ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

デンマークの農場風景詳細(その2)

2014-10-26 18:35:12 | 日記
2012年6月のデンマークです。この日は天気が良かったようです。デンマーク(シェラン島)の天気に関する印象ですが、一日の中でも結構目まぐるしく天候が変わる印象です。朝晴れていて、気が付いたら曇り、そして突然の雨、しばらくしたら日がさしていた・・・そんな日もしばしばありました。

(写真: 庭に設けられたトランポリン)
トランポリンには落下防止のネットが取り付いていましたが、半壊状態で危険だったので仲間と一緒に防護ネットのみを片付けてしまいました。3人の子供達やその友達が時々遊んでいました。

そう言えば、近所の男の子が時々この農家に泊まって行くこともありました。夕方頃、両親が子供を預けにくるのです。この家の次男坊の友達のようだったので11歳ぐらいでしょう。こうした習慣も私には珍しく感じたものです。田舎だから・・・の習慣なのでしょうか? これは聞き漏らしました。

(写真: 中庭から母屋方面を写したものです。)
左にある木々はかなりの樹高があります。中庭には芝生が敷き詰められています。21ha(ヘクタール)の農場面積ですから庭も広いですよね~。

(写真: 豚飼育フィールドと右奥にはジャージー牛が写っています。)

(写真: 牛の上付近に「かもめ」が飛んでいます。)
ここは海岸から20kmぐらい離れていますが、しばしば「かもめ」がやってきます。1・2羽ではなくて10~20羽ぐらいの群れをみることもありました。地上に降りて何かをついばんでいる様子も見られました。また、写真に収めることはできませんでしたが、「雉(きじ)」やその親子連れの姿を大麦畑で見かけることもありました。

(写真: 日差しが強い?)
空気が綺麗なので日差しが強く感じられます。6月、デンマークの子供達は「夏」と言っていました。冬が長い彼等にとっては、春が待ち遠しくて、夏の日差しも楽しんでいるようです。近所にサイクリングしに行くと、庭先で上半身裸のおじさんや、乗馬を楽しむ人々とすれ違います。私も挨拶します。「ハロー」とか「ゴッダウ」(略して”ダウ”だけの場合も)と交わします。

(写真: 豚さん)
前にも綴っていますが、両顎から袋状のものが垂れています。その機能は農場の奥さんも知らないのです。

(写真: ジャージー牛)
手前の黒いプラスチックバケットは飲料水バケットです。一つが100リットルぐらい入ります。朝夕の2回給水しますが、給水時にはほとんど水は残っていません。最初の頃は給水袋に水を入れて一輪か二輪の手押し車で運んでいましたが、途中で50mホースを買ってくれたので「運ぶ」作業は減りました。しかし、50mホースを4本ぐらいつないでいるので、水圧が落ちて勢い良くは出ないのです・・・。なので、3つのバケットに水を満たすのに10分ではできませんでした。

(写真: 子牛達も私の姿に慣れた頃でしょうか)

(写真: 大麦畑)

(写真: トレーラー付近がこの農場の入口)
農場へのアプローチ道路はトレーラーが写っている付近を左右に通っていて、右端の農場入口が突き当たりで終端となっています。ハイ、道はこの農場で終わっています。

(写真: 右側は隣家)
右側に写りこんでいるのは隣家(農場)ですが、周囲の農地は全てホスト農場が借り受けています。そして豚の餌はこの隣家の小屋内にあるサイロに保管しているので、私は朝夕の2回はこの隣家のサイロまで一輪車を曳いて餌を取りに行くのです。1回のフィーディング(給餌)に3往復することもありました。豚頭数や空腹度に応じて給餌量も変えるのです。途中からはその判断も私自身で行いました。
 豚の餌ですが、一片が数ミリ長のペレット状のものです。成分は知りませんが、時々、大型のタンクローリーのような搬送車両がやってきて、直径20cmぐらいの搬送ホースをサイロに接続してエア搬送していました。空気で搬送するのです。20~30分ぐらいで搬送を終えていたようです。とても大きな車両(トラック)でした。

(写真: 農場前のアプローチ道路)
私が写している背中側が農場の入口になっていて、道はここで終わっています。

(写真: ダルメシアンの雄、名前はリアム)
リアムと名づけられています。体重は50~60kgぐらいはあるでしょうか。立ち上がって前足を私の両肩にかけてきます。このリアムの父親犬はデンマークのコンテストで優勝しているそうです。また、雌犬はビクトリアと言います。

(写真: アイスランド産の馬です。)
このグレーの馬はまだ少し若いようです。牧場内を散策中に私にアプローチしてきた馬です。

(写真: 預かっている馬)
毎日のように夕食を共にしていたおばさん所有の馬です。この牧場で預かっています。とてもガッシリした体型ですね。ホストの奥さんもこのおばさんも、週に1回は乗馬していました。私にも乗馬を薦めてくれましたが、落馬すると大変なので遠慮しました。チャレンジしても良かったかも知れません。
 この農場に首都コペンハーゲンのレストランからシェフ7~8人がやって来たことがありますが、全員乗馬するのです。農場の前のアプローチ道路を使ってのゲームでした。乗馬した状態で片手に水を満たした大きなビールジョッキを持ち、その水をこぼさないようにして片道50mぐらいを往復するのです。こぼさずに持ち帰った水の量を計って、多いチームが勝ち・・・と言うゲームです。
 中には、下馬する時、両手を空(くう)に突き出したまま、つまり、手を使わずに下馬して見せた手馴れもいました。それぐらい馬に親しんでいる国民のようです、デンマークは。

(写真: 家禽フィールド)
池のような水溜りが見えていますが、仲間と3人で掘って作ったものです。アヒル用です。こうした指示はホストの奥さんから出るのです。

(写真: 飼い猫)
この農場に猫は5匹います。鼠対策のようです。鼠を捉えた猫はその場で鼠を食べています。キッチン(リビング)で食べていたこともあります。普通・・・のことのようです。
一方で、犬も、子豚も、猫も、鶏も雛も・・・、皆同じ近辺を歩き回り、そして時にはじゃれ合うこともあります。猫が鶏の雛を襲うことはありません。猫は大きなダルメシアン犬に体を摺り寄せて甘えています。私にとっては珍しい光景に見えました、最初の頃だけですが。

(写真: ガチョウです。)
納屋の2階がネグラのようで、時折、大きな羽音を出して飛んでいます。鶏やアヒルよりも二周りぐらい大きいのです。

(写真: 母屋の屋根)
綺麗です。デンマークでも珍しい家屋でしょう。

改めて2012年のデンマーク滞在を思い出してみると、ちょっとした再発見(思い出し)があるものですね。
~続く~

(巻頭写真: デイジーの花・・・デンマークの国花です。)

少し寄り道ですが・・・

2014-10-20 22:42:00 | 日記
ヨーロッパの話題ではありませんが、去る9月5日のブログ記載事項に関連しているので綴りたいと思います。

事の真相は不明確な段階ではありますが、経済産業省の女性大臣が辞任しました。報道によると、当人曰く「国民の理解が得られないようであれば辞任する」との意向を示していたようですが、この言葉を聞いて不思議に感じました。

この言葉からすると、自分自身は納得できる(つまり、妥当性があると判断できる)内容であったとしても、国民に理解していただけないようであれば辞任する・・・とも解釈できます。全くの責任所在のすり替え答弁に聞こえます。

そもそも、自分自身に納得できるような客観的・妥当性のある内容であるのなら国民も同様に認めるのではありませんか。であるのならば辞任の必要はないのであります。にもかかわらず、国民が理解しないならば、国民に理解力がないのならば、仕方がないので辞任します・・・と言っているのは、責任は自分にはないのだけれど、止む無く辞任しますと言っているようなもので、責任の所在をすり替えしているように映ります。

総理の意向に沿って「右向け右」に従うばかりであるような女性閣僚は、その存在意義を疑う・・・旨のブログは既述の通りですが、今回の顛末を見聞きしていると、残念の上塗りをしているようにしか見えません。これで国民を良き方向に導く「政治」ができるのでしょうか。

一方、もう一つ残念に感じていることがあります。今回の真の発端は知る由もありませんが、直接的には野党からの「収支決算に掛る指摘」があったからでしょう。収支が合わなくて補填が疑われていることや、未計上(未記載)になっている年度もある云々です。それはそれで重要なことであって、単純ミスではなくて意図的な隠蔽等があればなおさら批難されてしかるべき事項かとも思います。ですが、こうした事項よりももっと重要な「政策面」での追求や議論を国会においてしていただきたいのが私の思いです。

現政権がいわば強引とも思われるやり方で様々な政策を推し進めようとしているように国民の目には映っていませんか。私の目からすると「暴走」に近いものに見えています。「丁寧に説明して行きます」との発言をしばしば聞きますが、相変わらず見聞きしていません。

何れにしても、本当に論戦していただきたいのは「政策面」です。国民からの負託を背負っている国会議員なる政治家はキッチリと仕事をしていただきたいと思います。また、これだけ国民の意見が反映されないような選挙制度や議会政治・政党政治であるならば改善・改革等が必須なのではないでしょうか。

最後に、今回の辞任劇で感じたことの一つでもありますが、政治家は本当に国民目線で国民のために仕事をしているのでしょうか。真相が明らかにならなければ判らないことでもありますが、まさか、政治家は自分のために仕事をしているのではないでしょうね。こうした疑念を抱かざるを得ない事態だとも感じてしまいました。

これらのことを考えると、日本は本当に先進国と言えるのでしょうか。どの国も完成型にはなってはいないと思いますが、より成熟度の高い(もちろん良い意味で)社会を目指したいものです・・・。

デンマークの農場風景詳細(その1)

2014-10-19 21:33:04 | 日記
前回のブログに続いて、2012年の4月~7月にかけて滞在したデンマークの農場に関する写真をご紹介します。チョットめずらしいなと感じたものをお見せして行きます。

(写真: トレーラー)
このトレーラーは馬(2頭)を搬送するためのものです。後の開口部ドアがそのままスロープになるような構造です。馬だけでなく、牛や鶏の出荷にも使われていました。鶏の場合は5~6羽入るケージに入れてから積み込みます。こうした形状のトレーラーは日本では見かけませんよね。(ランクルが牽引します。)

(写真: 家禽類のフィールド)
家禽類用のフィールドは私の滞在中に新に設置されました。最初に杭を大型ショベルカー(借り物)で押さえ込むように地面に打ち込んでいきます。次にスチールネットを杭に取り付けて行きます。この作業は網打ち用の釘をハンマーで打ちつけて行きますが私も手伝いました。
(写真: 完成近いネット柵)
家禽類を襲うのはキツネとのことです。ネットの下部を掘り起こして侵入することがあるため、畑から取り出された少し大きめの石をネットの下部に内外の両側から並べてあります。また、ネットをよじ登ることもあるので電柵としてのワイヤーも地面側と天頂部分の2系統に渡って張ってあります。
(写真: 電柵用のワイヤーが見えています。)
(写真: ここからワイヤーを何十mも引っ張って行きます。)

次は豚のフィールドです。
(写真: 豚のフィールド)
雨や日よけ用の大きなテントが一つ、ブリキ製のシェルター型の小屋も用意されています。
(写真: シェルター)
出入り口のガードがズレていますが、通常は授乳中の親子豚に「他の子豚」が侵入して乳を吸ってしまうのを防ぐためのガードになっています。お産した直後には親豚は外に出てこないので、このガードの内側に水や餌を与えます。それも私の作業の一つでした。




次の写真は、隣接する採草地で飼料用の草を刈り取ったものです。これは委託業者が大型機械を持ち込んで半日ぐらいかけて作業したものです。最初に草刈りマシンが刈り取り作業を行い、次にサイコロ状に形を整えながらフィルムシートで自動パッキングして行きます。
(写真: 草は乾燥させていないのでウェットタイプの飼料です。)

(写真: 芝刈りマシン)
子供用のバギーカーのように見えますが作業用車です。庭には芝が植えられていて、その芝刈りに使います。私も運転しました。クラッチも変則ギアもついています。車の腹のカバー下に回転型の刃がついていて刈り取ります。刈り取り丈も選べるようになっていました。

結構、色んなものがあります。ただ、整備が十分かと言うと・・・今一ですかね。 でも21ha(ヘクタール)の農場で、様々な家畜達と日々を送って行く・・・。大変なのですが、都会で暮らすのとは全く異なる充実感があるような気がしました。

(巻頭写真: この鶏は出荷用ではありません。)
およそ20~30羽ぐらいの鶏は放し飼いの状態になっています。時々、雛をつれて歩いている姿も見かけます。
~続く~

ベルギー滞在は延期になりました。

2014-10-13 17:37:39 | 日記
本年(2014年)の訪ヨーロッパ計画は、ベルギーかポーランドを狙っていました。従って、両国に関する書籍類をそれぞれ読み進めていた次第です。そしてポーランドについてはウクライナ危機の件もあって、次の機会に先送りすることに、つまり、今年はベルギー行きに目標を絞っていたのです。

滞在する時期については、11月下旬頃からの約3ヶ月間の想定です。その理由は、2012年のデンマークが4月下旬~7月下旬、翌年(2013年)のドイツが8月中旬~11月上旬であり。次回はクリスマスや新年を迎える時期を含んだ「厳冬の北ヨーロッパ」を体験してみようと考えているからなのです。

但し、「有機農法」の農家に滞在することが条件なので、厳冬期に作業があるのかどうかは不明(未交渉段階)なのです。さらに、ベルギーには凡そ50ヶ所の受け入れ先がある程度ですので、その可能性は厳しいであろうことは予測の範囲内でもあるのです。一方、昨年のドイツ滞在の農家では冬場でも屋内(地下室)作業が中心なので滞在可能であることは確認済みであり、ベルギーにおいても可能性が「0」ではないと思っています。

・・・なのですが、優先度が高い事情が他にあって、ベルギー滞在計画は半年ほど延期とする次第です。ベルギーのレポートを期待(?)されていた方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、しばしの猶予をいただきたいと思います。

それまでの間は、デンマークやドイツ滞在のブログ内で簡単にしかご紹介していない点が多々ありますので、未紹介の写真画像等も加えながら詳細にお伝えできれば・・・と考えています。

手始めに2012年5月、デンマークで滞在した農家(牧場)の周辺景観を見ていただきましょう。

(写真: 正面ゲートと母屋)
母屋は茅葺屋根です。こうした造りの家屋に住むこと自体、お金がかかることでしょう。それは日本でも同じことかと思います。

(写真: 中央の青い扉が正面出入口です。2階の窓部分を含めて屋根のカットが美しいです。

(写真: 母屋付近から南方を望む)
前方の森部分までは約400mあります。このエリアは10ha(約10町歩)の放牧地になっています。

(写真: ジャージー牛や馬の姿も見えます。)

(写真: 羊も20頭ぐらいはいます。)
比較的手前の方に写っている家畜は羊で、遠方のそれは馬です。また、左側に写っているのは雨水が溜まった小さな池で、なかなか干しあがりませんでした。

(写真: 牧場の東端から西方を撮ったものです。)
遠方の左寄りの所にテントのようなものがあります。豚専用エリア内に設けられている豚のための日よけテントです。私が立っている地点からテントまでは約300mあり、このエリアで5~6haぐらいありそうです。ここには飼料としての大麦が植えられています。

(写真: 近隣の風景)
完全にフラットな地形ではなく、なだらかにうねった地形です。元々の地形をそのまま活かしている感じです。

(写真: 近在の農家)
綺麗に手入れされている印象です。

(写真: 近隣の風景)
大型のトラクターが動いているのが見えました。作業内容はわかりません・・・。私もこうした大型のトラクターを運転しました。

(写真: 近在の道路、右側通行です。)
(写真: 速度制限、60km/h)
それにしても、電柱・架空電線が見えません。そうした場所を選んで写真を撮っているわけではありません。美しい景観が造られています。

(写真: バス通りから一本脇道に入ったところ)
ホストの農家への帰り道です。

ここでご紹介した写真は5月(2012年)撮影のものです。ホストの家から1時間ぐらい散歩しながら撮影したものです。なだらかにうねった地形と広々とした採草地や放牧地が実に美しい印象でした。あ、空の青さも・・・です。
~続く~