ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

ドイツ・ブレーメンからさらに北のリューベックへ

2014-04-29 18:23:31 | 日記
2013年11月3日(日)、幸い晴れています。この日はここよりさらに北方のリューベックに向います。8時過ぎ、このホテルでの3回目で最後の朝食をいただきました。こうしたプチホテル的な感じの雰囲気も良いものです。さて、身支度を整え10時前にはチェックアウトです。

少し余分な荷物を処分しましたが、逆にブレーメンで入手した土産物もあるのでプラスマイナスすると若干の「増」でしょうか。重い荷物を持ちながらHemelingenの駅まで歩きます。この駅はローカル駅なのでエスカレータもありません。重い荷物を持っての階段の昇り降りが一番キツイです。そしてブレーメン中央駅に到着。
(写真: Hemelingen駅)

ブレーメンからは乗り換えなしでリューベックに行くことができます。ブレーメン中央駅9番線ホーム、11時過ぎの列車IC2220に乗ります。プラットフォームには各列車の編成図が貼り出してあるので、乗車位置等は予め確認しておくことができます。自転車を積み込むような人は、積み込み可能の車両位置も確認しておくことができます。

列車はほぼ定刻で入線してきました。列車に乗り込みます。客車は思いの他空いていました。二人掛けシートにゆったりと座ることができました。凡そ1時間でハンブルク(Hamburg)に到着です。この路線を走る多くのIC特急は、ここハンブルク終着のものが多いのですが、選んだ列車はさらに北方に向うのでした。但し、ここハンブルクで18分も停車します。その理由は列車の走行方向が逆になるので、(見えませんでしたが)機関車の連結変更をしていたと思われます。

ところで、ハンブルクの人口は約177万人で首都ベルリンに次ぐドイツ第二の都市です。ちなみにミュンヘンが133万人、ケルン100万人と続きます。今回の旅の目的は大都市を中心に観ることではないので、このハンブルクも訪問先から除外していました。

さて、定刻の12時半頃、列車は再び動き始めました。但し、到着した時とは逆方向に走り出しています。ここから目的地リューベックまでは64kmで、所要時間は約40分です。この列車に乗車した時に座席に置いてあった時刻表(小冊子のような)に依ると、このIC2220は今朝5:50分にフランクフルトを出発していました。結構、長距離を走っている列車なのでした。

13:10分頃、ほぼ定刻にリューベックに到着です。人口21万人の都市にしては、駅に人が少ない印象を持ちました。ここでは駅前のホテルに予約を入れてあるので身軽になる為にも、先ずはホテルに向かいます。とは言っても駅前なので歩くこと2・3分と言ったところです。振り返ると駅庁舎が見えましたが、かなり歴史を感じさせるものです。
(写真: リューベック駅構内)
(写真: リューベック駅外観)

チェックインには少し早い時刻でしたが、ここでも問題なくチェックインできました。3階の一室です。ブレーメンのホテルとは比較できないレベルですが、日本のビジネスホテルよりは少し広めの感じです。先ずはパソコンを取り出して無線LANに接続します。日本の家族に無事にリューベックに移動したことを伝えました。

さて、身軽になって、先ずは駅周辺を散策します。昼食の場所も探します。駅構内には数店の食事場所があって、コンビニやパン屋さんも入っていました。お店に入ってサンドイッチとコーヒーの昼食をいただきました。

そして旧市街地の方に向かいます。広いメインストリートを進むと、間もなく有名なホルステン門が見えてきました。近くまで来るとガイドブックにあるように少し傾いているのがわかります。そして間もなくマルクト広場周辺に到着です。日曜日の14時半頃と言うこともあって、周辺の人出は相当なものです。観光都市で人口55万人のブレーメンの中心街と、混雑振りに関しては差がない印象でした。それにしても寒いですね。天気は晴れているのですが、黒雲のようなものも流れています。気温は10℃はないと思われ、初冬の印象でした。
(写真: ホルスタイン門)
(写真: 昔の塩の倉庫群)

散策していて感じたのですが、クリスマスはまだ先のことですが、街の装いからその賑わいを感じるのでした。市庁舎界隈やトーマスマン縁の建物、船員会館・・・、この日は日曜日で一般的にはお店の類は休みが多い筈なのですが、60~70%ぐらいのお店はオープンしているイメージです。ブレーメン程には外人(東洋系含む)等の観光客は多くない感じで、どちらかと言うと地元の人々が多い印象を持ちました。
(写真: トーマスマン縁の記念館)
(写真: 子供達)

そしていつのまにか時刻は16時頃、しかし既にかなり薄暗くなっています。ここはバルト海まで20kmも離れていない場所で、北緯53.5度付近です。前年(2012年)のデンマーク滞在の際に、ラランディアと言う施設で一日を過ごしましたが、リューベックからは直線で100kmぐらいの場所です。正にこの地も、ほとんど北欧のようなもの・・・と言うのが私の感想です。
(写真: 夕暮れ)

この日は駅構内のパン屋さんで美味しそうなパンを見つけたので持ち帰り、飲み物(缶ビールとワイン)はコンビニで購入です。合計で8ユーロぐらいでした。
~続く~



ドイツ・ブレーメンの3日目

2014-04-25 20:29:35 | 日記
2013年11月2日(土)、窓から外を眺めると雨です。朝の気温は5℃前後と思われます。8時過ぎに朝食をいただきました。席に着くと飲み物を尋ねられるので迷わずコーヒーを頼みます。私の朝はコーヒーから始まるのです。サラダもヨーグルトもあるし申し分ない朝食です。

ところで、実はラーデンを出発する間際のことでしたが、ホストのOさんがお土産として商品用の乾燥マッシュルームを1ダースもくれたのです。有り難いことではありますが、ほぼ荷造りも終わっていたタイミングでもあったので内心はチョット困りました。重さの問題ではなくて、かさ張っているのでスーツケースが満杯状態になってしまうのでした。種類は5種類ぐらい入っていました。

そこで、最初のホテルのオーナーに3パックをプレゼントすることを思いついたのです。商品としてのパック詰めになっているので、ドイツ語での説明や連絡先もラベルに記載されています。ラーデンとブレーメンは直線距離で60~70kmぐらいの位置関係なので、気に入ってもらえれば追加注文になるかも(?)知れません。つまり、商品の宣伝にもなると考えた次第です。

10時頃にブレーメン中央駅に向ったのですが、その前にホテルのフロントで、オーナーにマッシュルームのパックをプレゼントしました。少し驚いていましたが、怪しい内容のものではないので喜んで受け取ってくれたのです。私はもう少し減らそう・・・と画策していました。

内心、土産として渡してくれたOさんには申し訳ないと思いつつ、逆に「宣伝活動」につながるのであれば良いと考えた次第です。そして、もう3パックのターゲットは昨日の昼食場所のCafe & Barです。ザックにその3パックも持っての出発です。(6パックは日本に持ち帰ります。)

雨の降る中を昨日とは異なるコースを通って歩きます。天気は良くないのですが、土曜日とあって人出もそこそこありそうです。中央駅を出てすぐ右手(西北)方向に大きな風車があります。そちらの方に足を向けました。近くまで行くとかなり大きいタイプであることがわかりました。さらに、歩いていない通りや店を見ながらの散策を続けます。
(写真: 風車)
(写真: コンコース内のブラートヴルストの店)
(写真: コンコース内にある列車の券売機)

そして昼過ぎ、昨日の店に入りました。土曜日とあって昨日よりもさらに混雑しています。カウンター席も3席しか空いていません。止む無く「シンク」の前のカウンター席に座りました。昨日とは異なるビールを注文、食事としてはこれもドイツではチョット有名なカレーヴルストを頼みました。Pommes(ポテト)も付いていると書かれているので昼食には十分でしょう。

ここのカレーヴルストは、焼きソーセージにカレー粉がまぶしてあるだけで、特段美味しいと言うものではありませんでした。普通に美味しいと言った感じですね。外は小寒い感じなので、この店でもう少しくつろぐことにしました。コーヒーとデザートにティラミスを追加で注文です。1時間半ぐらい居たでしょうか、チェックをお願いしました。支払いは15ユーロぐらいです。

で、会計してくれたウェイトレスに英語で「かくかくしかじか」・・・、マッシュルームのパックを3袋プレゼントしたのです。渡されたウェイトレスは驚いていました。そりゃそうです。見も知らぬ東洋系のおじさんが突然プレゼントを渡すのですから・・・。でも「危険なものではないよ!」と言って事情を説明すると、多少わかってくれたようで「Thank you!」と言って持って行ってくれました。変なおじさん!と思ったことでしょう。しかし、Oさん!宣伝しておいたよ!・・・と内心思ったのでした。

外は小雨が続いています。気温は10℃前後でしょう。一応、ゴアテックスのアウターを着ているので体が寒いと言うことはありません。あちらこちらを散策した後、少し早いのですが、夕方には駅構内の「NORDSEE」(北海)ショップで夕食用の魚のサンドイッチを購入してホテルに戻りました。
(写真: 小雨模様のヴェーザー川)
(写真: マーケット)
(写真: マーケット付近)
(写真: アジアン・インビス)

今日は土曜日、来週の土曜日11月10日にはフランクフルトから帰国することになります。また、明日の3日は北のリューベックへ向うので荷物のパッキングもしなければなりません。この日は旅の支度を済ませて早めに眠りにつきました。
~続く~

ドイツ・ブレーメンの2日目

2014-04-24 21:17:54 | 日記
2013年11月1日(金)、ブレーメンでの最初の朝を迎えました。朝食はホテル内のグリルでいただきました。地下1階にあって船室を思わせる室内装飾です。ブッフェスタイルで、各品のボリュームは少な目ですが種類は多いのです。パン、チーズ、ハム、ヨーグルト等々・・・十二分な種類が用意されています。このホテルは規模的には小さいのですが、室内設備も含めて満足できる内容でした。
(写真: グリルの様子)

天気は晴れています。10時頃、Hemelingenの駅まで歩いて行きました。駅のホームに上がると券売機が1台あります。画面のイギリス国旗マーク・アイコンをタッチして英語モードを選択します。目的地等を選択すると料金表示が出ますのでコインを投入、片道2.4ユーロです。切符が出てきたら今度は券売機の横あたりにある打刻器(日時が打刻される)に切符を入れるのですが、この時、切符を点線に沿って二つ折りして挿入するのです。(これはホテルのオーナーから教えてもらったのです、ハイ。)切符がやや薄いので二つ折りにして、強度を確保して挿入する意味のようでした。ちなみに、このHemelingen駅の打刻器は、異物が挿入口に詰め込まれていて、切符の打刻はできないのでした。ブレーメンに滞在した3日間とも同じ状態です。ちなみに、ブレーメン中央駅ではホームに上がると同様な打刻器がありますが、こちらは正常に作動していました。
(写真: ホテルから駅への道)
(写真: 券売機、右の青いBOXが打刻器)

さて、ブレーメン中央駅に着いてコンコースを歩くと、注目すべき「お店」があるのです。実はブレーメンに到着した日に、このお店は見かけたのですが、前回のブログには敢えて記載しませんでした。それは「すしBOX」(寿司店)です。ラーデンの滞在中に、奥さんのEさんとお寿司の話題に及んだことがありますが、その話題になった寿司店と、いきなりブレーメンで遭遇することになったわけです。写真をご覧あれ! 和食ブームはこんな形でも現れているんですね。
(写真: コンコースにある「すしBOX」)

メインストリートを中心街(マルクト広場周辺)に向って進みます。豚飼いの像が目印になっているゼーゲ通りに入り、主要ポイントを散策しながらさらに南下、シュノーア地区と呼ばれているエリアに入りました。狭い路地に小さなお店が集まっています。この辺りは手工芸職人の街だそうです。土産物を探しながらの散策は楽しいですね。但し、旅の手荷物は既に一杯なので大きい・重い土産は最初から敬遠しています。ドイツらしいものを選んでいくつか入手しました。
(写真: 豚飼いの銅像)
(写真: シュノーア地区)
(写真: 手工芸店)
(写真: サンタも登場)
(写真: 音楽隊の置物)

そして昼頃になってお腹も空いてきたので、昼食場所を探しながら歩きます。Cafe & Bar 「CELONA」と表示された綺麗な店をヴェーザー川沿いに見つけました。ウィークデーの昼時なのですが、結構混雑しています。結局、カウンタ席しか空いていませんでしたが、着席可能か確認してやっと座って落ち着きました。メニューはドイツ語表記ですが、主だった内容は理解できるようになっていたので、そのまま注文できました。

ブレーメン地元のビール(BECKS)のPils、それにパスタを注文です。ビールを飲みながら待つこと10分ぐらい、熱々のラザニア風(?)のパスタが出てきました。「熱いから気をつけて!」とウェイトレスが言います。ドイツ語です。ドイツ語がわかったわけではなく、ジェスチャーを伴っているので容易に察しがついたのでした。まァ、コミュニケーションはこうして言葉以外も含めてとれるものですよネ。店内や外の景色を楽しみながら美味しくいただくことができました。

会計は、やはり席についたまま行います。「Check please!」と英語で言うだけです。間もなくレシートを持ってきてくれるので、その場で支払いました。11ユーロぐらいで高くはない印象です。店員の対応も含めてよい雰囲気とサービスのお店でした。
(写真: CELONA)

店を出てヴェーザー川沿いに歩き、再び旧市街地方面に入ります。デパート「KARSTADT」に入り土産物を物色しました。探していた形のナイフ(包丁)を見つけたので迷わず購入です。こうしてアチコチを散策し、夕方には夕食代わりのブラートブルストを、前日とは異なる店で食べました。ソーセージの味や食感に違いがありますが、基本的に美味しい食べ物です。
(写真: ヴェーザー川)
(写真: 賑わうマルクト広場界隈)
(写真: ストリート・パフォマーも)

歩いていて感じたことの一つですが、どうもクリスマス商戦に入っている印象です。クリスマスグッズが出ているし(多いし)、サンタクロース等の置物も出ているし間違いないでしょう。加えて、観光都市と言うことも手伝って観光客が多くて賑わっているようでした。ちなみに、このブレーメンは人口55万人程でドイツでは10番目の人口規模の都市なのです。(8月に訪問したケルンは100万人で第4位の都市です・・・。)

もう一つ、「おもらいさん」(乞食のような)が結構多いのが気になりました。これはブレーメンに限ったことではありません。さすがにラーデンでは見かけませんでしたが、ケルンでもミュンスターでも見かけました。ブレーメンではそれらよりもさらに目に付くのです。

ヨーロッパの各国ではそれぞれ移民の問題があることは承知しています。ドイツでも人口構成の8~10%ぐらいが「外人」で占められていると聞きました。従って、移民の中には生活に困窮した人達もいると思われ、そうした人達の一部がブレーメンのような観光都市にも流れ込んでいるのではないかと想像できるのです。但し、事実確認したわけではありませんので、話半分として読んでいただきたいと思います。

それにしても、あたかも通り過ぎるだけのような観光旅行よりは、滞在型でその土地の人と生活をともにしながら交流することの方が、私には合っていると思うのでした。
~続く~








ドイツでの農場体験(28) <別れ、そしてブレーメンへ >

2014-04-23 20:35:36 | 日記
2013年10月31日(木)天気は快晴、ついに別れの日がやってきました。いつもより少し早めの起床です。前夜に別れの言葉を綴ったアルバムを、定位置であるリビングルームに戻しました。見開きページの一方には私の顔写真が貼られる予定と聞いています。

ここでの最後の朝食もいただきました。70泊した家や庭・地下室等も、見納めとしてぐるりと歩いて回りました。また、こちらで入手した運動靴(作業用)やサンダルは荷物になるので置いて行くことにしました。そのこともホストのOさんに伝えました。サイズが合うかどうかはわかりませんが、次に来る人達で使える人がいるかも知れません。

荷物の最終パッキングも終わりました。10:05分発の列車に乗るので9:30分には出発です。Oさんが駅まで車で送ると言っています。歩いても行くことができる距離ではありますが、Oさんの申し出を有り難く受けました。食堂には奥さんのEさんも出てきています。お互いに何となく名残り惜しそうな感じでした。

出発時刻にはEさんも車のところまで来てくれて見送りをしてくれました。(本当に有り難うございました。)駅までは車で5分程度です。駅につくと荷物をOさんが運んでくれます。列車に乗るまでOさんはベンチで一緒に待っていてくれました。そして最後にはハグしてのお別れです。「サヨナラ! ラーデン!」 いつかまた来る日もあるでしょう、きっと。

列車は定刻に発車しました。遠ざかるラーデンの風景を目に焼き付けながら・・・、さァ、これから帰路の10日間の旅の始まりでもあり、気を引き締めなければなりません。次はブンデで乗り換え、そしてオスナブリュックでもう一度乗り換え、そこからはIC(Inter City)特急でブレーメン(Bremen)を目指します。

トラブルもなく12:30頃にはブレーメンに到着しました。ブレーメンは観光都市のイメージが強く、ホテルの料金はどちらかと言うと高めの印象です。止む無くブレーメン中央駅から1駅離れたローカル駅(Hemelingen)の近くのホテルに3連泊することにしていました。どちらにしても荷物が一杯なので一旦ホテルを目指します。
(写真: ブレーメン中央駅)

その前に、ブレーメンの駅構内にブラートブルスト(焼きソーセージ)の店があったので迷わず立ち寄りました。2.1ユーロです。皆、売店の周囲で立ち食いしているので、それに習って私も立ち食いです。シンプルな食べ物で飽きが来ない味です。ちなみに、ブレーメンは例の音楽隊で有名でもあり、観光客らしき人達が多いのです。中には日本人カップルや家族連れも見かけました。ドイツに入って日本人らしき人を見かけるのは久しぶりです。(私は仕事で中国に1年以上滞在していたこともあって、服装や髪型から日本人かそうでないかはほぼわかるのです。)

で、ホテルを目指して移動です。駅からは600mほどを歩きます。商店街はなくて住宅街を歩くイメージです。13時半過ぎにチェックインしました。少し早めの時間でしたがチェックインOKです。ノートパソコンをWIFIに接続して、日本の家族にブレーメン到着の連絡をしました。
(写真: ホテルの玄関付近)

そして時刻がまだ早いのでブレーメンの中央駅に再び向いました。駅前には大きな出店が数店並んでいてビールで盛り上がっているグループもいます。この日はハロウィンでもあったのですが、それとは関係ない雰囲気でした。予め調べておいたルートを頼りに主要なコースを辿って歩きます。マルクト広場付近は多くの出店で賑わっています。ちょっと早いのですが、クリスマス商戦が始まっているのでしょうか(?)。
(写真: 数々の出店)
(写真: ローランド像)
(写真: 音楽隊の銅像)

ブレーメンの音楽隊の銅像や、ローランド像も確認しました。時刻が16時過ぎる頃なのですが、既に薄暗くなりかかっています。ここは北緯53度付近なので10月末でも日が落ちるのが早そうです。18時頃には再びホテルに向いました。住宅街を歩いていると、2~3人連れの子供達が近所の家を訪ねてお菓子をもらっているシーンに出くわしました。ハロウィンですね。「Trick or Treat?」とでも言っているのでしょうか? いやここはドイツなので言葉は違うのでしょうね。しかし、ハロウィンの実際を見かけるのは初めてでした。

ホテルの部屋はツインベッドで広いし、バスタブはないもののシャワールームもトイレもとても綺麗なのでした。唯一、ネットの接続速度が遅くて動作が重いのが難点、それぐらいでしょうかマイナス点は。

この日は重い荷物での移動もあって少々疲れ気味、早めに就寝とあいなりました。
~続く~

ドイツでの農場体験(27) <ラーデン最後の一日 >

2014-04-22 23:51:12 | 日記
2013年10月30日(水)、ここラーデンでの最終日となりました。ドイツに入って75日目、このホストの家に泊まるのは今夜が最後で70泊となります。長かった気もしていますが、やはり振り返るとアッと言う間・・・でした。それでも当初の目的等の大半は確認したり体感できたと思っています。

さて、この日も午前中は庭で収穫できた果物のドライ(乾燥)処理が中心でしたが、作業の開始直後にホストのOさんが私に言いました。今日のランチは「天ぷら」にしたいので手伝って欲しいと言うのです。元々、そうした話はあったのですが、滞在最終日がその日になったと言うことです。それにしても、天ぷらにする具材が揃っているかどうかは未確認なので、Oさんと二人で確認することから始めました。

さつま芋や茄子が見当たらないので入手を頼みました。また、味噌汁も依頼されたのでランチの準備は11時半頃から始めることを伝えました。最初に整えたのは使用材料を並べてみることです。Oさんは買い物に走っています。野菜の種類は十分あります。自家栽培のマッシュルームも数種類は使えそうです。そして最初に取り掛かったのは庭で採取された大きなカボチャを切ることでした。

カボチャの大きさは直径が40cmぐらいで高さは20cmぐらいもあります。一番大きな包丁を使って切ろうとしますが、これが「固い」のです。体重をかけるようにして何とか四分の一ぐらいを切り分けしました。固そうな皮も切り落とします。ほどなくしてOさんが買い物から戻ってきました。さつま芋も入手できたようですが、日本で見かける品種とは異なるようです。しかし、これも天ぷらの具になるように準備しました。

一方、味噌汁作りも始めました。この10月末の時点ではフランス人カップルはまだ居たので、彼等用、つまり、ヴィーガン用にも作ってあげる必要があったので味噌汁も2種類用意するのです。途中までは一つの鍋で準備し、ダシを加えるところから鍋を二つにして平行調理するのでした。片方はカツオ(魚)ダシも入れて味を調えます。もう一方はコンブがあればコンブでダシをとるのですが、この日はコンブは使い切っていたのでダシは無しで作りました。

マッシュルーム類は業務用の巨大冷蔵庫から収穫済みのものを5種類ほど持ち出してきました。この天ぷらが一番美味しそうに思えました。で、どうやって揚げるか、T社製のフライヤーをOさんが持ち出してきました。話を聞いていると「天ぷら」を自宅で作るのは初めてではないようでした。そして、天ぷら粉は、オスナブリュック(50kmぐらい離れた場所)のアジアンショップに行った時に買った、「タイ製」の天ぷら粉を使いました。

天ぷら用の「天つゆ」も作りました。材料には限りがあるので、醤油、日本酒、砂糖等でそれらしく作りました。ヴィーガン用には本ダシは加えられませんが、他の人用には本ダシも入れたので、結構「らしく」できあがりました。日本で食べる時の「天つゆ」とは異なりますが、Oさんは作り方を教えて欲しいと言っていました。「天つゆ」で食したことはこの日が初めてだったようです。

なんだかんだと準備に手間取り、ランチ開始は14時半頃になりました。1時間半は遅れたのです。それでもテーブルの中央に置かれたフライヤーに、好みの具に溶き天ぷら粉をつけては揚げながら食べる熱々の天ぷらは、いや~、旨かったです。

ちなみに、さつま芋の天ぷらですが、ホコホコした芋ではなかったので食感は今一、また、甘みも少なめだったので期待はずれでした。一方、茄子やマッシュルーム等は一番美味しかった印象です。

ランチの片付けを終えたのは15時15分頃、とても遅いランチタイムを終えたのでした。この日は16時半頃には作業は終了となりました。Oさんの気配りです。ドイツ人気質と言っていいのでしょうか、律儀な一面を感じます。
(写真: ダイニングルーム)

こうして70日間に及ぶラーデンでのマッシュルーム栽培農家(ハーブ栽培も)での体験は99%終了したのです。フランス人カップルから今後の予定を聞かれたので、約10日間ほど使ってドイツのさらに北方へ回り、最後はフランクフルトに戻って、そこから日本へ帰国する旨を伝えました。私がラーデンを離れるのは翌日木曜日、そしてフランス人カップルは金曜日である11月1日にここを離れると言っています。

ヴィーガンのフランス人カップルとはあまり交流できませんでしたが、彼らもマッシュルーム栽培のノウハウ修得やハーブ栽培の一部ノウハウについて勉強できたのではないでしょうか、彼等二人は近い将来、そうした自分達の農場を立ち上げたいと言っています。こうした若者が居ることに嬉しくなりました。日本にも、似たような若者もいるのでしょうが、もっと増えて欲しいと改めて感じたのです。
(写真: ハーブ・ガーデンの一部)

19時過ぎ、あまりお腹は空いていないのですが、最後の夕食となるので食堂に行きました。ホストのOさんも奥さんのEさんも先に来ていました。珍しいことです。Oさんと私は紅茶だけを飲んでいます。19時50分、一応夕食の区切りとしました。いよいよお別れの挨拶をすることになります。

ノートパソコンの電源を立ち上げてプレゼンの準備をします。2~3分で準備完了。今度はOさんが白ワインとワイングラスを3つ用意してくれました。ワインを飲みながらの挨拶となります。暗い雰囲気はありません。ワインはリースリング種(葡萄の種類)で美味しいものでした。

8月17日にフランクフルトに到着してから、先ずは100万人都市のケルンへ、次に環境先進都市でもあるミュンスターへ、そして8月22日にはここラーデンに到着、その頃は夏真っ盛りの季節でした。特長的な写真をパソコン画面上で見てもらいながら私が感じたことを説明して行きます。ミュンスターはドイツの中でも一番自転車の為の各種環境整備がされた都市であることを、Eさんが教えてくれました。

また、Oさんのマッシュルーム栽培への取り組みや3R、省エネ、各種の自前のシステムや装置のこと、また、ラーデンやその近郊を見ての感想等も伝えました。太陽光発電、風力発電、太陽熱利用の温水装置、そしてバイオガスへの取り組みや問題点の存在・・・。

この話の途中でOさんが「3R」て何だ?と聞くのです。私は日本でしばしば使っている3R(リユース、リサイクル、リデュース)なので当然Oさんも知っている、つまり、ドイツでも使われている略語ではないかと思っていたのですが、そうではなかったようです。でも3Rの語源を説明したら直ぐに分ってくれました。

そして多くのドイツ人に親切にしてもらったことや、人口6千人のラーデンであっても、赤ちゃん、妊婦の姿、小さな子供や中高生クラス、ミドルエイジ、高齢者、ハンディキャプを持った人、そうした人達が満遍なく、年齢層が偏ることなく暮している街に見えると伝えました。Oさんは言います。この街には人口減少問題は存在していないそうです。いや~、実にすばらしい街ですね。

また、ドイツの歴史に大きく関わっているのでしょうが、地方自治が伝統的に根付いていることもプラス作用していると感じます。さらに、人々は必ずしも行政の力を当てにしていないと言うこと、自分達でやれることはさっさとやってしまうところ、これは日本と大きく異なる点に思えました。

説明の最後の方で、10月19日の見事な朝焼け映像を見てもらい、そして、その映像にピッタリのザ・プラターズの「トワイライトタイム」の音楽を自動的に流して、OさんとEさんを少し驚かせました。
(写真: 美しい朝焼け)

ここラーデンでの70日間に及ぶ滞在機会を与えてくれたことに感謝し、一方で、お二人の為にできるだけ早く自宅に「ファームショップ」を開店できることを願っていることを伝えました。奥さんのEさんは「その通り、ファームショップを早く開店させたいの!」とご主人のOさんに向って言うのでした。

約30分ぐらいのプレゼンでした。Oさんは是非ともこのパワーポイントによるプレゼンデータが欲しいと言うので、USBメモリーに書き込んでプレゼントした次第です。

最大のセレモニーが終わりました。前年(2012年)のデンマークでは不覚にも涙してしまったのですが、このドイツでは冷静に振舞うことができました。残るは、このホストでの「仕来たり」になっている「アルバム」に直筆でメッセージを残すことです。この日の夜、それは自室で書き上げました。

記憶に残る長い一日になったのです。(尚、ドイツ滞在の総括編は別途にまとめ上げる予定です。)
~続く~