いよいよ参議院議員選挙が公示され、選挙戦に突入しました。政策の中に規制緩和を声高に叫ぶ政党があります。アベノミクスの三本目の矢にも規制緩和が謳われております。特に電力、農業、医療が重要だといわれております。しかしながら、規制が諸悪の根源で、これを緩和すれば全てがうまく行くといった簡単なものなのでしょうか。私には一種の幻想のように思われてなりません。
電力改革については、既に「発送電分離ですべてがうまく行くのだろうか?」や「発送電分離について」で疑問を呈しております。
また、農業に関しては「農家の農地所有のあり方について」「TPPについて(8)-農地法」その他、当ブログの農業カテゴリで色々と述べさせていただいております。
更には、川柳ネタでも「改革をすればするほど変になる」と駄句っております。
何事にも表と裏があるように二面性があります。ましてや現代社会は複雑ですので、二面性どころか多面的ですらあります。規制緩和について再度言わせていただくならば、剥き出しの資本主義を修正するために社会の知恵として種々の規制が生まれたはずで、それなりの理由や背景があります。規制緩和を議論するならするで、これによって得られる利益と不利益を慎重に比較考量し、それでも社会的利益がはるかに勝れば、不利益を被る方々に充分な配慮を行った上で行う必要があります。規制することは悪であって、緩和することは善であるといった単純な議論はいただけません。
多くの政策は、結局のところ直接的・間接的に国民に跳ね返ってきます。我々は、国民自身が国民の代表を選び、政策を選択する権利を有する幸せな国に住んでいます。この権利を行使し、まともな代表者を国政の場に送り出したいものです。