眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

ラストシーン

2011-06-06 01:34:58 | ショートピース
主人公はいつでもポップコーンを食べていたけれど、それ以外に特に変わった出来事がないためかほとんどの観客が帰ってしまうと、照明がつき、清掃が始まってしまった。とっとと帰れという雰囲気の中、主人公が恋人にポップコーンを小さく千切り分け与える様子を僕は見守っている。 #twnovel
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フリーキック

2011-06-03 00:45:04 | ショートピース
ゴール前20メートル付近に憲剛がボールをセットすると町中の人がツイートを止め静寂に支配された。右足から放たれたボールは壁を越えてゴール左隅に突き刺さった。「なぜ立たない!」壁の中の1人が監督の命令に異を唱え立たなかったのだ。絶対に譲れない戦いが法廷で始まった。 #twnovel   


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花言葉

2011-06-02 00:57:40 | ショートピース
すれすれにまで達した水面が揺れているのをぼんやりと見つめていた。「飲まないなら花を挿しますよ」女は言った。どうせ脅しに決まっているので飲まなかった。「本当に挿しますよ」どこから花が出てくるというのだろう。けれども、どこからか花が出てくるような、声に力があった。 #twnovel

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自分知らず

2011-06-01 00:29:47 | ショートピース
テレビに背を向け、壁と向き合うと男はフォークを片手に話し出す。「世間知らずでなく自分知らずだったんだ。自分のことを誰が知っている? 自分の声さえわかっていない。鏡に映る自分を見てちゃんとわかった気になっている。それはまるで逆さまの自分だ!」壁はまだ黙っている。 #twnovel

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