ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

ドイツ情報: シリアからの避難状況を伝える写真

2015-09-07 22:28:42 | 日記
2015年9月7日(Mon.) 今日もEUで報道されていることの中心は、ヨーロッパに押し寄せる避難民・移民・亡命希望者等に関するものです。

ここしばらくは、切迫する状況を伝えるものであったり、また、多くは、日本国内の報道でも紹介されているので、ブログに紹介するのは控えていました。

そして、最新のニュースでは、フランスがシリアでの軍事展開するUS(アメリカ)に、何らかの支援を行う方向であることを伝えています。2011年のシリアでの紛争(内戦)勃発以来、これまでに24万人以上の人々が犠牲(殺戮)になっているそうです。そして、避難民をEU各国が受け入れるにしても限界はあり、根本対策に手を打たない限りはEUそのものも大混乱に陥ってしまう(既に、陥っている)ので、そうした対策にも手を加えなければならないと判断したようです。

これは、フランス1国だけの問題ではないことは、言うまでもありません。ドイツはEU内で一番多くの難民・移民を受け入れてきていますが、ドイツ国内でも、その限界を感じているので、他方の対策も必要と感じていることでしょう。


<以下、 DW-DEにて掲載された写真を転載します。>


シリア・ダマスカスの居住地区の状態です。




トルコからギリシャへの脱出です。(ここにも大きな危険があって、多くの犠牲者が出ています。)






セルビアの首都ベオグラードでの様子です。


ハンガリーの首都ブタペストです。


これもブタペストでの写真、多くの難民はハンガリーからセルビアに追放されるのを恐れています。この少女も同様でしょう。


ドイツの南部にあるミュンヘンでの掲示です。ドイツでは難民受け入れに寛容な傾向がありますが・・・。


ドイツ・ミュンヘンの鉄道駅での光景、警察官も暖かく難民に接しています。が・・・。




***

このブログでも紹介済みですが、今年(2015年)のドイツの難民受入数は75~80万人ぐらいになると予測されており、EU域内で最大の受け入れになっているのです。資金的にも6百万ユーロ(約8千億円以上)を費やすことにもなり、この状態が続く限りは、毎年、この数値以上のものが必要になることは必定であり、ドイツ国民にとっても重大な問題になります。

また、それはやはり「お金」だけの問題ではなく、避難民(亡命者)が集団で居住するとなれば、そこにコミュニティーが出来上がり、周辺地域とのバランスや交流上の問題等も出現することは、容易に予測できることです。

従って、例えば、極右勢力のネオナチに限らず、一般の市民でさえ心配する事態でしょう。従って、冒頭に紹介した、フランスがシリア内戦の沈静化に協力する方向を打ち出したのと同様に、ドイツやその他の国も、根本対策に乗り出すのではないかと思われます。


一時的な軍事(武力)が必要な面があるかも知れませんが、日本の基本的なスタンスは、武力では罪の無い・意図の無い(命令に従っているだけの)人々を殺傷することに関与してはなりません。 復興可能な地域での復興支援・後方支援・治安維持(警察機能)等で寄与することに限定すべきでしょう。その一線を超えると、「戦争」に参入することになり、先の大戦を省みないことになります。

一方で、武力に頼らない真の平和外交面で強力なリーダーシップを発揮できるように、国際的な人的交流を、草の根とトップ外交の両面から進めて行くことが肝要でしょう。

エコノミック・アニマル・ジャパンと見られないよう(今の姿勢ではダメ)、強いメッセージ力と信頼感を醸成して行くことで、世界を平和に導いていける日本であって欲しい。その意味では、安倍政権は完全に信頼を無くしているので、自公両党による政権は総退陣し、他の野党での連立政権で国内外に信頼を再構築することを目指すしかないのではありませんか。(もしくは、党則でしばることを法律上で禁止するとか・・・。)


ちなみに、難民問題はシリアに限っていません。イラクやアフガニスタン、そして、アフリカの複数地域からも発生しているようです。過激な組織がそれを生み出しているようですが、その背景には、独裁や搾取・貧困等の問題が隠されているのでしょう。わがままで、自分たちさえよければいいと考える利己的な連中が、そもそもの原因を作り出しているのではないでしょうか。

その他として、政教分離ではなくて一体化した考えで、且つ、自分たちが信ずる以外の宗教は認めない・・・と言う人たちもいるようです。そうした考えを改めない限りは、争いは絶えないでしょう。こうした世界(宗教)の指導者たちも、他の宗教に対して寛容でなければなりません。そもそも、人々をよりよき方向に導くのが宗教の目的の一つなのではありませんか。





最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2015-09-08 20:41:21
難民問題について、1年前安倍首相はイスラム国から逃れた大量の難民に苦しむヨルダン政府へ、巨額の援助を発表してましたよね?国内メディアはバラマキだの日本人人質事件の原因になっただの、批判ばかりしてましたが。
自衛隊の平和維持活動については小泉首相の頃からやってますよね。非戦闘地域への派遣に限る、また現地では他国の軍隊に守って頂いて自分たちでは戦わない形だったと記憶してます。集団的自衛権が認められない事により、これまで日本の自衛隊の海外活動は大幅に制限されていたのです。
ヨーロッパに難民が流入する事態になってから「日本も難民問題に対して云々」とご高説を述べるマスコミには呆れて物も言えない…それを今更言うのかと。
難民となった方々はお気の毒です…ですが可哀想だからといって、全て助ける事など出来るはずがありません。ヨーロッパの政治家に聞きたい…あなた方は自国の国民の人権より難民の人権を優先するべきだと考えているのか、と。そして難民の保護によって今後どの程度の国益が見込まれるのか、それは予想される経済的負担やトラブルやテロ問題をおして余りあるほどのものなのか、と。
安倍政権には問題も多いですが、現状ではベターな選択だと思います。国益を優先してくれる保守派の方が、国民を苦しめる改革派よりマシ、という苦渋の選択ですけどね。年金制度、公務員制度、教育制度の改革には全く期待出来ません。私たち若者は世代交代を待つしかないんです。日本の政治にはウンザリ。

コメントを投稿