ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

ドイツのクライン・ガルテンを再考(その3)

2014-09-30 20:53:27 | 日記
さて、クライン・ガルテンのドイツ本場のもの、そして日本(中部地方)で見たそれらに関して述べてきました。そして次は、自らトライしているオーガニック・ファーミングの実態を少しお伝えしたいと思います。

畑の広さは100㎡(1畝・せ)程で、本年(2014年)に入ってからのチャレンジです。過去に、非常に小さなエリアでミニトマト、茄子、枝豆、サツマイモ、生姜、ミョウガ等を作ってみたことはありますが、100㎡は初めてです。つまり、通年で農地を確保しての農作業は未経験に近いと言えます。

但し、本格的な農作業経験は皆無かと言うと、本ブログのキッカケそのものであるWWOOF(ウーフ)体験をしていることもあって、牧場での牛、馬、羊、豚、家禽類の世話や、トラクター(大型)の運転、小型耕運機の操作・・・、加えて、マッシュルーム栽培に関わる一連作業、ハーブ云々等も短期間ではありますが、デンマークやドイツで経験してきているのです。とは言うものの、アマチュアレベルであることに違いはありません。

本年2月、最初に挑戦しようとしたのは馬鈴薯です。種芋は奥三河の知人から分けていただき、また、そのテクニックについてもご教授いただきました。最初に植え付けするエリアを決め、牛糞や鶏糞をそれぞれ10kg程度投入してから、鍬と鋤を使い家内と二人で耕しました。2月なのですが、二人とも良い汗を流したと覚えております。そして3週間ほどは土がなじむように寝せておきました。
(写真: 馬鈴薯の発芽、3畝・うね)

畑地全体の形状は6m×20mぐらいで、正確に言うと120㎡と言うことですね。そして3月に入って、種芋を植える畝(うね)を6mの幅方向に4本となるように起こしました(部分的です)。畝間は80cm、また、馬鈴薯の場合、発芽してからも土寄せを3回ぐらい行う必要があるとのことで、ご指導に従った形にしました。種芋は株間40cmで植えました。全部で40個です。
(写真: 土寄せ1回目の頃、芽引きは両サイドの畝のみ実施)

ここで第一の難関が「水」です。沢から引く水も、井戸から汲み上げる水もないのです。天水(雨)だけに頼れるわけではないので、2日に一回ぐらいのペースでペットポトル(2リットル)を5本分ぐらい持参しては水遣りを続けました。そばに水源が欲しいですね。但し、稲作シーズンのみは、近隣の田圃に水を引くために、愛知用水から取水したものが側溝を流れるのですが、これは不定期のものなので、確実に水が得られるわけではないのです。とは言うものの、努力の甲斐もあって、写真のように馬鈴薯は順調に成長してくれました。

ここで、もう一つ困ったことがあります。それは、農器具置き場です。一番望ましいのは、畑の側にラウベ(小屋)か大きめの農器具ボックスを置くことでしょう。デンマークのキッチン・ガーデンでは厚さ1cm以上の丈夫な合板を使って農器具ボックスを作っていました。長椅子にもなる形状で、上部が蝶番付きの蓋になっていて施錠も可能なのです。ですが現在は、必要に応じて車のトランクに積み込んで運んでは使っている状況なのです。

さらに、できればですが、追肥等するための肥料保管スペースの確保や、家庭で出る野菜屑等は堆肥にしたいので、そうしたコンポストも置きたいくらいです。(残念ながらこれもできていません。)

そして大変なのが「草刈り」です。草刈り機は保有していないので、小型の手鎌と立鎌(長いタイプ)で処理していますが、耕作以上にキツイ作業であるとの印象です。(当然、除草剤を使う意思は全くありませんので・・・)

諸問題に遭遇しながらも、馬鈴薯の苗はみごとに生い茂り、蕾もできてピンクの花を咲かせました。(白い花ではありません。)品種はアンデス・レッドなのです。発芽直後は遅霜対策で土寄せ、さらに数cmに育った頃には3本残して芽引きもしましたが、その成長は元気過ぎるようでした。畝間も株間もやや広めにしたのですが、風通しがよくないぐらいに生い茂っています。
(写真: 馬鈴薯の花)
(写真: かなり生い茂っています。30株)

6月末、種芋を植えてから99日目です。花も咲き終わり、葉っぱも枯れ始めたので試し掘りをしてみました。結構(?)出来ています。この日、3畝30株分を掘り起こしました。写真を見て下さい。30株で約40kgの収穫となりました。
(写真: 多い方かも・・・)
(写真: これで約40kgの収量)

残りの10株は、実験の意味も含めて約1ヶ月ずらして植えてみました。こちらは7月10日頃、82日目で収穫しました。発芽しなかったものが一株あったので9株で約10kg、収量の差はどこに原因があるのか定かではありませんが、最初の30株の方が成績優秀(?)だったようです。

収穫後、しばらく熟成期間をおいて食してみました。「美味しい~!!」 アンデス・レッドの中身は黄色なのですが、ホクホクです。ジャガバター等には最適ですね。逆に、皮をむいて切って煮込んだりすると溶ける可能性が高いのです。小さ目のものを皮をむかずに煮物に使ったり、ジャーマンポテト風にしたり、オーブンで焼いたり・・・何れも旨いです。

馬鈴薯以外としては、サツマイモ(ベニアズマと金時)を40苗ぐらい植えました。こちらは5月初旬に定植、3畝です。こちらのフィールドには施肥をしていません。定植してから130日経った9月の上旬に収穫しました。ベニアズマの出来栄えはほぼ満足に近いものでしたが、金時に関してはあまり芳しくありませんでした。その差がどこに起因しているのかは不明です。但し、「水」が度々畝間に溜まっていたので水が多すぎた?のかな?・・・。次年度はもっと高畝にしてトライか・・・とも考えています。
(写真: サツマイモ、品種はベニアズマ)

その他、カボチャもトマトも相応に収穫できました。取れすぎたものは冷蔵か冷凍保存しています。また、サツマイモは「干し芋」にして保存食に加工中なのです。農家の人も豊作の場合は様々な形にして保存したりしているのでしょうね。

もう一つ、ハーブにも挑戦しています。主なものは、オレガノ、バジル、レモンバーム、ローズマリー、コモンセージ、キャットニップ、レモンユーカリ・・・。ベランダでプランター栽培しているものと、畑で栽培しているものの2種類ありますが、畑の方が生育条件が良いようで、オレガノもレモンバームもその勢いが違います。

ハーブは収穫して料理に直ぐ使ったり、ハーブティーを楽しんだり、湯船に入れてリラックスしたり・・・色々です。取れすぎたものは乾燥してからこまかく粉砕して個別にガラス瓶に保管しています。こちらはまだ収穫が続いています。で、今は9月末、先日は畑にニンニクと玉葱も植えてきました。来春(?)の収穫を楽しみにしているところです。

以上、有機肥料のみを使い、完全無農薬での栽培を続けるつもりなのです・・・。ところで(BTW: By the way)、このような個人的な農作業の状況をお伝えするのはこのブログの目的ではありません。

昨今、食にまつわる不祥事も「またか!」と言うぐらいに日本国内において、未だに発生しています。食品偽装(産地偽装とか)・・・、いい加減にしてくれ!と言いたいですね。また、一方で食糧自給率(カロリーベース)の問題も頭から離れません。日本は相変わらず40%程度なのでしょうか。デンマークのそれは300%(!)です。ドイツは当初情報では70%を目標にしている・・・云々と聞きましたが、昨年(2013年)段階で90%は超えているとも聞きました。但し、正確な情報ではないかも知れないので鵜呑みにはできないのですが・・・。それにしても日本の数値とは大きく異なります。

また、愛知県の食糧自給率はどうでしょうか。名古屋と言う大都会も含まれているので、数値は低くても止むを得ないのでしょうが13%の数値と聞いています。何れにしても、先進国の中で数値40%の日本、それは最低なのです。この観点からも日本の農業を再考し、食糧を安全・安心・安定的に確保する施策(政策)も必須事項の一つではないかと思うのです。(TPPの件、正直言って情報不足もあって良くは解かりません。)

一方、ドイツのラーデンの農家でも言っていたように、地産地消的な考えも重要かと思います。もちろん、全ての必要なものを地元で調達することは困難であることは言うまでもありませんが、周辺地域との連携を取りながらの考えも必要でしょう。

また、以前のブログにも記載しましたが、大量生産という方法は、こと食糧に関しては「農薬」「化学肥料」「遺伝子組替え」等々のリスクを負うことに成りかねないので、次世代への責任としてもこうした手段からは脱却することが望ましいのではないでしょうか。ただ、農家の方々にお聞きすると「そんなこと(無農薬)は不可能!」と言いますので、容易ではないことも事実でしょう。

品種改良で病気に強くなって減農薬で栽培できる作物もあります(稲作)。天敵を使って防除する方法を採用している作物もあります。何れにしても、安全・安心なものを入手するには、相応の手間隙・コストがかかることを消費者自身が認識しなければならないでしょう。大手企業が扱っているから安心・・・と言うのは認識として誤りかも知れないのです。これらの方向性は社会が成熟して行く過程の中の一つではないでしょうか。

さて、クライン・ガルテンに話を戻しましょう。この3回に渡って綴ってきました「クライン・ガルテン」は、日本においては二つの方式(目的)があるようです。一つは、中山間地における交流人口を増やしたり集落に活気や雇用を創出しようとするもの、もう一つは、我家で体験進行中の都会(?)でのそれです。

ドイツ式のクライン・ガルテンをほぼそのまま日本に持ち込むのであれば、区画当り40~50㎡は欲しいですね。加えて、農業用水が何らか(井戸水・地下水等)の形で確保できること、耕作に必要な小型耕運機と草刈り機等が共同保有されていること、個人所有の農機具や肥料等の保管ボックスが個別に設置できること、家庭で出る野菜屑等を堆肥に利用できるコンポストが設置できること。さらには、個人毎に獣害対策が必要にならないようクライン・ガルテン全体の周囲には垣根等がされていること、また、共同管理施設では飲食等もできるようなオープンな空間も有すること・・・。こうしたクライン・ガルテンであれば、日常の喧騒を忘れて精神的にリフレッシュさせてくれるような・・・つまり、より成熟度の高い社会に一歩近づくことができるのかも知れません。

(補足: 猪で思い出しました。つい1週間ほど前の情報なのですが、私の畑近くにも猪が出没したらしいのです。私のサツマイモは収穫済みだったので実害はありませんでしたが、道を隔てた隣の畑のサツマイモは全部食われた・・・と聞きました。従来はそこまで降りてくることはなかったとのことで、当然、電柵や猪垣等はあろう筈もないのです。)

地域特性を活かしつつ、独自性があって人真似でない。そしてその街には、妊婦・乳児・幼児・学童・中高生・青年・中高年・お年寄り・ハンディキャップを持った人々も、まるで一つの同じテーブルで違和感なく食事をしているかのように・・・、正にドイツ・ラーデンで体感したようなバランスの取れた街に近づきたいものです。クライン・ガルテンは、その潤滑剤の一つなのではないでしょうか。

(巻頭写真: 畑で育ったコモンマロー)

ドイツのクライン・ガルテンを再考(その2)

2014-09-28 00:12:15 | 日記
クライン・ガルテンに関する続きです。2013年の5月、ドイツ行きを計画している中で、日本(中部地方)のクライン・ガルテンの実例を見ておきたかったので、長野県(南信州)にある2ヶ所の施設を訪ねてみました。

一つ目は、新野(にいの)にある新野高原クライン・ガルテンです。私の住んでいる愛知県尾張東部からは車で2時間半ぐらいでしょうか。しばしば走る道でもありますので、ナビの必要はありません。稲武、平谷、売木を通って新野の道の駅へ。そこから先だけがわからなかったので、郵便局に入って道を尋ねました。そこから数分もかからない場所にそれはありました。写真をご覧下さい。
(写真: 正面の住宅群がクライン・ガルテンです。)

(写真: 立派なラウベ)
ここの施設は宿泊可能なので、結構立派な施設の印象でした。

(写真: 管理棟の前にある看板です。)

(写真: 1区画分を撮影しています。)
区画のサイズは色々あるようですが、宿泊可能なラウベが付いた区画で300㎡前後はあるようです。(詳細に知りたい方は直接尋ねた方が良いです。)また、畑エリアのみを100㎡単位で借りる方法もあると聞きました。何れにしても、私が訪問した時点では「空き」はなかったかも知れません。

(写真: 共同施設部分)
正面が管理棟になっています。左側手前は器具・資材置き場になっている小屋です。

(写真: 管理棟の内部です。許可を得て撮影しています。)

(写真: 器具等の小屋)

日本の中山間地におけるこうした施設は、様々な目的を持って建てられて運営されているようです。一つには、現地の高齢化や過疎化対策の一つとして、都会との交流人口等を増やし、その地への関心度を高め、Iターン等を期するものです。また、耕作放棄地等も増えつつある中で、そうした土地の有効利用もあるでしょう。耕作放棄地が増えると雑草が増えて、猪等も人家近くまで出やすくなり、結果、獣害につながったりするようです。

一方、こうした設備に対する投資も相応に掛っていると思われ、メンテナンスを含む維持管理費用も考慮すると、「儲ける」(利益を出す)ことは容易ではないかも知れません。そうした事柄を考慮して行くと、本質的な目的は集落や街に活気や雇用を創出し、あわよくば定住者・移住者を獲得するところにあるのではないかと考えています。

但し、農業(真似事であったとしても)をやろうとすると片手間では出来ないでしょう。その地に定住していない形態で、遠方から通い(?)のような形で農作物管理をしようとすると、少々無理があると実感しています。それを考えると、中山間地でのこうした仕組みは、その継続性や採算性の面で楽観できないのが実情ではないでしょうか。

やはり、本格的に農業に取り組む為には、家と畑が至近距離にあって欲しいと思います。一方、交流人口を増やすには各種のイベントも有効でしょうし、農業体験的な宿泊施設運営の方が有用ではないかとも感じています。さらには、空家を農地ごと一定条件の下に貸し出すとか、または、複数家族で同一物件をシェアできる仕組みにするとか(農地は区分して)・・・、良い方法がトライできると面白いかもしれません。

話を戻したいと思います。2ヶ所目のクライン・ガルテンは下栗の里(しもぐりのさと)にあります。愛知県東三河方面からアプローチすると前述の新野(にいの)を通って遠山郷に向かい、そこから「日本のチロル」とも呼ばれている下栗の里に上がって行くのです。しかし、私が訪問を試みた時期は道路工事か(?)崖崩れか(?)理由はわかりませんでしたが、通行不能となっていたため、北の方のルートを経由して下栗の里へ入ったのです。

「天耕乃家」と名づけられていました。ここは標高1000mほどあります。また、ラウベとは多少印象は異なりますが、立派な宿泊施設(契約方式)があります。但し、畑は少し離れた場所の山の斜面にあるようです。施設数はそれほど多くはなくて5軒あるだけでした。
(写真: 南アルプスを望むすばらしい眺望の地です。)

ところで、南信州、天龍川水系のこの地には「霜月祭り」という伝統行事が伝わっています。近くの遠山郷周辺から、この下栗の里にも・・・。愛知県東三河の東栄町や設楽町の津具にも同様の行事(名前は”花祭り”)が今に伝えられています。と言うことで、霜月祭り等を見るためにこの地に何回か入ったことがあります。これ以外にも、この地の歴史を紐解くと実に興味深いのです。

話を戻します。下栗の里です。
(写真: 山の斜面に形成されている集落)
(写真: 見晴台にある蕎麦屋さん)
この近くに「天耕乃家」はあります。

(写真: 宿泊施設)
畑が隣接していないこともあって、ラウベとは呼びづらい印象でした。但し、使用目的は同様のものですが・・・。


(写真: 逆方向から同施設を撮影したもの)

私が訪独前に訪問できたのは以上の2ヶ所のみです。前回のブログで紹介したドイツのクライン・ガルテンとは形態的にも大きく異なるものです。良いとか悪いとかの問題ではありません。日本の中山間地にあるこうした施設も、それぞれの地域の目的に沿った成果につながって欲しいと切に願うものです。

さて、(その2)はここまでとします。この続編では本年(2014年)から取り組んでいる趣味レベルのオーガニック・ファーミングを通して、体験・体感していることを綴る予定です。
~続く~



ドイツのクライン・ガルテンを再考(その1)

2014-09-27 17:36:54 | 日記
2013年のドイツ滞在の目的の一つに、クライン・ガルテン(市民菜園)の実態を確認することもあり、それは同年10月13日にミンデンを訪問する中である程度は確認できたのでした。そしてそれらの概要については既述済みです。しかし、もう一段掘り下げたレポートをしてみたいと思います。

先ずは、ミンデンのクライン・ガルテンに関してです。これまで未紹介の写真等をご覧下さい。最初はGoogle Earthで同エリアを俯瞰したものです。
(出展: Google Earth、ミンデンのクライン・ガルテン付近)
中央のゴチャゴチャしているエリアがそれです。およそ200区画ぐらいあると思われます。(正確にはカウントしてません。スミマセン)
そして、赤い線は本レポートには直接的には関係ないのですが、私が歩いた軌跡を示しています。左上部付近にミンデン中央駅があります。駅からガルテンまでは歩いて10分はかからなかったと思います。何れにしても、クライン・ガルテンの区域は居住空間からさほど遠くない場所に設けられているのです。

(写真: メインゲート)
契約者のみが鍵を保有していて管理区域に入場できる仕組みです。メインゲートの他にも複数のサブゲートが道沿いに設けられています。

(写真: メインゲートの側に管理棟があります。)

(写真: 垣根越しに内部を撮影したものです。)
1区画は10m間口×20m(または30m)奥行きで広さとしては200~300㎡/区画のようです。後述しますが、他の都市のクライン・ガルテンでも区画サイズは様々ですが、10m×20mのタイプが多いようです。またラウベ(小屋)は、個々人が自由に建てているようで、サイズも形も色々です。
(写真: いくつかのラウベ)

(写真: サブゲート)

(写真: 内部)
見えている通路は、内部にあるものであって、私は立ち入ることは出来ないエリアなのです。
(写真: 内部)

(写真: 区画外の道路)
右手がクライン・ガルテンのエリアで、複数ヶ所にサブゲートが設けられています。

こうしたクライン・ガルテン(シュナイダー・ガルテン)は、農村地帯には必要がないものであり、比較的大き目の都市周辺にのみ設けられているのです。私の知る日本の中部地方にあるクライン・ガルテン(中山間地にある)や、都市近郊にある市民菜園とはかなり形態が異なると言って良いでしょう。

次は、現地に足は運んでいませんがミュンスターにあるもので、Google Earthで調べたものです。
(出展: Google Earth、ミュンスターのクライン・ガルテン)
環境先進都市を代表する一つのミュンスターです。区画サイズは10m×20mが多いようです。小さな家(四角)のように見えているのはラウベです。

次は、ハーメルンにあるものです。
(出展: Google Earth、ハーメルン)
右上はヴェーザー川で、映像の下半分に映り込んでいるものは大半がクライン・ガルテンです。区画サイズはここも10m×20mが大半のようです。また、ここは川沿いに設けられている例ですが、ブレーメン近郊では線路沿いに相当数のクライン・ガルテンがあることを列車から確認しています。居住空間には適していないような区域を上手に利用している感じです。

さて、区画毎の広さについてですが、ラウベや通路部分のスペースを除いたとしても、区画当り100㎡以上の畑地は確保できているでしょう。これだけの広さがあれば、個人で食す野菜やハーブ、花卉類は十分賄えるのではないでしょうか。

耕作機械や鋤鍬等の道具がどのように用意・管理されているのかは確認できませんでしたが、ラウベ(小屋)と自宅住まいがそれほど離れていないこととラウベのサイズが小さいことから、頻繁に使う道具類程度は自分のラウベに保管し、そしてそれを休憩に使うことはあっても宿泊することはなさそうです。この点では日本の中山間地にある宿泊可能なクライン・ガルテンとは異なるようです。

ドイツで確認できたクライン・ガルテンの内容は以上のようなものです。集合住宅等に居住する都市住民が、野菜作りや花卉栽培を楽しんだり、または、土や緑に触れることで日常生活をより豊かなものにする・・・こうした点が主要な目的になっているようでした。

さて、私も小都市の住人ですが、本年(2014年)から近在の100㎡(1畝)程度の畑を借りて、家内と二人でオーガニック野菜作りに挑戦しております。それにまつわるお話は次回にしたいと思います。
~続く~

(巻頭写真: ミンデン駅・正面側)






ドイツで見かけたローラーブレードで一考

2014-09-26 21:57:06 | 日記
既に簡単には触れていますが、ドイツでのローラーブレードについて述べたいと思います。2013年8月18日、ドイツに入って早々の二日目にケルンで遭遇しました。

既述ブログで紹介していますので、一部は重複しますがご了解下さい。ケルンは人口約100万人でドイツ第四の都市です。そこにあるケルン大聖堂を見学し終わってケルン中央駅側に出た時、その集団に遭遇しました。

正確な人数はわかりませんが、凡そ300人ぐらいは集まっていたのではないでしょうか。共通のスポーツウェア(黄色)を身に着けている人達も居ます。NRWの略称が読めます。NRWはノルトライン・ヴェストファーレン州の頭文字をあしらったものです。つまりここの州内で結成されている団体のようですが、それ以外のコスチュームも見えますので100%ではないかも知れません。

未紹介の写真を中心にお見せします。
(写真: ケルン大聖堂から出て遭遇した光景)
右側奥に見えているのはケルン中央駅です。写真には見えていませんが「階段」があって、そこにローラーブレードの集団が居るのです。

(写真: 少し近寄ってみました。)

(写真: 結構集まっています。)

(写真: コスチュームも”様”になっています。)

(写真: リーダーの合図に合わせて歓声をあげています。)

(写真: リーダーが語りかけています。)
一番下の段の左から二人目の人がマイク片手に集団を盛り上げていました。

しばらくして、大聖堂の周囲のフラットな広場を滑走している彼等を見かけました。
(写真: 大聖堂の周辺)

どれくらいのローラーブレード人口がいるのかはわかりませんが、「平地」の多い北部ドイツ全域で、こうしたスポーツは取り入れ易いのでしょうね。同じ発想で、自転車(サイクリング)もこうした類似の条件を有した地域では浸透し易いのでしょう。省エネや環境問題への意識も合わせて浸透しているのかも知れません。

(写真: ミュンスターにて)
(写真: 同じくミュンスターです。)

(写真: ラーデンです。)
この人(女子)はかなり向こうの方から走ってくるのが見えました。

(写真: 紹介済みですが、ラーデン市街地で)

こうした取り組みを日本の各地域で行っても面白いのかも知れません。但し、ローラーブレードも自転車もですが、ある程度の平坦な地理的条件が整っていないと難しいかも知れません。中山間地等では無理ですかね・・・。

ただ、地域独自のカラー(特色)を出して行こうとすると、他ではやっていないことに取り組むのも大切なポイントの一つでしょう。ナンバーワンを目指すよりもオンリーワンを目指すのが望ましいのではないでしょうか。

環境、省エネ、スポーツ、健康・・・そうしたことを意識しながら「ローラーブレード」に注目する手もあるのではないでしょうか。

(巻頭写真: ケルン大聖堂の周辺を滑走している姿です。)


ドイツ・ラーデンでの「祭り」詳細

2014-09-22 18:38:07 | 日記
もう1年が過ぎてしまいました。昨年(2013年)の9月14日(土)・15日(日)の二日間はラーデンでお祭があった日でした。お伝えしてなかったことも含めて少し詳しくご紹介します。

先ずは、祭り開催日前日の準備風景からです。作業を終えて夕方の街を自転車で回りました。最初に見かけたのは地元ビール(Barre)の移動販売車です。歩道から道路に飛び出すような形で”お店”が設置されています。
(写真: 地元ビールの販売店)

アイスクリームの店の準備風景、準備はほぼ完了のようです。
(写真: アイスクリーム・ショップ)

毎週のように日曜日の夕食を食べに行っていた老舗レストラン、その駐車場に設置された小型のメリーゴーランドです。
(写真: 小型のメリーゴーランド、左側はレストラン)

9月14日(土)の祭初日は作業等の都合で見に行くことができませんでした。以下の写真は15日(日)のものです。
お世話になっていたホスト(農家)の家を出ると、そこが祭り会場の端っこ・・・でした。街中央の通りは車を通行止めにしていて、ここからが遊歩道状態になっているのです。つまり、街の中心街にある「T字型の主要道路」が全面的に遊歩道にされているのでした。
(写真: 通行止め、見えているのは出店)

最初に見かけたのは日常用品・衣料関連の店です。日本ブランドのバッテリーを見かけてビックリしました。
(写真: 衣料品)
(写真: 日用品店で)

次は食べ物販売ですが、衣装からしてイスラム系の方々ですね。
(写真: 食べ物販売)

午前11時半前後の人出です。結構賑わっていました。また、9月15日なのですが長袖やジャンパーのような服装が目立ちます。日本(中部地方)ならば、この時期はまだ半袖なのでしょうが・・・。
(写真: 賑わいと長袖の装い)

スタンド風のお店。扉のような部分を跳ね上げて軒先のようにしています。日差しや小雨等を凌ぐこともできるのでしょう。おもしろい形態かと感じました。日本でもあるのかも知れません。
(写真: スタンド)

次は、おもしろい方式の焼肉(?)です。大きなスチール製の3脚に吊り下げられた丸い網で肉を焼いています。その焼き方(道具)に感心したのです。日本では見たことありません、私は。
(写真: ユニークな焼肉の風景)


その近くで、子供達がメリーゴーランドを楽しんでいます。小さな子供にとってはこの規模でも楽しいのでしょう。
(写真: 駐車場に設けられたメリーゴーランド)

次はフリーマーケット(蚤の市の意味)の一つでしょう。お世話になっていたホストの奥さんであるEさん曰く「ここのお祭りは、どちらかと言うとフリーマーケットの意味合いが強いから面白くないかも・・・」。それにしては、相当の人出でした、ハイ。
(写真: フリーマーケット風)

ゲームもあります。
(写真: ゲーム)

これは既に掲載済みの写真ですが、綺麗なお方なので・・・。
(写真: 豆菓子のようです。)

この衣料の陳列方法に感心したワンショット(撮影)です。「買って下さい」と訴えているように見えました。
(写真: おもしろい陳列)

次も掲載済みの1枚です。売れるといいですね。
(写真: 子供のお店)

年代もの(?)の天体望遠鏡も出ています。
(写真: 人出も多い時間帯です。)

街の中央付近の公園にある常設のトイレです。臨時に有料にされています。右側奥に座っている人が料金徴収係りのようでした。
(写真: トイレもあります。)

話は少し飛びます。ドイツ滞在中に感じたことの一つですが、ドイツ人の身長差にはかなりの幅があるようです。160cm台から190cm台までかなり広がっています。駅や街ですれ違う人々等を見ていてそう思うのです。私(170cmぐらい)より低い男性も多いのに驚きました。と言うのも、前年(2012年)に滞在したデンマークでは大半が大柄に見えたのです。180cm、190cm、2m近い人々、それと比較してしまったので「意外」と言う印象を持った次第です。下の写真内でも大柄の人より私と同じぐらいの背丈の人の方が多い感じでした。
(写真: 街の中央付近)

次は、街に2軒あった時計・貴金属店の一つです。店舗の前に臨時の出店を作って販売していました。後日談ですが、この店でも土産物を購入しました。若い女店員が対応してくれましたが、英語は不得意のようでした。でも私の希望に沿った品物を何点かチョイスして見せてくれました。最後に値切り交渉も敢えてしてみました。社長(?)のような人と相談して少しばかりですがディスカウントに応じてくれたのです。一般的には値札通りの販売が普通だと思いましたが、この街(ラーデン)に長期滞在していることと、ドイツ滞在の記念にしたい・・・等々を説明していたのでディスカウントに応じてくれたのではないかと想像しています。
(写真: 時計・貴金属店の前)

午後1時近くになって、日差しも強くなっていました。ほぼT字型になっている街中央の遊歩道(臨時)を全て歩いたのです。
(写真: 午後1時ごろ、人出は続いています。)

街の中央部を車は通行止めにして全面的に遊歩道にしてしまう・・・思い切ったことをやっているナと思いました。通常は歩けない道路の真ん中部分も闊歩(かっぽ)できるのです。これも一つの非日常空間の演出かと感じました。普段とは異なる雰囲気を味わえるのです。チョットしたことかも知れませんが気分がリフレッシュされるようでもあります。
但し、例えば中世から続くような伝統ある文化芸能・衣装風俗・・・と言うような催しものはなかったようです。逆に、日本の各地域にそれぞれに伝わっている伝統文化や祭りは特長であり強みであるのかも知れません。ヨーロッパから見た極東にある日本、ある種の面では「あこがれ」として映っているのかも知れません。

また、こうした催しものを見たりすると、自分たちの地域での「つながり」は十分だろうかとも考えてしまいます。地域内での過度な関わり合いは、時としてわずらわしさを感じてしまうものかも知れませんが、適度な「つながり」は必要でしょう。隣近所同志や大人と子供間での気軽な挨拶や声掛けが普通に行われる地域社会が望ましいと改めて感じるのです。そうそう、それからハーメルンでも体験したように、レストランでの入店時に隣席の方に軽く挨拶する習慣も良いのではないでしょうか。