デンマークの農場滞在記にお付き合い下さいまして有り難うございました。いささか冗長であったかも知れませんが、それでも印象に残ったトピック的な事柄に特化して記述した次第です。
補足情報的なことを追記します。
デンマークは北緯55度付近に位置していますが、それは北海道よりも北であってカムチャッカ半島の中央付近とでも言いましょうか、改めて調べてみると随分「北」の地にあることがわかります。
従って、夏が短く冬が長い、そしてその冬は日没が早く15時台、日の出時刻は10時頃と夜がまた長いのです。だからこそ長い冬を乗り切るための工夫であったり、短い夏を思いっきり楽しむ考え方も醸成されているのだろうと感じました。
7月初旬の夜22時頃、ホストのご主人の案内で近隣をドライブして見所を案内してくれました。その時、近くの湖畔も散策したのですが、その時刻に湖で泳ぎを楽しむ4人連れの親子を見ました。(泳いでいるのは子供二人だけでしたが)
また、7月の下旬、日本に、帰国する前に夏のコペンハーゲンを散策しましたが、ショッピングストリートでもあるストロイエ付近や港のニューハウン界隈では、昼間から屋外で食事やビール等を楽しむ市民の姿を多く見かけました。もちろん私も同じことをしましたが。
デンマークだけではないと思いますが、人生を楽しもうとしている姿に見えるのです。
景観もすばらしいと思います。街作りそのものについても、古いものを大切にしながら、一方で近代的なものも取り入れる。しかし、区域や一定の制限を設けたりしてバランスを考えている。だから、街のあちこちを歩いてもそれなりに綺麗・感動を呼ぶのではないでしょうか。地方の田舎に行ってもそうした感があるのはどうしてでしょうか。振り返って日本を見た場合、残念に思えることが多いのです。
これらに関する続編としては、2013年8月~同11月にドイツに滞在してきましたので、そこで言及してみたいと考えています。
もう一つ忘れられないことがデンマークでありました。それは80日間の農場滞在を終えた時、ホストファミリーから大きなプレゼントがあったのです。それは、コペンハーゲンのレストランに予約を入れてあげるから日本への帰国前にそこへ行って好きなものを飲んで・食べてきていいよ。お勘定は気にしなくていいから。つまり請求は全てホストファミリーに来るようにしておくから・・・と言うものでした。
帰国の前夜に行きました。行ってビックリ。すばらしいレストランで中庭には孔雀が放し飼いされています。翌年(2013年)にはミシュランに登録される予定とのことです。しかも、5月にホストファミリーの農場に7人ものシェフを送り込んで来たのは、実はこのレストランであったのはドアをくぐってからわかったのでした。
通された店内には予約席のみで8テーブルぐらいあるだけです。天井は5mぐらい(?)と高くシャンデリアがいくつか飾られているのでした。
ソムリエがワインリストを持ってきます。価格が書いてあります。安くはありません。しかも、私一人で飲むのでフルボトルサイズはキツイし、ハーフボトルはありませんか?と聞くと「ありません」と。で一番安い赤ワイン(6千円ぐらい)を指差すと、ソムリエはこちらをお薦めしますと言うのです。価格は1本2万円くらいです。現地通貨クローネ(DKK)表記ですが、それぐらいは暗算で換算できます、私でも。何を頼んでもいいとホストの奥さんからは言われているものの、さすがに気が引けます。しかし、迷うのは数秒間、よしこれに決めよう・・・と言うことでお薦めのワインをいただくことに。
その前にアペリティフ(食前酒)を何にするかと尋ねられているので、それはドライシェリーを頼んでおきました。さらに、料理によっては白ワインが運ばれてきて「こちらはイタリアのGAVI(ガヴィ)で美味しいですよ」と言って別のグラスに注いでくれるのでした。そして2万円の赤ワインは目の前でデキャンターボトルに作法にもとづいて移されたのです。
料理は一品一品が少量ではありますが、大半が銀器に盛られています。また一皿ごとにナイフとフォークは交換です。こんな格調の高いレストランに私は入ったことがありません。
料理は20種類以上出されました。そして5種類目あたりでシェフが自らサーブするために席まで来てくれました。その時、やっとわかったのです。5月にあの農場に来た7人のシェフの一人だったのです。名前は知りませんがお互いに顔は覚えています。お互いに笑いました。
そう言えば話が全てつながりました。このミシュラン候補のレストランがあの農場の鶏肉や牛肉を高く評価しているのです。で、このレストランと肉の納入で契約が出来ているのでした。だから、ここを予約してくれたのでした。
食事の途中でウェイトレスに厨房に入りたいがいいか?と聞きました。OKの確認を取って来てくれました。厨房に入ると顔見知りのシェフが5人はいました。皆、顔を見て笑ってくれました。でも真剣に調理中なのでムダ話はできません。明らかにオーナーシェフと思われる人がいて全体を采配しているような状況でもあったからです。
最後にデザート、これも5品目5皿は出てきました。19時にこのレストランに入って既に23時を廻っています。それでも客はまだいます。チェックを頼むとそれは不要だと言ってくれました。そしてタクシーを頼み、ホテルに戻った次第です。
すばらしいコペンハーゲンの最後の夜を経験させてもらいました。
翌朝、コペンハーゲンの空港からドイツ・フランクフルトへ移動、そして日本へと向ったのでした。
~デンマーク編・完~
補足情報的なことを追記します。
デンマークは北緯55度付近に位置していますが、それは北海道よりも北であってカムチャッカ半島の中央付近とでも言いましょうか、改めて調べてみると随分「北」の地にあることがわかります。
従って、夏が短く冬が長い、そしてその冬は日没が早く15時台、日の出時刻は10時頃と夜がまた長いのです。だからこそ長い冬を乗り切るための工夫であったり、短い夏を思いっきり楽しむ考え方も醸成されているのだろうと感じました。
7月初旬の夜22時頃、ホストのご主人の案内で近隣をドライブして見所を案内してくれました。その時、近くの湖畔も散策したのですが、その時刻に湖で泳ぎを楽しむ4人連れの親子を見ました。(泳いでいるのは子供二人だけでしたが)
また、7月の下旬、日本に、帰国する前に夏のコペンハーゲンを散策しましたが、ショッピングストリートでもあるストロイエ付近や港のニューハウン界隈では、昼間から屋外で食事やビール等を楽しむ市民の姿を多く見かけました。もちろん私も同じことをしましたが。
デンマークだけではないと思いますが、人生を楽しもうとしている姿に見えるのです。
景観もすばらしいと思います。街作りそのものについても、古いものを大切にしながら、一方で近代的なものも取り入れる。しかし、区域や一定の制限を設けたりしてバランスを考えている。だから、街のあちこちを歩いてもそれなりに綺麗・感動を呼ぶのではないでしょうか。地方の田舎に行ってもそうした感があるのはどうしてでしょうか。振り返って日本を見た場合、残念に思えることが多いのです。
これらに関する続編としては、2013年8月~同11月にドイツに滞在してきましたので、そこで言及してみたいと考えています。
もう一つ忘れられないことがデンマークでありました。それは80日間の農場滞在を終えた時、ホストファミリーから大きなプレゼントがあったのです。それは、コペンハーゲンのレストランに予約を入れてあげるから日本への帰国前にそこへ行って好きなものを飲んで・食べてきていいよ。お勘定は気にしなくていいから。つまり請求は全てホストファミリーに来るようにしておくから・・・と言うものでした。
帰国の前夜に行きました。行ってビックリ。すばらしいレストランで中庭には孔雀が放し飼いされています。翌年(2013年)にはミシュランに登録される予定とのことです。しかも、5月にホストファミリーの農場に7人ものシェフを送り込んで来たのは、実はこのレストランであったのはドアをくぐってからわかったのでした。
通された店内には予約席のみで8テーブルぐらいあるだけです。天井は5mぐらい(?)と高くシャンデリアがいくつか飾られているのでした。
ソムリエがワインリストを持ってきます。価格が書いてあります。安くはありません。しかも、私一人で飲むのでフルボトルサイズはキツイし、ハーフボトルはありませんか?と聞くと「ありません」と。で一番安い赤ワイン(6千円ぐらい)を指差すと、ソムリエはこちらをお薦めしますと言うのです。価格は1本2万円くらいです。現地通貨クローネ(DKK)表記ですが、それぐらいは暗算で換算できます、私でも。何を頼んでもいいとホストの奥さんからは言われているものの、さすがに気が引けます。しかし、迷うのは数秒間、よしこれに決めよう・・・と言うことでお薦めのワインをいただくことに。
その前にアペリティフ(食前酒)を何にするかと尋ねられているので、それはドライシェリーを頼んでおきました。さらに、料理によっては白ワインが運ばれてきて「こちらはイタリアのGAVI(ガヴィ)で美味しいですよ」と言って別のグラスに注いでくれるのでした。そして2万円の赤ワインは目の前でデキャンターボトルに作法にもとづいて移されたのです。
料理は一品一品が少量ではありますが、大半が銀器に盛られています。また一皿ごとにナイフとフォークは交換です。こんな格調の高いレストランに私は入ったことがありません。
料理は20種類以上出されました。そして5種類目あたりでシェフが自らサーブするために席まで来てくれました。その時、やっとわかったのです。5月にあの農場に来た7人のシェフの一人だったのです。名前は知りませんがお互いに顔は覚えています。お互いに笑いました。
そう言えば話が全てつながりました。このミシュラン候補のレストランがあの農場の鶏肉や牛肉を高く評価しているのです。で、このレストランと肉の納入で契約が出来ているのでした。だから、ここを予約してくれたのでした。
食事の途中でウェイトレスに厨房に入りたいがいいか?と聞きました。OKの確認を取って来てくれました。厨房に入ると顔見知りのシェフが5人はいました。皆、顔を見て笑ってくれました。でも真剣に調理中なのでムダ話はできません。明らかにオーナーシェフと思われる人がいて全体を采配しているような状況でもあったからです。
最後にデザート、これも5品目5皿は出てきました。19時にこのレストランに入って既に23時を廻っています。それでも客はまだいます。チェックを頼むとそれは不要だと言ってくれました。そしてタクシーを頼み、ホテルに戻った次第です。
すばらしいコペンハーゲンの最後の夜を経験させてもらいました。
翌朝、コペンハーゲンの空港からドイツ・フランクフルトへ移動、そして日本へと向ったのでした。
~デンマーク編・完~