2013年10月21日(月)、ホストの奥さん(Eさん)が14時過ぎに外から戻ってきて、一人で昼食を食べていました。私は近くで乾燥マッシュルームを使った新商品のパッキングを続けています。Eさんは実母の介護に行ってきた帰りのようでした。そして突然私に日本のお墓について訊いてくるのです。日本のお墓はどんな形なのか、火葬かそうでないのか、また、それは個人で選択できることなのか・・・。唐突な話ではありましたが、私は身振り手振りを加えながら日本のそれらについて説明したのです。
(写真: 庭に咲く花)
どうもこの日の午前中、Eさんは実母とそうしたことについて話し合っていたようなのです。実母の願いとしては火葬された自身の灰は、樹木の根元に埋めて欲しいと言っているとのことであり、ドイツではそうした方法も選択肢の一つとしてあるらしいのです。
例えば、10人で一本の樹木を共有(シェア)することもできるし、樹齢2百年の大樹を個人が一人で占有する方式もあるとのことです。この場合は相応に費用が高額になると言っています。いずれにしても、その樹木には個人名が書かれたプレートが取り付けられるとの説明でした。
Eさんは言います。「私も樹木の下に眠りたい」と。そして何故かわからないのですが、自分の前世は樹木であったような気がするからそうしたいとも言うのでした。Eさんがハーブ等の植物を育てる仕事を好きでやっていることとも関係があるのかも知れません。
(写真: Eさんのハーブ園の一部)
(写真: 庭に積まれた薪とハーブ)
また、ドイツでは火葬かそうでないかは選択することができるらしいのです。それにしても、Eさんは少し疲れているように見えました。また、父親は既に他界しているので、実母に対するある種の思いが募って、こうした話を私にしてきたように思えたのです。
思い出されたのは、8月中旬にこの地に来た直後、食堂で私がパソコンに向っていた時のことでした。当時はポーランドの娘(こ)も居たのですが、Eさんはそのポーランドの娘に実父の写真を見せながら「父に似ているでしょう!?・・・」と。つまり、私がうつむいてパソコンに向っている横顔が、Eさんの亡くなった父親に似ていると言っているのでした。私もその写真を見せてもらいましたが、斜め上から見下ろすような視線で見た場合、多少は似ているかも知れません。が、私は日本人、Eさんのお父さんはドイツ人、似ているわけがない・・・と思い、私は「まさか」と言ってお茶を濁しておいたのでした。
あきらかに人種としては異なっているので肌の色も違っているのでしょうが、どこか形態的に似通った部分もあったのかも知れません。この日、「お墓」の話を聞いてきたことも、こうしたことが伏線としてあったからかも知れないと後から思ったのでした。
さて、ここラーデンでの滞在期間も残り僅かになりつつあります。ホストのOさんは夕食後に一緒にテレビ(録画)を見ようと誘ってくれました。イギリスのBBCが制作した「エドワーディアン」と言う題名のテレビ番組です。内容は少し前(2百年ぐらい前か)の時代のイギリスにおける農場の模様を再現したもので、ジローも関心があるのではないかと、Oさんがネットでダウンロードしたもののようでした。
12回に渡ったシリーズ物で、この日は第一・第二話の2本分を見たのです。BBC制作なので英語です。私にはやや速い口調に聞こえるのですが、何割かは理解できました。Oさんは問題なく聞き取れるそうです。(Oさんは英語はペラペラなのです。)
翌日の22日の夕食後も同じように次の2本分を見ることになったのです。
さらに、22日の夕食では、Oさんが特別のメニューを用意してくれました。ブラウントラウト(鱒)をスモーカー(燻製器)で調理してくれて夕食に出してくれたのです。その燻製器は私が見たことのないタイプでした。蓋がついているのですが、中に魚とスモークチップを入れておいて、蓋を開けた状態で4分間熱し、その後は蓋をした状態で17分間熱するのです。火力は液体アルコールです。熱すること僅か21分間でスモーク完了です。
できたてのブラウントラウトの燻製をいただきました。身がプリプリで香りもよく「旨い!」の一言でした。こんなスモーカーは見たことがありません。日本でも入手できるのでしょうか。Oさんは2年程前に50ユーロぐらいで買ったと言っていました。
Oさんの「サービス」(?)も、残り少ない滞在期間の私に対するプレゼントのような気がしていました。感謝です。
(写真: 夕暮れのラーデン中心街)
~続く~
(写真: 庭に咲く花)
どうもこの日の午前中、Eさんは実母とそうしたことについて話し合っていたようなのです。実母の願いとしては火葬された自身の灰は、樹木の根元に埋めて欲しいと言っているとのことであり、ドイツではそうした方法も選択肢の一つとしてあるらしいのです。
例えば、10人で一本の樹木を共有(シェア)することもできるし、樹齢2百年の大樹を個人が一人で占有する方式もあるとのことです。この場合は相応に費用が高額になると言っています。いずれにしても、その樹木には個人名が書かれたプレートが取り付けられるとの説明でした。
Eさんは言います。「私も樹木の下に眠りたい」と。そして何故かわからないのですが、自分の前世は樹木であったような気がするからそうしたいとも言うのでした。Eさんがハーブ等の植物を育てる仕事を好きでやっていることとも関係があるのかも知れません。
(写真: Eさんのハーブ園の一部)
(写真: 庭に積まれた薪とハーブ)
また、ドイツでは火葬かそうでないかは選択することができるらしいのです。それにしても、Eさんは少し疲れているように見えました。また、父親は既に他界しているので、実母に対するある種の思いが募って、こうした話を私にしてきたように思えたのです。
思い出されたのは、8月中旬にこの地に来た直後、食堂で私がパソコンに向っていた時のことでした。当時はポーランドの娘(こ)も居たのですが、Eさんはそのポーランドの娘に実父の写真を見せながら「父に似ているでしょう!?・・・」と。つまり、私がうつむいてパソコンに向っている横顔が、Eさんの亡くなった父親に似ていると言っているのでした。私もその写真を見せてもらいましたが、斜め上から見下ろすような視線で見た場合、多少は似ているかも知れません。が、私は日本人、Eさんのお父さんはドイツ人、似ているわけがない・・・と思い、私は「まさか」と言ってお茶を濁しておいたのでした。
あきらかに人種としては異なっているので肌の色も違っているのでしょうが、どこか形態的に似通った部分もあったのかも知れません。この日、「お墓」の話を聞いてきたことも、こうしたことが伏線としてあったからかも知れないと後から思ったのでした。
さて、ここラーデンでの滞在期間も残り僅かになりつつあります。ホストのOさんは夕食後に一緒にテレビ(録画)を見ようと誘ってくれました。イギリスのBBCが制作した「エドワーディアン」と言う題名のテレビ番組です。内容は少し前(2百年ぐらい前か)の時代のイギリスにおける農場の模様を再現したもので、ジローも関心があるのではないかと、Oさんがネットでダウンロードしたもののようでした。
12回に渡ったシリーズ物で、この日は第一・第二話の2本分を見たのです。BBC制作なので英語です。私にはやや速い口調に聞こえるのですが、何割かは理解できました。Oさんは問題なく聞き取れるそうです。(Oさんは英語はペラペラなのです。)
翌日の22日の夕食後も同じように次の2本分を見ることになったのです。
さらに、22日の夕食では、Oさんが特別のメニューを用意してくれました。ブラウントラウト(鱒)をスモーカー(燻製器)で調理してくれて夕食に出してくれたのです。その燻製器は私が見たことのないタイプでした。蓋がついているのですが、中に魚とスモークチップを入れておいて、蓋を開けた状態で4分間熱し、その後は蓋をした状態で17分間熱するのです。火力は液体アルコールです。熱すること僅か21分間でスモーク完了です。
できたてのブラウントラウトの燻製をいただきました。身がプリプリで香りもよく「旨い!」の一言でした。こんなスモーカーは見たことがありません。日本でも入手できるのでしょうか。Oさんは2年程前に50ユーロぐらいで買ったと言っていました。
Oさんの「サービス」(?)も、残り少ない滞在期間の私に対するプレゼントのような気がしていました。感謝です。
(写真: 夕暮れのラーデン中心街)
~続く~