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『呂氏春秋』巻第二仲春紀

2017-04-07 10:59:38 | 四書解読
巻第二 仲春紀

一 仲春

一に曰く。仲春の月。日は奎に在り。昏に弧中し、旦に建星中す((予備の二十八宿を参照、建星は斗宿の北にある星座)。其の日は甲乙、其の帝は太暤、其の神は句芒、其の蟲は麟、其の音は角、律は夾鐘に中る(予備の音・律を参照)。其の數は八、其の味は酸、其の臭は羶。其の祀は戸、祭るには脾を先にす。初めて雨水し、桃李華さく。蒼庚(ちょうせんうぐいす)鳴き、鷹化して鳩(はやぶさの類)と為る。天子は青陽の太廟(予備の明堂を参照)に居り、鸞輅に乘り蒼龍を駕し、青旂を載(たてる)て、青衣を衣、青玉を服(おびる)び、麥と羊とを食らう。其の器は疏にして以て達す。是の月や、萌牙を安んじ、幼少を養い、諸孤を存む(「諸孤」は諸々のひとり者、「存」は恤、“あわれむ”と訓ず)。元日を擇び(高注:「元」は「善」なり)、人に命じて社せしむ(高注:后土を社祭するは、民の穀の祈りを為す所以なり)。有司(高注:獄を主る者)に命じて囹圄を省き(高注:囹圄は法室(牢屋)、之を省くとは、輕微を赦すなり)、桎梏を去り、肆掠無く(高注:「肆」は極(死刑)、掠は笞うつ)、獄訟を止ましむ。是の月や、玄鳥至る。至るの日は、太牢を以て高禖に祀る(高注:玄鳥は燕なり。高禖は郊禖に同じで、男女交合の神を郊外に祀ること)。天子親ら往き、后妃、九嬪(側目、妾)を率いて御(はべる)る。乃ち天子の御する所を禮し(「御」は「幸」、愛幸)、帯びしむるに弓トク(左に“韋”、右に“蜀”の字、弓トクは弓袋のこと)を以てし、授くるに弓矢を以てし、高禖の前に于てす。是の月や、日夜分しく(春分。高注:「分」は「等」、晝夜鈞きなり)、雷乃ち聲を發し、始めて電し、蟄蟲咸な動き、戸を開きて、始めて出づ(「蟄」は穴に居る虫、「開戸」とは穴から出てくること)。雷に先だつこと三日、鐸を奮いて、以て兆民に令して曰く、「雷且に聲を發せんとす。其の容止(起居動静、日常の行い)を戒めざる者有らば、生子備わらず(生まれた子は不具である)、必ず凶災有らん。」日夜分しければ、則ち度量を同じくし、衡石を鈞しくし、斗桶を角(たいらか)にし、權概を正しくす(「權」は分銅、「概」は桝のとがき)。是の月や、耕者少しく舎めば(「舎」は“やすむ”と訓じ、少し暇が出来る意)、乃ち闔扇(高注:闔扇は門の扇(とびら)なり)を修め、寝廟必ず備わらしむ。大事(軍事や築城)を作して以て、農功を妨ぐること無かれ。是の月や、川澤を竭くすこと無く、陂池を漉くすこと無く(「陂池」(ヒ・チ)は、ため池、「漉」は“つくす”と訓じ、浚いつくす意)、山林を焚くこと無からしむ。天子乃ち羔を獻じ、冰を開き(氷室を開く事)、先づ寝廟に薦む。上丁に、樂正に命じて學に入り舞を習わしめ、(底本は「命樂正入舞」となっているが、孟春に「命樂正入學習舞」となっており、又下文に「命樂正入學習樂」とあることから、「命樂正入學習舞」に改める)、采を舎かしむ(高注:「舎」は猶ほ「置」なり、初めて學に入る官は、必ず先師に禮し、采帛を前に置き、以て神に贄す)。天子乃ち三公九卿諸侯を率いて親ら往きて之を視る。中丁に、又樂正に命じ、學に入り樂を習わしむ。是の月や、祀に犠牲を用いず、圭璧、更に皮幤を用う。仲春に秋の令を行えば、則ち其の國、大水あり、寒気総りに至り(高注は、総至を猥りに至る、と解している)、寇戎、來征す。冬の令を行えば、則ち陽気勝たず、麥乃ち熟せず、民多く相掠む。夏の令を行えば、則ち國乃ち大いに旱し、煗気(ダン・キ、暖気に同じ)早く來たり、蟲螟、害を為す(高注:蟲、稼の心を食す、之を螟と謂う。穀物の茎の芯を食らう虫の総称、ずい虫という)。

二 貴生

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