ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

ドイツ発(datelined Germany): World's largest offshore wind farm

2018-09-07 12:09:56 | 日記
2018年9月7日(Fri.) 北海道での大地震による被害状況は、時間とともに明らかになりつつありますが、一早い復旧・復興を祈るばかりです。 また、泊原発も外部からの電源供給が断たれ、自家発装置による停止中制御を強いられたとのこと。 フクシマに学ぶのであれば、原発は即時停止・廃炉・撤去が望ましい選択でしょう。 この判断が出来ない政府は、国民や世界市民の未来に対する大罪を犯し続けているのと同等でしょう。



さて、世界最大の風力発電施設が稼働開始しました。 ( ニュースソース: DWーDE 9月6日発)

<原文の一部>
World's largest offshore wind farm launches off England coast
世界で最大の沖合設置型の風力発電施設がイングランドの海岸で開始します。

Danish energy group Orsted has officially opened the Walney Extension project, the biggest offshore wind farm in the world. The farm will cement Britain's role as the largest offshore wind market.
デンマークのエネルギーグループ Orsted は、Walney Extension project を開設しました。 これは世界最大の沖合設置の風力発電施設です。 この施設はイギリスに供給する沖合型最大のものになります。(意訳)



The Walney Extension project opened off northwest England Thursday, boasting a capacity of 659 megawatts (MW). This makes it the world's biggest offshore wind park in operation, overtaking the London Array off England's east cost with a capacity of 630 megawatts.
The Walney Extension produces enough electricity to power almost 600,000 homes. It's made up of 87 turbines built by Siemens Gamesa and MHI Vestas, the largest turbines of their kind in operation globally.
The wind farm covers an area of 145 square kilometers (55 square miles), the equivalent of 20,000 football pitches.

(抜粋)この施設は、イングランドの北西部に木曜日オープンしました。 発電能力は659MW(メガワット)を誇っています。 これはイングランド東部の London Array の630MWを凌駕するものです。
この発電能力(新しい施設の)は、およそ600,000戸の電力をカバーするものです。 設備は87の風車からなり、メーカーは Siemens Gamesa と MHI Vestas によるもので、最大の風車になっています。 ・・・

Strong winds and subsidies
Orsted UK Managing Director Matthew Wright told Reuters that Britain's offshore success was due to a combination of strong wind speeds and shallow waters, adding that it was also due to continued support from the government.
"For the last 10 years, governments of all colors have supported renewable energy and offshore wind in the UK, leading to a thriving industry," Wright said.
Britain is the world's biggest offshore wind market, hosting 36 percent of globally installed wind capacity, according to data from the global Wind Energy Council.
Walney Extension is a shared-ownership project between Danish energy group Orsted and two Danish pension funds, PFA and PKA.

(抜粋)責任者の一人は、このイギリスの成功は、強い風力と浅瀬であったことと、加えて政府の継続的なサポートがあったことによるものだと語ります。
過去10年、UK政府は再生可能エネルギーと沿岸部風力発電をサポートし、産業の成長を主導してきたのです。
イギリスは、世界で最大の沖合風力発電市場になっていて、全体の36%が風力発電によるものとなっています。 ・・・

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EUの各国で、それぞれに動きは異なるのでしょうが、デンマークやドイツも先進的に見えますし、UKの取組みもかなりの状態になっているようです。

翻って、日本。 原発の再稼働を急いだり、ベースロード電源の位置付けとするなど、全く、時代の潮流に逆行しているとしか見えません。

また、先の九州電力のニュースでは、電力に余剰が出来たから、原発は稼働を維持しつつ、逆に、ソーラー発電の停止を行う旨の発表がなされたばかりです。 誠に、愚の骨頂と言わざるを得ません。

その背景には、政府や経産省の方針があって、それにおもねる結果だと思料します。 もうこれは、バカの極み以外の何ものでもありません。



北海道の現実も見るべきです。一極集中型の巨大電力システムによって、1カ所のトラブルで膨大なエリアが影響を受けることになります。 危険分散やリスク分散の観点から考えても、小規模発電施設を分散配置することが望ましいのは、専門家でなくても判断できることです。

加えて、エネルギーの地産地消や、再生可能エネルギー、クリーンエネルギーなどへシフトすべきでしょう。 さらに、究極は、個々人宅でエネルギー的に自己完結していることが有効かも知れません、

2013年にドイツ滞在をした時、お世話になった O さんは、この自己完結型を目指していました。 このブログの表紙写真の家屋(ソーラー発電と温水器)は、その O さんの家です。(NRW州ラーデン)



ついでに、北海道の地震に関連して、経産相が、“5・6時間以内に復旧するよう指示している” と昨日発言していましたが、思い上がりも甚だしいと感じました。 電力会社は、そのような政府の指示を待つことなく、最大限の復旧努力はしているに決まっていますし、この命令口調は、考え違いであると断言します。 政府がやるべきことは、その復旧を支えることであって、指示することではありません。

また、首相(PM)が、いちいち指示した旨の記者会見を、しばしば見かけますが、PMが指示するまでもなく、物事は展開されるようになっていなければなりません。

にも関わらず、いちいちPMを登場させるのは、全体主義国家の匂いがプンプンします。 PMは、調整や指針を示すことがあったとしても、命令することなどあってはなりません。 ややもすると、強いリーダーを求める人がいますが、それを一歩誤ると、独裁者の登場を待つことにもつながります。 それは、民主主義構築とは逆行することです。

*** 下の写真は、記事内容とは関係ありません。



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