お城のなかで味わう伝統、江戸時代から伝わる料理指南書「料理方秘」他からひもといた古きよき熊本の食文化を味わえるとのことで、熊本城本丸御殿の「大御台所」に向かいました。
市電の「熊本城・市役所前」で下車、広大な面積なので、御殿に近道の須戸口門から入りましたが、かなりの急坂で石段の高さもあり、運動不足の私にはかなり堪えました。
まずお茶が運ばれてきました、さすが、高台茶托に紋入りの茶碗、紋ははなれ九曜です。
お料理は、唐草のなかに紋があしらわれた漆器に盛り付けられています。
そういえば、実家のお正月のお雑煮は一人づつの足つき膳で、紋入りの椀で食べていました。
いただきます。
①御肴 とふこ味噌、清正人参、ひともじぐるぐる、辛子蓮根、妙解寺納豆、干こる豆、五三焼石決明、南関揚信田巻、蒸笋
②御鱠 鯛、大根、寒天、栗、金柑、いりこ山吹あへ
④御汁 くしいと、そそろ麩、煮鳥
⑥御猪口 鰹煮、湯葉、厚揚
⑦御飯 枸杞飯
⑧御平椀 蕪ふろふき、鶏味噌、芹
ほかに、③煎酒、⑤御香物、⑨御菓子
御膳が運ばれてきたとき、献立の説明もしてくださいますが、説明書も用意してありました。
予約時間のせいか、私たち以外に1組だけのお客さまで、ゆっくりと、当時の熊本藩の儀礼的様式、本膳料理を味わうことができました。
テーブルの横に置いてあった「熊本藩士のレシピ帖」(2008年)には珍しいお料理のレシピがたくさん載っていました。
熊本の貴重な料理の指南書「料理方秘」(享和3年-1803年)や近世熊本の食品・料理集「歳時記」(文化14年-1817年)をもとに往時の献立を再現して編纂したそうです。
食事の後、平成19年熊本城築城400年を迎え、その記念事業として復元され本丸御殿のなかを見学しました。