ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

デンマークでも事件発生、ショック!

2015-02-15 14:04:36 | 日記
2015年2月15日(日)朝のニュースで、デンマークの首都コペンハーゲンでのテロ事件を知りました。正直なところショックです。どこで発生するかはわからない状況が続いている中での事件ですが、しかも、2ヶ所で発生していることにも驚きなのです。
(ニュースサイトから転載)
(ニュースサイトから転載、事件発生の2ヶ所)

場所を調べてみました。1件目のKrudttoendenは、有名な人魚の像から約2kmぐらい北西の場所です。星型のカステレット要塞からは1.5kmぐらいでしょう。さらに2件目の事件は1件目からさほど遠くはなく、これも有名なローゼンボー離宮の直ぐ南側のようです。
(ローゼンボー離宮: Google Earthから転載)

このブログを作成している時点では、犯人発見のニュースは流れていませんが、首都近辺は最高レベルの警戒態勢にあるようです。ちなみに、スウェーデン人の風刺画家も参加していたフリートークのイベントが襲撃されたとのことで、パリの事件の延長線上にあるのではないかと伝えられています。
(事件の爪あと、ニュースサイトから転載)
(デンマーク・シュミット首相、ニュースサイトから転載)

発生場所そのものには行ったことはありませんが、前述の有名な観光ポイントはいずれも歩いて行った場所ですので、日本からおよそ1万kmは離れた場所のことですが、他人事には思えないのです。
(Google Earthから)
右下の星型に見えるのがカステレット要塞、左上の赤いマーキングが第一事件発生場所です。第二事件は中央の下端付近のようで、この映像には入っていません。

ここでも起きてしまったことにショックを感じています。ブログで既述していますが、シェンゲン協定を結んでいる大半のEU内での移動に際しては、入出国管理はありませんので、国内を自由に行き来していることと違いはありません。そうした事情もあるのでテロリストの移動も容易になってしまっています。

日本でも警戒に入っている地区があるようです。必要以上に騒ぎ立てるのは好ましいことではありませんが、一定の配慮は必要ではないでしょうか。加えて、無責任な・軽はずみな・他人を傷つけたりする発言は宗教問題に限らず控えるべきことではないでしょうか。「自由」を履き違えることのないように、お互いに気をつけたいものです。

(巻頭写真: 人魚の像、Google Earthから転載)


気になるウクライナ情勢

2015-02-14 23:26:38 | 日記
2月15日(2015年)でウクライナ東部での停戦が実現されるとの報道があります。ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領等の積極的な調整によってもたらされることになったと言えるのでしょう。

このブログの以前のコーナーでも記述しましたが、ウクライナで起きたクリミア半島の分離独立(?)は、ロシアのほぼ直接的な介入によるものでした。住民投票のような形式的なものもアリバイづくり的に行われたようですが、傍からすれば見え見えのことに思えます。(許されないこと)

そして、一般の旅客機が誤って撃墜されたことも、まだつい最近のことです。多くの犠牲者を出したオランダが原因究明にあたってきた筈ですが、現地ウクライナの混乱が続く中で解明できない状態が続いているのでしょう。

そんなこともあって、ポーランド(ウクライナに隣接)訪問を延期してベルギーを次のターゲットにしていたのですが、パリでのテロやベルギーの首都ブリュッセル近郊でのテロ関連事件等々。今や、ベルギーですら訪問を躊躇する状況だと感じているのです。もっともEUの本部はブリュッセルにありますので、中心都市とも言えるのです。

このような個人的な思惑もあって、ヨーロッパやウクライナ周辺事情はとても気にしていることなのです。もちろん、真の意味での平和や紛争解決を望むことは言うまでもありませんが・・・。

それにしても、メルケル首相の精力的・直接的なトップ外交は賞賛に値するのではないかと思っています(結果がどうであれ)。様々な思惑もあるかも知れませんが、EU全体の問題とするならば、「火中の栗を拾う」役を誰かがしなければならないと考えたのではないでしょうか。

信頼とは一朝一夕に得られるものでもありませんし、いくつかを積み重ねることによって築き上げるものでもあるのでしょう。敗戦国であり、また、ナチスの非行を反省しつつ、世界に貢献できる道を探っているかのようにも見えます。

EUと日本では状況が異なるので、日本の首相が動け・・・と言うつもりは毛頭ありません、今は。しかし、周辺諸国との真の外交(平和の)を築くための信頼たる・経済活動だけでない行動を日本の代表者に期待したいと思うのです。そしてそれは、常日頃からの言動にも裏づけされてなければならないものであり、世界を相手に公然とウソをついた人物では、いまさら何をどのように言っても難しいのです。

ところで、先ほど、ドイツの英文サイトのニュースを見ていました。ロシアの思惑は、既に強引に確保したクリミア半島に接続する「回廊」のようなルートをウクライナ東部に確保しようとしているのではないかと、ウクライナ自身が懸念を示しているそうです。

地図で確認してみますと、現在ドネツク周辺が紛争地域になっていますが、そこからさらに南西方向に勢力圏を確保すれば、その「回廊」はできあがるのです。ロシアと言う国なのか、プーチンと言う人物なのか、国民性なのか・・・、良くわかりませんが、何を考えているのでしょうか。ロシア国内で民主的な報道がなされているとは考えにくい・・・そう思えてしまいます。市民レベルでは、様々な文化の違い等があっても交流は可能だと実感しているのに・・・。

今回の停戦が、本来の主権を尊重することにつながり、力(武力)ではなく、平和裏に各地域の進むべき道を住民が中心になって決めて行く、その一歩になることを願っています。

(巻頭写真: ドイツ・ミュンスター、平和の間・・・・ヴェストファーレン条約を締結、1648年)

ドイツのマナーレベルを考える

2015-02-06 22:57:40 | 日記
ドイツ滞在中に、いくつかのマナーレベルの高さを感じさせる場面に出会ってきました。歩行者に対する運転者の配慮にも感心しましたし、レストランに入った時の軽い挨拶、しかも、隣のテーブルの人にも声をかける習慣(一部でしたが)までありました。また、後から続いてくる人のために、しばらくはドアを開けたままで立ち止まって待ってあげるシーン等々です。詳細は既述ブログの諸所にありますので、読まれていない方は、そちらを参考にして下さい。但し、中には感心できないようなふるまいも若干は見かけましたが・・・。

それに比べると最近の日本でのマナーレベルには驚く場面があります。例えば、整列して電車の乗車待ちをしていて、ドアが開いて先に降りる人たちをやりすごしていると、後ろから割り込んで座席を確保しようとする「オッサン」がいました。さすがに、これは最近では珍しい光景でした。また、これは本人が気が付いていないのかも知れませんが、電車内で大きなヘッドホンで音楽を聴いている若者なのですが、例のシャカシャカ音がかなりの音で漏れているのです。これは毎日続いているのですが、気づいていないのでしょうか。

一方、車の運転では、左折ラインである左側から強引に右折ライン側に割り込んでくる「オバサン」、横に並んで確認してオバサンであることがわかったのですが、悪びれることもなく平然としてこちらを見ていました。また、歩行者がいるにも関わらず、ウインカーも出さずに突然人の前に回りこむ若い運転手。

たまたま気になった(あきれた)ことが続いたのかも知れませんが、こんな話は家内も経験しているようです。一体、どうなっているのかと一抹の不安(?)も過ぎります。ヒステリックでクレーマーのようなオバサンもいるようです。

少し話題がズレますが、悲惨な事件も発生しています。19歳の国大女学生が起こした殺人事件や、犯人は逃走中らしいのですが和歌山での小5男子の事件・・・世の中どうなっているの?と言いたくなります。

さらに、どうにかならないのかと思うのが、お年寄りを騙す振り込め詐欺事件の数々。各報道機関も詐欺事例を公開して注意を呼びかけていますが、減っているようには思えません。そもそも、被害者サイドへの注意喚起だけでは甘いのではないでしょうか。法律の専門家ではないので、どのような詐欺罪に相当しているのかは知りませんが、これらは殺人罪にも匹敵する内容ではありませんか。つまり、老後の貯え等を奪ってしまうのですから、路頭に迷うことにもつながりかねません。

そういう意味で、こうした過失でなくて故意に行っている「悪質」な犯罪に対してはもっと厳しくあたるべきではないかと思ってしまいます。他にも、被害者よりも加害者をかばうかのような扱いをされている事例も見聞きします。

人の命を故意に奪っておいて、死刑は重過ぎると言って上告するとか・・・、過失の場合は救うべき面もあると思いますが、身勝手な理由で故意に行ったものは、仮に心神喪失の状態があったとしても、結果に対しての責任をとってもらうのが必然と思います。

世の中で、公平・公正と言うのは難しいことかも知れませんが、弱者や正直な人が不当に扱われることのない社会であって欲しいと願ってやみません。法律には違反していません・・・とか言う方々がいますが、自己の良心に照らして判断できるのではないでしょうか。法律家が杓子定規な言葉を仮に言うのであれば、それこそ世の中間違った方向に行ってませんか? 社会正義はどこにあるのでしょうか。

「教育」これは学校教育のみを指してはいません。親子、兄弟、先輩後輩、友人同士、そして社会そのものが良きその現場であって欲しいものです。

(巻頭写真: ドイツではなくてデンマーク・コペンハーゲンです。「錨」・・・「怒り」)

二つの巨星から学ぶ

2015-02-01 21:44:39 | 日記
2015年2月1日、朝から衝撃的なニュースが流れていました。一つは人質になっていた後藤さんが殺害されたらしいとの報道、さらにはドイツの元大統領のワイツゼッカー氏(94歳)が亡くなったとの報道です。

後藤さんに関しては、関係各国や様々な人々が解放への努力をされていたと思いますが、残念な結果になってしまいました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。また、こうした事態への対処が容易でないことも再認識した次第です。

さて、もう一つのニュースであるワイツゼッカー氏に関してですが、「過去に目を閉ざすものは、現在に対しても盲目になる・・・」との有名な言葉を残している方でもあります。ナチス・ヒットラーの行いを、ドイツ国民一人一人が真正面から見据え、二度と繰り返さないと戒めている言葉でもありましょう。


ヨーロッパ大陸の数々の民族や国家隆盛衰退等の歴史を知ったり、昨今のEUの苦悩の数々に触れると氏の言葉は現代にも生き続けている言葉だと思います。

「目には目を、歯には歯を」の報復の連鎖を呼ぶような考えを続ける限りは真の平和は期待できないかも知れません。ナチスの行動の、原因の一端にもそうした作用があったのではないでしょうか。そこに過度の民族的な思い入れが加わって、一人ではストップがかけられない状態に入り込んでいった面も否定できないでしょう。

そして後藤さんの件です。私的な怨念で語るのであれば報復の連鎖につながりかねません。しかし、精神性の非常に高かった後藤さんはそれを望むでしょうか。きっと望んでいないと思います。

一方、現政府が唱えている積極的平和主義なる言葉がありますが、これも武力による外交に重きを置こうとしているように聞こえます。今の時代、まだまだ民主的国家ばかりとはとても言えないので、自衛のための一定の備えは必要なのでしょうが・・・。

しかし、まるでUSAに追随するかのような協調路線は、第3国から見ればUSA的と見えているのではないでしょうか。また、人道的支援と口には出していますが、お金だけで支援しているかのような日本の姿は、諸外国からはどのように見えていると思いますか? 私見ではありますが、経済大国で・身勝手な・特殊な国として目に映っているように感じます。

だからと言って、自衛隊の海外派遣(平和維持)を推すものではありません。ジャイカのように国際活動・支援等をしている人たちもありますので、そうした面では益々貢献することを期待したいと思います。加えて、先の大戦で多くの犠牲者を出し、敗戦を味わっている日本はどのような路線を進むべきでしょうか。

ワイツゼッカーが明言しているではありませんか。現行政府が推し進める積極的平和主義とは彼の忠告に反していると感じます。敗戦国日本であるからこそ選ぶことができる道があるのではないでしょうか。それは、例えばUSA等と同じような行動を採ることではなく、もう一段先を行く考えを採択することではないでしょうか。今のままでは、いくつかの過去の事実を見ないようにして、前車の轍を踏もうとしているように見えます。仮に「違います」と言っても既に信用できないのです。

ワイツゼッカーの言葉をもう一度噛みしめましょう。精神的な指針を示すべきではないでしょうか。それは単に「テロには屈しない」だけでは表現できていないと思います。他の友好国に追随するのではなく、協調はするものの一歩先進的な考えを示してリードすべきではないでしょうか。

エコノミックアニマル・ジャパンではなく、お金を出すだけの日本でなく、精神的な支えになり得る国家として世界をリードすべきと思います。過去を正面から見据え、日本だからこそ言える・リードできる考えを示すことはできるでしょう。これが日本の貢献するメインの柱であって欲しいものです。

であれば、後藤さんもワイツゼッカーもきっと応援してくれるに違いありません。