学校で将来役に立つ役にとか立たないとか考えて勉強することってあるのでしょうか?
まずは社会人として最低身に付けるべきものを学ぶのではないのではないでしょうか?
とは思うのですが教育の現状と世のニーズには相当な隔たりがあるように思えます。

 義務教育においては、出席日数が足りないなど特別の理由がない限り留年なんてことはありませんよね。例え数学を全く学ばなくったってめでたく卒業できるのです。だったら大嫌いな数学を無理して勉強する理由なんてそもそも存在するはずもありませんよね。そんな子供が親となり、その子供に数学なんて使わなくったってチャンとやっていける等といったことを言えば、子供はそりゃ勉強しなくなりますよね。ましてや子供にだけ勉強しろなんてこと言っても、直ぐに見透かされてしまいます。自分が子供のころ十分に勉強してこなかったから、一緒に勉強しようとでも言って、それを実行する位のことでもしない限り数学嫌いを拡大再生産することになるでしょう。

 昔から手習いといえば読み書き算盤が一般的なものでした。江戸時代から庶民の子供ですら寺子屋で習っており、当時の識字率の高さは他国から比べれば物凄く高かったとのことです。士の子は藩校などで四書五経などの漢籍を学ぶのが通例だったでしょう。この国民全体の教養の高さが、明治期に西欧文明の導入を容易にしたのは想像に難くありません。日本はそれぐらい学びを大切にしてきた国なんです。それが近代日本の礎を築き、現代の繁栄へと繋がっているのです。その教育を疎かにすれば、日本は自ずと衰退の道を辿るに違いありません。

 さて、それでは数学を何のために学ぶのでしょうか。日常生活に欠かせない計算ができるようになるためでしょうか。それは目的の一つに過ぎないでしょう。
現代において数学は、科学や工学系分野は言うに及ばず経済分野などでも基本的素養あるいは道具として必要欠かさざる得ないものです。
また、数学を通して論理的な思考力が鍛えられます。細かな計算の知識より、数学の持つ論理性を学ぶことが重要なことであると考えます。細かい知識は必要性が生まれた時に学ぶこともできます。それに引き換え論理的思考力を身に付けるには労力を要します。この論理的思考能力は他の学問にも大きく影響します。だから昔からずーっと学校で基本科目として教えられてきたのです。

数学は何の役に立つのか分からないと主張されている方に申し上げます。
それは役に立つほどには数学を学んでこなかったのか、知らず知らずの内に役立っていることを意識していないということではないのですか?

 何はともあれ、何事も一所懸命に学んだことは必ず役に立ちます。いや努力したからこそ、それを活かそうと思うのではないのでしょうか!?