行政書士山浦清美のお気楽トーク

行政書士、省エネ・節電、農業、飛行機などなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

TPPについて(23)-対策として土地改良が盛り込まれておりますが・・・

2015-12-25 | 農業
 報道によりますと、土地改良事業に約3千億円の来年度予算がついたそうです。本年度補正予算でも約1千億円がついております。
 土地改良事業はこれまでにも膨大な金額を費やしてきました。全ての事業が無駄とは言いませんが、それらのほとんどは農業に利するものとはなっていないのではないでしょうか。この際、過去の事業をしっかりと検証してみる必要があると思います。

 私の身近な例で言えば、これまで何度も話題にしてきた畑総事業(参考:「灌漑施設の管理作業」)です。そして今進行中なのが、嘉瀬川からの導水事業です。佐賀市を流れる嘉瀬川から当地を流れる晴気川まで地下埋設の導水管による導水を行い、晴気川に放水するそうです。地元の人に何のための事業か聞いたら、渇水時に使用するものだとか。意味が分かりません。私が知っている限り、ここ十年以上渇水であったことはありません。何十年に一回の渇水のためにこのような事業が本当に必要なものでしょうか。晴気川の上流には八丁ダムという農業用水用のダムがあります。これは畑用であって、稲作用の用水としては目的外使用となるといった考え方があるのでしょう。まったくもって無駄な話です。第一こちらが渇水のときに、嘉瀬川には潤沢な水量があるのでしょうか。はなはだ疑問に思うところです。このために北山ダムの下流に嘉瀬川ダムを造ったといったことにでもなるのでしょうか。何となく後付けの言い訳のようにも聞こえます。
 これから農家がますます減少するとすれば農業用水だって不要になるはずです。当地にとっては、農業用水そのものよりも農業用水路の維持管理(参考:「農業用水路はいつまで維持できるか?」「農業用水路の維持」)が急務なのです。

 更に言えば、農業用水の確保が必要とするならば、ダムや導水事業より、里山の保全が重要だと考えます。こちらの方が、環境破壊型の公共事業より環境保全に大きく貢献しますし、膨大な予算は不要です。そして何より、子孫に貴重な財産として残してあげることができます。
 土地改良事業は農業のためというより、建設業者のために行われる事業と思っていただいた方が真実に近いと思います。このような事業は、農業のためにならないし、環境も破壊し、大きな負の遺産となって子々孫々に残されます。真に農業者のためになるような予算にしてもらいたいと願っております。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

農地の集積化・集約化

2015-11-13 | 農業
 先日国会の議論を聴いていて、確か農水大臣だったと思いますが「農地の集積化・集約化を・・・」といった答弁をしておられました。
 私はこれまでこれらの言葉を区別せず似たような意味で用いておりました。要は分散した農地を集めるといったことかと思っておりました。
 しかし、大臣答弁のように集積化・集約化と並べて使われると、それぞれが別の意味を持つということになります。しからば、それらの違いを明確にする必要性があるものと考えます。

ということで、先ずは、農業経営基盤強化促進法をみてみます。
「第一条  この法律は、我が国農業が国民経済の発展と国民生活の安定に寄与していくためには、効率的かつ安定的な農業経営を育成し、これらの農業経営が農業生産の相当部分を担うような農業構造を確立することが重要であることにかんがみ、育成すべき効率的かつ安定的な農業経営の目標を明らかにするとともに、その目標に向けて農業経営の改善を計画的に進めようとする農業者に対する農用地の利用の集積、これらの農業者の経営管理の合理化その他の農業経営基盤の強化を促進するための措置を総合的に講ずることにより、農業の健全な発展に寄与することを目的とする。」

 ここに農用地の利用の集積という文言がでてきております。ここでいう集積の意味は、特定の農業者(いわゆる意欲のある農業者ということか?)に農地を集めようといった意味で使われているように考えます。

 ですから「農地の集積化」とは、農業者当たりの耕作面積を大きくして大規模農家を目指そうといったことかと考えられます。ある意味、農地の権利(所有権、賃借権など)の移動のみで、農地をまとめるといったニュアンスは無いように思います。

 一方、「農地の集約化」でググってみますと「農地の集約化がもたらした大きな成果(1)」というページがあります。
この記事を読むと「農地の集約化」とは、散在する小面積の農地を農業者ごとにまとめて、同一農業者の農地間の物理的距離を小さくすることであろうと考えられます。農地は持ち運びできませんから、当然権利の移動(主に交換)を伴いますが、特定の農業者に集中させるといったことではないものと考えられます。

 今まで何の気なしに意味も知らずに使っていた言葉ですが、改めて調べてみて、これが正しいか否かは別として、一応自分なりに納得することができました。今後の記事では、この線に沿って使い分けたいと思っております。

 さて、これまで大規模農家を目指すということが盛んに主張されてきました。そのためには農地の集積化が必要となります。しかしながら農地がバラバラに分散していては作業効率が低下します。ですから集積化と集約化がセットであることが重要になります。冒頭で述べた農水大臣の答弁は、そういった意味であったのかなかったのか・・・。それとも官僚のメモにそう書いてあったのか・・・。







 
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

TPPについて(22)-関税の細目が公表されておりますが

2015-10-21 | 農業
 政府から公表された、関税の細目を受けて様々な主張がなされております。農家への影響もほとんどないといったものから、大打撃を受けるといったものまで百家争鳴といった様相を呈しております。

 政府は守るべきものは守ると言ってきました。そのことはある面では盛り込めたのではないかとは思います。確かに、形式的には守られたかに見えますが、現実に守られるかどうかは全くもって不明です。というのは静的に見ればその通りとなるかも知れません。しかし、世の中は決められた関税率を見て経済活動の方向性を変えてくるようにもっと動的なものです。ルールの中で最大利益を上げるように経済活動は動いていくことでしょう。
 例えば、コメが輸出できないなら、コメを原材料とした加工食品にシフトしてくるかも知れません。日本人のコメの消費量は年々減少しております。そもそもご飯を食べる量が減少したこともあるでしょうし、簡便なパンやシリアルなどにとって代わられていることもあるでしょう。
 自らご飯を炊いて食事をするより、より加工食品に頼るようになることでしょう。となれば、コメそのものの関税云々より、加工食品の関税の方が効き目があるということになります。

 このように、将来どのようになるかは株価を予測するようなものであって、現時点であれこれ言っても意味がありません。政府が現時点で、交渉結果を自慢するのは早計であると言わざるを得ません。

 評論家が当たりもしない主張をするのは勝手ですが、それによって右往左往(政治家を含む)する者が現れます。現場はそれによって大混乱をきたすことが往々にしてあります。自分が安全圏にいるからこそ、勝手なことが言えるし、その結果責任を問われることはありません。
 しかし、TPPに関しては生活に直結するものです。いつまで評論家様も安全圏に身を置いていられることやら。

 関税の細目だけでも、これだけの議論が巻き起こるのですから、その他の内容が公表されたら蜂の巣を突いたようになるのではないでしょうか。


コメント
この記事をはてなブックマークに追加

TPPについて(21)-交渉妥結間近のようですが

2015-10-03 | 農業
 報道によりますとTPP交渉の妥結が間近に迫っているようです。今朝がたの報道番組でも取り上げられておりました。大方のコメンテーターもTPP交渉の妥結を歓迎するコメントをしておられました。消費者目線で見れば海外から安いものが入ってくることは歓迎されることといった趣旨の発言が多かったようです。

 その中で、国内産業に与える影響についての言及があり、特に農業に関して今まで多額の補助金が交付されたのにも関わらず農業は衰退してきた。今後は保護の在り方を検討し、強い農業にすることに対する政策が必要となるとの趣旨の発言がありました。

 このことに関しては「TPPについて(20)-強いものが生き残るのか、生き残ったものが強いのか?」その他の記事でも取り上げておりますように、大いなる勘違いであると思っております。

 農業が衰退した原因として農業保護政策、取り分け補助金がクローズアップされております。確かにそういった側面が無いとは言えません。しかし、保護されているのは何も農業だけに限りません。他の産業だって多くの保護政策が行われておりますし、毎年多額の補助金も交付されております。そして、そうした産業の中にもこれらを活用して興隆していくものもありますし、衰退していくものもあります。
 同じ斜陽産業であっても、その様相は企業によって異なります。ですから農業と言っても一括りに議論はできません。専業農家、兼業農家、大規模農家、中小零細農家などの様々な経営形態があります。また、地域や気候風土など多くの要因があります。これらのことを一番知っているのは、その地で農業を行っている農業者に他なりません。全国一律の政策、それも現場のことを殆ど知らない、それこそ机上で練られた政策で以て縛ろうとすることがそもそもの間違いなのです。このことの反省無しには、どのような政策を実行しようとも農業の衰退は止められません。その最大の犠牲者は消費者であることを指摘しておきます。

 何度も書きますが、「経営規模拡大」、「攻めの農業」、「集約化農業」、「趣味の農業」などなど多様性の高い農業のあり方を認め、互いの特色でもって相互補完することができてこそ足腰の強い農業となるものと考えます。




コメント
この記事をはてなブックマークに追加

麹箱、孵卵器(インキュベーター)を作る(2)~試作機完成?

2015-03-29 | 農業
 「麹箱、孵卵器(インキュベーター)を作る(1)~先ずは温度管理部から」では、目標温度に達する前に熱平衡してしまいました。
そこで衣装ケースにエアーキャップ(いわゆるプチプチ)を貼り付け、その廻りを更に梱包シート(多分、発泡ポリエチレンだと思います。)で囲いました。これでもダメなら、発泡スチロールで外箱を作り、スッポリと格納するつもりです。おそらく極寒期には必要になるかも知れませんが、そんなときには孵化させなければ良い訳です。そんなこんなで、自分なりにこれで行けるといった妙な確信があり、このような簡単なものを作ってしまいました。

(エアキャップと梱包シートで包んでみました)


 実際には、麹の内部温度を計測するため、もう一台サーミスタセンサの温度計を使います。サーモスタットの温度センサ(サーミスタ)は、卵の周辺など設置場所を変えられるので便利です。

(こうして見ると単なる白い箱にしか見えませんね)



 早速、動作確認です。先ずは、内部温度50℃を達成できるかです。(ちなみに外気温といっても室温ですが約18℃でした。)通電開始すると徐々に温度が上昇し、断熱材なしの熱平衡温度である30℃は簡単にクリア、40℃も難なくクリア、その後も温度上昇を続け目標温度の50℃もクリアできました。実際の熱平衡温度を調べたいところですが、孵化に必要な温度は38℃程度ですから、もうこれで十分であろうと思い、温度上昇試験はこれで中断しました。
 次に、実際の孵化温度である37.4℃(これはニワトリの体温であるらしい)に設定温度を変更し、どのような動作を行うかを観察しました。
 サーモスタットの設定値を37.4℃にすると工場出荷時設定では、37.4℃でサーモOFF、36.8℃でサーモON(0.5℃のヒステリシス)するようになっております。この条件で計測すると、サーモOFF後のオーバーシュートが38.0℃(プラス.06℃)、サーモOFF後のアンダーシュートが36.5℃(マイナス0.3℃)という結果になりました。

 オーバーシュート、アンダーシュートは断熱特性、外気温、ヒーター容量などの要素が絡み合ってきます。卵の孵化に必要な温度環境をもう少し調べて、設定温度やヒステリシスの設定だけで対応できるのか、それとももう少し工夫が必要となるのか判断したいと思っております。
 まぁ、憶測ですがあまり気にする必要はないと思っております。その根拠としては、市販の安価なお手軽孵卵器は機械式のサーモスタット(多分ヒステリシスが2℃程度)を使用していることと、ニワトリが実際に卵を温めているときにそんなに厳密な温度管理をしているとは思えないことが挙げられるでしょう。

ちなみに湿度は、濡れタオルを箱内に置きましたところ70%前後の値を示しておりました。

 一応、これで試作機としては完成といったことかと思います。今後は麹や卵をどのようにして箱内に置くかを検討して、実用化できるかどうかといった段階に入ります。
 色々能書きを垂れたとしても使えなければ何の役にも立たないのです。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

麹箱、孵卵器(インキュベーター)を作る(1)~先ずは温度管理部から

2015-03-27 | 農業
 「わが家でつくるこだわり麹」を読み、味噌や醤油を種麹から作ることにチャレンジしてみようと画策しております。先ずは麹箱なるものが必要となることが判明しました。
 また、先日補修したニワトリ小屋(参考:「ニワトリ小屋の修復」)でニワトリを飼うことにしました。これには雛を入手すれば、直ぐにでも始められます。以前は農協を通して購入していたのですが、気に入った品種がありません。雛を空輸してもらうという手もありますが、相当高額になりそうですし、購入ロットも50羽以上まとまらないと販売しないとか色々と制限がつきます。有精卵ならば比較的安価に入手できそうですので、いっそのこと孵化させてみようと思い立ち、孵卵器のことを調べてみましたら、比較的簡単にできそうな感じです。

 麹箱も孵卵器も一種の恒温槽みたいなものと考えて良く、これらは似たようなものです。よって共通化ないしは兼用できるのではないかと考えました。特に温度管理部分は管理温度が異なるだけで全く共通化が図れるものと考えられます。

 麹箱は木材で作った方がよさそうですが、何でも良いとのことですので両方とも衣装ケースで試作してみようと思います。先ずは、衣装ケースを想定して温度管理部を作製します。
 次の画像は、温度管理部の主要なパーツです。



 熱源用100Wのリボンヒーター、ヒーター制御用のサーモスタット(電子式)、サーキュレーション用のファン、温湿度計(デジタル)、温度計(アナログ)

 孵卵器の場合管理温度から±2℃以上離れると孵化率が著しく悪化するとのことですので、電子式のサーモスタットとしました。また、湿度管理も重要な要素だそうですので、温湿度計も用意しました。デジタル式の場合MIN-MAX値などの表示もあるので使い勝手が良いと思います。アナログの温度計は、デジタルとの比較用と麹内の温度計測のため別途用意しました。

 ヒーターとファンをアルミ材を加工して次のように組み立てました。



 これを衣装ケースの仮格納したのが次の画像です。



 この状態で温湿度計を内部にセットして、上蓋を被せ試運転を実施しました。

 外気温13℃程のときケース内温度が30℃で熱平衡に達してしまいました。ケースの断熱が必要です。これでは試験になりませんので、設定温度を25℃に変更して動作させましたところ設定温度に対してプラス0.2℃、マイナス1.2℃の範囲で温度管理ができました。これは熱平衡温度に近い設定温度ですので、オーバーシュートが小さく、アンダーシュートが大きいのは当たり前の結果でしょう。

 今後、断熱材をケースに装着して50℃程度まで平衡温度を持ち上げることを目標とします。これでしばらく試運転で温度変化の特性を調べ、最適な設定温度と制御ヒステリシス設定値を見つけることとします。

 この作業が終了した段階で、ケースへの実装方法を検討予定です。現在の構想としては、麹用と孵卵器はケースを別個に用意して、温度管理部は共用できないかと考えております。

 更に、孵卵器の場合には転卵という作業が必要になります。とりあえずは、手動でやろうと思っておりますが、将来的には自動的に行う仕掛けも自作してみたいと思っております。



コメント
この記事をはてなブックマークに追加

農業への企業参入~できないのか、しようとしないのか?

2014-08-25 | 農業

 世間では農業への企業参入が困難であると思われております。このような趣旨の報道は、それこそ溢れてかえっております。それらを見聞きすれば、そのように考えるのも無理からぬことであると思います。
 私は臍曲がりゆえ、それが常識であるといわれてもハイそうですかと頷くことができません。この農業への参入障壁なるものを私なりに疑ってみようと思います。この論点については既に「なぜ農業従事者数が減少したのか?」でも書いておりますので、一部重複するかとは思いますが、改めて別の視点から眺めてみたいと思います。
 さて、大企業が本気で参入したいといった意思を持ったとしたら、あらゆる手段を用いて障害を排除し、その目的を達することでしょう。しかしながら、そのような意欲は感じられません。農地法によって企業の農地取得ができないことが槍玉に挙げられることがありますが、これとて農地を借りることができますので、そんなに大きな障害とも思えません。これ以外の障壁といえるべきものが報道されているのを見聞きしたことがありません。
 企業の参入例や成功事例が報道されることはあります。農業が企業にとってそんなに魅力的で儲かる対象であれば、それこそ続々と参入していると報道されていなければなりません。このようなところに違和感を覚えます。
 また、兼業農家や零細農家が農地を手放さないとの指摘もなされております。そして、その原因として補助金が支給されているからとされております。一方で耕作放棄地が増加しているといわれております。補助金が目当てとすれば、耕作放棄地が増えることと矛盾しませんか?
 多くの企業が参入して、良い条件で農地を貸すことができるならば、兼業農家は喜んで農地を提供すると思いますし、耕作放棄地などはたちどころに無くなってしまうのではないですか。
 要は、現状では企業が農業に参入しても、思わしい成果が上がらないと考えているからなのではないかと私は考えております。つまり、参入できないから参入しないのではなく、参入する旨味がないから参入しないものと考えます。

 ではなぜ農家たたき報道が行われるかです。これは報道で指摘されている農業の問題点が企業に有利になったときのことを想像してみれば容易に理解できるでしょう。すなわち、将来的に農地法が改正され企業の農地取得が可能となり、兼業農家や零細農家が絶滅したとしましょう。当然のこととして、これら農家が生産していた作物は生産されなくなり、農地も宙に浮いてきます。そこが企業の参入チャンスとなります。現状では生産過剰であった作物も供給が逼迫します。つまり兼業農家や零細農家が生産していたものの分け前に与れることになります。結局は、兼業農家や零細農家が企業にとって替わるだけの話なのです。

 さて、これが消費者にとって幸いするのか、それとも不幸なこととなるのか、それは消費者の皆さんが考えることです。

<参考> 「なぜ兼業農家を続けるのか(1)」~「なぜ兼業農家を続けるのか(8)」、「TPPについて(14)-農業への新規参入の難しさ」、「TPPについて(15)-農業への参入障壁とは?」、「TPPについて(20)-強いものが生き残るのか、生き残ったものが強いのか?」、「TPPについて(17)-農業の経営規模拡大の行き着く果ては?」「農地の集約化と生産性向上の限界」、「スマートアグリについて」、「スマートアグリについて(2)」、「スマートアグリについて(3)」、「植物工場(野菜工場)

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

なぜ農業従事者数が減少したのか?

2014-07-04 | 農業

 農業従事者の高齢化、就業者数の減少が叫ばれて久しいものがあります。その要因として新規参入障壁があり、その筆頭に農地取得の難しさが挙げられております。だから農地法を改正して株式会社の農地取得を可能にすべきだとの主張に繋がります。

 そりゃ参入障壁はあるでしょう。どの業界だってそれは同じことです。おまけに斜陽産業に新規参入するといったご奇特な方がいらっしゃるでしょうか。はなはだ疑問に思います。そんなに農業が儲かる産業だったら万難を排して参入されることでしょうに!

 それこそ金にもの言わせて政治家を動かし農地法の改正など朝飯前なのではないですか。「農協といった大組織が邪魔をする。」-今や営農部門は赤字、金融と保険で食っているのではないですか。「農民票が欲しいので政治家が二の足を踏む。」-既に農民票は選挙結果にほとんど影響しません。しかし、農地法は改正されない。それはその原動力が大きくないからに他なりません。情報通信などの規制緩和などに比べれば、うま味がないからでしょう。それに現在でも株式会社は農地を借り入れて農業に参入することは可能です。マスコミで農業への参入事例が報道されますが、雪崩をうって農業に参入しているといった状況には程遠いものでしょう。このことが農地が所有できないことが原因だということで説明できるでしょうか。

 新規参入した企業でさえ、作付けしている作物は収益性が高い作物ばかりです。そりゃそうでしょう。企業は利益をあげなければ存続できませんものね。例え、今は収益性が高くても多量に出回るようになれば、そこは競争原理が働きます。その内、そんなに利益をあげることが出来なくなってくるでしょう。結局は、個人の零細農家であれ株式会社であれ儲からないものからは撤退する。それが経済合理性というものでしょう。

 しかし、何故に農家が絶滅しないのか。それは一定量のニーズがあることと農家が必ずしも経済合理性に従っていないことが挙げられるでしょう。一定量のニーズがあれば、個人経営であろうと企業経営であろうとその分け前に与れます。経済合理性に従っていないことは、兼業農家割合の増加がそのことを裏付けております。儲からないならば止めてしまう。兼業農家など存在するはずがない。存在するはずがないものが存在し、しかもその数が無視できないくらいに大きくなってしまった。これにはきっと裏があるに相違ないと考える。「そうだ、それは補助金の所為だ!」と声高に叫ぶ。

 ちょっと冷静に考えてみてください。ここに1ha(100a)の水田があるとしましょう。ひところ10aあたり15,000円も補助金を貰っていると批判されました。1haでも15万円ですよ。どこをどう捻くりまわしたら、たった15,000/10aの補助金が貰えるから兼業農家が減らないなどといった結論になるのでしょうか。では何故に兼業農家なのかということは、「なぜ兼業農家を続けるのか(1)」~「なぜ兼業農家を続けるのか(8)」でくどくどと述べておりますので一読いただければと思います。

 ここで兼業農家の主な作付け作物である水稲の現状をみてみましょう。生産者米価は60kgあたり11,000~14,000円程度でしょうか。仮に15,000円/60kg、収量480kg/10aとして、10aあたり120,000円となります。1haでも1,200,000円です。これはあくまでも売上高です。これから経費を控除すれば、とほほの世界であることがお分かりいただけるでしょう。1haでは専業農家として食ってはいけません。兼業化するのは必然です。これで農地を購入してまでも新規参入したいと誰が考えるでしょうか?

 おまけに兼業農家は、週末農業だの片手間農だのと罵られます。専業だろうと兼業だろうと手間は同じです。むしろ大規模農家の方が管理作業が希薄化しているのではないかと思うこともありますが・・・。

最後に、そんなに羨ましいとお思いならば、どうぞ参入してください。大歓迎します。

農業したことないから・・・。私だって50歳過ぎのど素人でしたので心配ご無用です。

参入障壁があるから・・・。新規就農者支援が充実してますよ。(参考:「TPPについて(14)-農業への新規参入の難しさ」「TPPについて(15)-農業への参入障壁とは?」)

 最後の最後に、仮に農地法が改正され株式会社の農地取得が可能になったとしましょう。それでも農業が衰退してしまったとき、そのことを主張したあなたは責任をお取りになれますか?

 日本農業は村落共同体の存在を前提としております。その維持には今や兼業農家や零細農家の存在が欠かせません。村落共同体が崩壊したならば大規模経営だって存立しえません。共倒れになってしまえば、最悪の結末を迎えてしまいます。目先の利益をのみ追求するような主張には、このような視点に欠けているように思います。

  私は自分の食うものは自分で作れますから、どちらに転んでも大したことはありません。くれぐれもこんな時だけ泣きついてこないでくださいね。それもこれも経済合理性に従った結果なのですから、戦時中みたいに農家から強制的に食糧を徴発するなどといったことは御免蒙ります。 

 

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

今年も無事に田植えが終了しました

2014-06-22 | 農業

 入梅はしたもののほとんど降雨がなく一時は水不足が心配されましたが、先日まとまった量の降雨があり、本日無事に田植えができました。

6221

6222

 これから収穫まで色々な作業があります。確かに、野菜の栽培に比べればはるかに手間隙は掛からないでしょうが、世間で言われているように、決して片手間や週末だけでできるものではありません。手抜きをすれば、それなりのものしかできない。自然は人間のように誤魔化したり嘘をついたりはしません。至極当たり前の結果しかもたらしません。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

新ブログ「省エネ農法~自然農ことはじめ」を立ち上げました

2014-02-16 | 農業

 今まで本ブログや当事務所のWebサイトで、農業に関連して色々と述べてきました。

 この度、現在最も興味を持って取組んでいる「自然農」への取り組みにテーマを絞り込んだブログを立ち上げましたので、ここにご案内申し上げます。自然農に関する事柄については、新ブログ「省エネ農法~自然農ことはじめ 」をご覧いただければと存じます。

 尚、いわゆる農業問題等々については従来通り、本ブログで取扱って参りますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

耕作放棄地の再生(開墾)

2014-02-12 | 農業

 「みかん畑をどう活用しようか」でご紹介しておりましたように、目下のところ竹薮と化していた畑に取組んでおります。竹が成長を始める春までには何とか目処をつけたいと思っております。

 竹薮の場合には、竹を切っただけでは栽培が可能な畑に再生できるとは思えません。切り取った竹が腐植するまでには相当の年月を要するでしょうし、地下茎が縦横無尽に走り回っていることでしょう。これはスコップで根切りして、勢力を弱めて自然消滅するのを待つしかないのかも知れません。

 2、3年の長い目で見ていく他ないものと思われます。別に耕作地が不足している訳ではありませんので、気長にやっていこうと思っております。

 このように、一旦耕作が放棄されるとその再生には多大の労力が必要となります。なかには重機でガガガーとやれば、いとも簡単なことではないかと仰いますが、生産性の低い農地に誰が金を掛けるものでしょうか。そもそも農業で儲かるならば、耕作放棄地になることが無かったのです。

 多くの識者が農地集約(集積)せねばならぬとのたまいますが、耕作放棄地を減らすことが先だと思いますが・・・。

(着手して間もない頃)

Photo

(竹薮の中からこんな大木が現れました。記念に残すことに)

Photo_2

(随分と見晴らしが良くなってきました)

3_2

<参考> その後の状況は「耕作放棄地再生(開墾)」カテゴリで詳述しております。

 

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

兼業農家のネットワーク

2014-02-04 | 農業

 TPPを見越して、政府は農政の大転換を図ろうとしております。これからの激動期に兼業農家も否応なしに巻き込まれます。現状でも兼業農家は目の敵にされている状況ですが、今後はますます風当たりが強くなってくるでしょう。

 私は兼業農家も一定の社会的役割を果たしているという立場で、当ブログの農業カテゴリ、その他で色々と考えを述べてきました。しかし、所詮は蟷螂の斧です。そこで兼業農家がネットワークを作り、アイデアを出し合っていく必要性を痛感しておりました。そんなおり、既に「兼業農家のネットワーク」創りをされている「石垣園芸」さんのサイトに出会い、早速参加させていただくこととしました。

 これから、兼業農家というより日本農業の生き残りを賭けた戦いが始まります。政府は強い農業を目指すといっております。その中で、兼業農家が如何に生き残っていくかを真剣に考えてみたいと思っております。(参考:「TPPについて(20)-強いものが生き残るのか、生き残ったものが強いのか?」)

 全国の兼業農家の皆様、そして農業に取組もうとお考えの皆さん。「兼業農家のネットワーク」で一緒に考えてみようではありませんか。

<参考> 「減反政策について」「なぜ兼業農家を続けるのか(1)」「今こそ兼業農家を始めよう!

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

みかん畑をどう活用しようか

2014-01-20 | 農業

 昨年から暇を見計らって十数年間耕作放棄されていたみかん畑の再生(開墾作業)を行っております。(参考:「畑は畑として活用を図ることにしました」「「自然農」を始めるための畑に最適!?」)

 畑2枚は何とか今年から作付けが出来そうな見通しがたちました。もう1枚の畑は竹藪と化しており、昨年末にエンドウマメの支柱にするため切り出してきましたが、面積的には1/100程度でしかありません。冬の内に粗方片付けたいとは思っておりますが・・・。

 その後、何を栽培しようかと考えあぐねておりました。元々はみかん畑ですから日当たりが良い傾斜地で、かつ灌漑設備も整っておりますので選択肢は数多くあるにはあります。しかしながら、近年イノシシが多く出没し、その被害も半端ではありません。果樹にしても鳥害等々がありますので、手が足りない中でそう簡単に栽培できるものでもなさそうです。

 そこで思い当たったのが、元々自生していたものが最も適するのではないかということです。春先にはワラビやゼンマイが多く採れます。また、タラの木も多くみられます。更に、小城市においては、山ウドの産地化を目指した取り組みもなされているようです。(余談ですが、阿蘇でパラグライダーして遊んでいた頃、パラの先生の手ほどきを受けてウドの新芽を慎重に掘り出し、マヨネーズをつけて食しました。生で食べられるとは驚きでしたが、その美味さは更なる驚きでした。)

 この産地化の動きに乗っかるのも手ですが、そこは生まれながらのへそ曲がりのひねくれ者です。そこで自生しているワラビ、ゼンマイに加え、試験的に山ブキとタラの木を栽培してみようと考えております。結局は、私の好物から選択してしまいました。

 販路や加工法などまだまだ検討することも多いのですが、とりあえず動き始めようかと思っております。何事も最初の一歩を踏み出すことが大切でしょう。考えすぎたら何にもできません。何事も気楽に考えるのが私の性格です。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

今こそ兼業農家を始めよう!

2013-12-27 | 農業

 「国が言うことなすことの反対をやっていれば道を大きく誤ることがない。」とは誰が言ったか知りませんが至極名言なのではないでしょうか。

 今政府は、減反政策を廃止し、兼業農家への補助金をなくし、兼業農家を撲滅しようとしております。(このような政策をとっても兼業農家がなくならないのは「なぜ兼業農家を続けるのか(1)」で既に述べた通りですが・・・。)

 こういう時こそが兼業農家を始める絶好のチャンスです。誰に対しても何のはばかりもしがらみもなく、大手を振って農業ができるではないですか。

 とは言うものの、元々儲からない農業にいきなり参入するといったことはかなり無謀なことだと思います。このようなことに人生や社運を賭けて参入すべきではありません。ただでさえ儲かりそうな分野に参入しても難しいのに、農業への参入ともなると落ち目の企業が手を出しても大火傷して命取りになるだけです。本業がシッカリしていてこその新規ビジネスです。

 最初は家庭菜園の延長(「TPPについて(20)-強いものが生き残るのか、生き残ったものが強いのか?」)といわれても良いではないですか。先ずは家庭菜園の一区画や田んぼ一枚でも借りて、実際の農業の楽しさ・辛さを味わってみましょう。先進成功例(?)を見学したりして判ったようなつもりで事業計画をしたらとんでもない結末を迎えてしまうでしょう。

 特に中高年で定年退職後や転職で農業を検討されておられるのであれば、先ずは兼業農家となることをお勧めします。現職のまま農業に親しんでみてください。数年間農業体験をしてからでも決して遅くはないと思います。

 参入にあたっては、出来るだけ出費を控えましょう。農地を買うお金があるくらいだったら農地を借りましょう。自然農(「自然農について」)というやり方があります。これでしたら耕作放棄地を探しましょう。一般的には放棄地は耕作に適さないように思われておりますが、自然農を始めるにあたっては、優良農地よりも耕作放棄地の方がむしろ適することが多いと思います。今だったらただ同然で借りることができます。それから自然農においては、トラクターや耕耘機などの高価な農機具は必要ありません。肥料や農薬も使いません。浮いたお金は運転資金に残しておきましょう。

 そして、ニワトリなどの家畜も飼って、できるだけ自給自足的生活を目指します。余剰の農産物は販売するようにします。販売にあたっては、組織の力など借りずに独自の販路を開拓しましょう。農業で喰っていけるようになった暁には、堂々と専業農家として自立しましょう。

 今まで兼業農家が耕作放棄地の増加に一定の歯止めをかけてきましたが、もうこれも限界にきつつあります。これからは、兼業農家として新規参入者が耕作放棄地を再び耕作し、この中から自立した専業農家が生まれる可能性に賭けるしかないように思います。

 兼業農家は、決して撲滅する対象ではありません。兼業農家が実績を積むことによって兼業農家の社会的役割を再認識させようではありませんか。

 このように中高年が新規参入する場合には、兼業農家からスタートする方が無難であると考えます。(いい歳こいて失敗はできないのだから)

 農業に夢を持って参入される若い方々に対しては、大いにエールを送りたいと思います。若いのだから失敗を恐れず果敢にチャレンジしてみてください。

 企業がビジネスとして参入される分には、農村のルールを守っていただけるのであれば、どうぞご勝手にということですが、引き際だけは既存農家の迷惑にならないようにお願いするのみです。

<参 考> 「兼業農家のネットワーク

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

日本の農産物が海外で売れると言われておりますが?

2013-12-18 | 農業

 高品質の農産物は少々高くても海外で飛ぶように売れているとマスコミ等で喧伝されております。しかしながら、この事実をもって将来の日本農業の望ましい方向性を指し示していると言えるのでしょうか?

 第一に、海外でそんなに多くのマーケットが存在するのでしょうか。富裕層向けといってもたかが知れているでしょう。極一部の生産者を潤すことはあっても、日本全国の生産者を潤すとは到底考えられないことです。

 第二に、誰が儲けるかといったこともあります。これまで多くの生産地から輸出が試みられてきました。寡聞にして、生産者が大喜びをしたといった結果を知りません。その多くは日本国内の流通関連者、海外の関連者の利益とはなっても、生産者に還元されることが無かったのではないでしょうか。

 第三に、海外への輸出量が増加すれば、国内への流通量が減少します。その分を輸入農産物に依存することになります。よって、国内で流通する農産物は、国内の富裕層に廻る一部の高級農産物を除き、低品質、低価格のものが主流となるでしょう。

 このように、農産物を輸出したからといってバラ色の世界となるとも限りません。むしろ多くの消費者にとってマイナスになる可能性があることもご承知いただきたいと思います。

 今、政府が掲げている政策が100%実現できたとしても、農業が再生する可能性は限りなく低いと考えます。むしろ、政策を実現する過程において、多くの兼業農家、零細農家を排除し、より歪な農業となってしまうことにもなりかねません。私は従来から主張しておりますように、「経営規模拡大」、「攻めの農業」、「集約化農業」、「兼業農家」、「零細農家」、「趣味の農業」などなど多様性の高い農業のあり方を認め、互いの特色で相互補完することができてこそ足腰の強い農業となるのではないかと考えます。

 余談ですが、米の需要が年々減少してきております。米余りの一因でもあります。政府は米の需要喚起に消極的ともいえる政策を一貫して取ってきたように考えます。戦後の食糧難で米国から食糧援助を受けた一時期を乗り越えた後も、学校給食ではパン食のみが供されてきました。米の生産調整が行われるようになっても、やはりパン食が主流であることに変わりがありませんでした。私の小中学校時代では、ただの一度も米飯が供されたことはありません。このような食生活を経て成長した世代においては、パン食を愛する国民が生み出されたとしても不思議ではないでしょう。

 ついでに一言、米が高い高いといわれておりますが、私からみればパンの方がよほど高価に思われます。

<参考> 「TPPについて(13)-攻めの農業って?」「TPPについて(17)-農業の経営規模拡大の行き着く果ては?」「TPPについて(18)-六次産業化とはいうものの・・・

 

コメント
この記事をはてなブックマークに追加