ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

ドイツ・ラーデン近郊の旧式風車

2015-05-27 12:08:52 | 日記
2013年9月初旬、作業を終えた17時過ぎからのサイクリングで、ホスト農場から30~40分の所にある旧型の風車と氷河で運ばれたと言う巨石の場所まで行きました。

先ずは風車です。

今は小さな公園になっています。風車は回っていませんが、憩いの場になっています。




公園内の施設です。








屋根の両端には、バイキング縁(ゆかり)のモニュメントが取り付けられています。魔除けや幸運を祈るものだそうです。

続いて、近くにある巨石公園。このラーデン周辺は海抜50mぐらいの場所で、ほとんど平地なのです。しかし、そこに氷河で運ばれたと言われる巨石がポツンとあるのです。



立ち木(枯れ木)を利用したと思われる彫刻。チェーンソーアートとは少し違うようですが・・・。









この2ヶ所の公園を見てから戻ることにしました。帰り道はノンストップでの約30分のサイクリング。19時にはホスト農場にたどり着きましたが、足はパンパンだったのを今も思い出します。あ、以前のブログでも記述していますが、案内してくれたのはポーランド人の娘(こ)でした。感謝しています。


ちなみに、このポーランドの娘は、今日現在はアイルランドで勉強中(1年間)です。時々、e-mailで連絡しています。おかげで、アイルランドのことも勉強できますし、ヨーロッパの歴史などにも関心が深まります。

そして、何より役に立つ(?)なと感じることは、それらの情報を元にして、日本や自分たちのことのあり方を考えることができると言うことです。

今朝のTVニュースで株式市場に関する話題が流されていました。秒単位で儲けが産み出せるようなケースも紹介されていましたが、正に「マネーゲーム」そのものです。

実態経済とは関係ないレベルで、価値のないものがあたかも価値があるかのように売買増幅されて、売り抜けて儲ける・・・。このようなことに力を注ぐよりも、もっと取り組むべき・守るべき大切なことがあるのではないでしょうか。

幾度もこのブログでも綴っていますが、経済やお金は重要ですが、それがマネーゲームであってはならないでしょう。「経済」(経済最優先)などと言うごまかしの言葉を使い、株価の上昇を見て、経済が上向いています・・・などとコメントする”やから”を見ると、砂上の楼閣を一所懸命に作っているようにしか見えません。

お金が、地域経済が成り立つのであれば、町を挙げて原発再稼動に賛成する・・・、飯を食うためには他人や子孫の不幸をも厭(いと)わない・・・。これも間違った考えではありませんか。


様々な分野での様々なニュースが飛びかっていますが、共通的に見えるのはまやかしの言葉による「虚構」です。このようなまやかし言葉は早々に論破すべきでしょう。

狂っているとしか思えません・・・、残念!!!

ドイツ・ラーデンでの「シイタケ」栽培

2015-05-16 17:10:00 | 日記
2013年9月、ドイツのNRW州・ラーデンにある農家です。マッシュルーム栽培をホストのOさんは手がけています。栽培の年間サイクルとしては終わりの時期で、ほぼ1年間使った菌床を外に出す作業も間もなく始まる時期でした。



10種類以上を育てているようですが、収量が多いのは「シイタケ」で、発音もそのままの”シイタケ”です。写真は、終了間際の菌床なので勢いは既にほとんどありません。




以前のブログでも紹介していますが、築230年の母屋の地下室で栽培しています。その一部を写真でお見せします。この地下室ブロックは5室に別れていて、それぞれに扉が設けられています。この扉が230年前からあったかどうかは聞き漏らしましたが、食糧や器材の倉庫的な利用がされていたようなので、類似の扉は当時からあった可能性が高いと思います。(壁などの構造から)


追加した設備としては、温度コントロールを可能にした空調・換気設備、温度監視をするセンサーとネットワーク及びパソコンシステム。そして、給水配管等は後からのものでしょう。また、超音波発信器を組み込んだ加湿器も自作しています。唯一の不足としては、排水設備です。排水溝などが設けられていないので、バッキューム装置と汚水汲み上げポンプ(電動)で地下室から汚水を地上階の下水溝に流しています。




ところで北緯52度付近に位置しているラーデンは、時にマイナス20℃の厳冬もあるようです。しかし、そうした気候の中でも先祖伝来の家屋・施設を上手に活用して、しかも、周年栽培(ほぼ1年中、出荷できるので収入も続く)を実現していることにも感心しました。

正確な数値ではありませんが、菌床の総数は1000個を超えるぐらいかと思います。大量生産ではありません。しかし、Oさん自身が明言しているように、近在の顧客(レストラン、スーパー、個人など)に安定的に新鮮な食材を届けることができれば良いとしています。

地下室は別のブロックもあって、そちらは物置倉庫になっていました。このエリアも必要ならばマッシュルーム栽培に改造する・・・とも言っています。

この栽培だけで家計か成り立っているかどうかは疑問です。事実、賃貸住宅を4戸所有していました。他に、畑地(牧草地?)も貸しているそうです。さらに遊休の畑地も所有しているのです(広さは確認していませんが)。

色々な点で、このOさんの着想や実施モデルは教えられる・考えさせられることが多いのです。


BTW,あいかわらず安倍内閣の暴走が続いているようにしか見えていません。どこかの大学教授の見解が報道されていましたが、ほとんど私の認識と一致していました。
 1. 自衛隊派遣等の条件を定義しているようですが、所詮、一方的な思い込みで相手方にとっては関係ないこと。つまり、戦争に巻き込まれる。
 2. 武力外交(最低限の備えは別として)よりは、人的交流を深め・信頼感を醸成する真の平和外交に日本の役割を見出すこと。

そして、その一方で、安倍首相の言葉には信用がないこと。言葉とは別のところに本心があって、肝心な発表の際にはその本心を出さずに人心を欺こうとしている。世界に向って大嘘を公言した「福島原発はコントロールされている・・・」、このような人物に政治を任せるわけには行きません。

さらに、これらを推し進め・暴走する内閣関係者は、先の大戦の歴史的教訓を学んでいない意味でも許しがたいものです。時代を逆戻りしていると断言できるのではありませんか。

心ある国会議員(自民党の中にもいらっしゃるようですが)、政治家を生業(なりわい)とする方々は、地域や国の経済的な存続のみならず、いかに平和裏に共存できるかを模索していただきたいものです。

このような政治が行われている限り、日本国民や近隣諸国(人民)はやすらぎを得ることはありません。良識ある国会議員や政治家の皆さん、仕事をして下さい。でなければ、国民一人一人が行動を起こさなければならない事態に・・・、いや既に入ってしまっているのではありませんか?!

また、こうした事態を招いた小選挙区制度そのもにもメスを入れるべきでしょう。まさに、国会が機能していません!! 人民の総意が反映されていません!!


UKの話題(2題)に思う

2015-05-10 21:28:50 | 日記
UKでの下院選挙結果については各報道機関から流されているので皆さんも承知のことと思います。事前の報道では保守党と労働党が接戦で、さらにスコットランド民族党(SNP)が50議席を上回るのではないか云々でした。



しかし、予想とはかなり違って保守党が単独過半数を獲得、労働党がかなりの議席を減らし、民族党は予測に近い56議席・・・等々の結果でした。UKそのものに強い関心があるわけではありませんが、世界をリードしてきた一国として、どのように変遷して行くのか等の点では注視していました。

選挙戦の最後で、浮動票がある種の思惑で流れた結果、保守党過半数になったとも受け取れそうです。

一方、スコットランド独立を目指す民族党が躍進したことは事実ですが、「民族」を主張・強調し過ぎると新たな紛争を巻き起こしかねないので、多文化共生の視点で互いの文化・歴史を尊重しつつ、共存の道を探るのが妥当な方向ではないかと考え、過激(?)な思想を突出させるのはどうかとも思っています。


そして、最も問題点として考えたいことは、各党の得票率と議席数のアンバランスです。

報道によると、保守党は36.9%の得票率で過半数の331議席、労働党は30.4%で232議席、そして議席数56で第3党になった民族党は僅か4.7%です。逆に得票率12.6%の独立党は僅か1議席、7.9%の自由民主党は8議席と言う結果です。


これで国民の総意が議席数に「妥当に」反映されていると言えるのでしょうか。答えは「NO!」(否)です。小選挙区制に伴う弊害と言ってよいでしょう。これはUKのことであっても納得できません。

以前のブログでも述べていますが、日本においても得票率が過半数(50%以上)に遥かに及ばないにも関わらず、小選挙区制であるが故に、大きな議席を獲得してしまう結果を招いています。

そして、その結果である議席数でもって、国民の信託を受けた・信任を受けた等と勘違いして暴走していないでしょうか。選挙制度そのものに大きな・看過できない問題があると言うことです。UKもですが、私たち日本も大きな問題を抱えているのです。

もっとも、仮にそうした事実があったとしても、政策そのものに大きな誤りがなければ、安心して私たちも民意を代表する国会議員等に付託することができるのでしょうが、あいにく、現政権は優先すべき事項を間違えているようにしか見えません。



もう一つ、次元は情けないレベルの話題ですが、日本のある自治体が運営する動物園の猿の赤ちゃんの名前騒動の件です。英国王室の新プリンセス「シャーロット」の名前を拝借する云々で騒がしたようですが、情けないと思ったのは、その是非の判断・問題がありやなしやの問い合わせを駐日の英国大使館に問い合わせした件です。

まさに、自分で責任を取れない・取らない・・・、だれそれが良いと言ったからそうしました・・・と言い訳できるような対応をしたことそのものが無責任過ぎるのです。これを当該自治体の副首長がやったとの報道でした。これが事実とすれば、こんなレベルの人が首長を補佐できるのか、または、場合によっては首長を代行できるのか。そして、こんな人を副首長に任命しているのか、政治を司ることができるのか等々。

こんなレベルの人が政治家にいるの???  また、外国からこうした日本人を見ると、実に奇異に見えていることでしょう。 あ~情けない!!


(掲載写真: 出典はドイツのニュースサイトDW-DE)

我が家のクラインガルテン(5月初旬)

2015-05-07 22:58:00 | 日記
2015年5月5日の畑の様子です。初めて植えてみた「そらまめ」は元気よく育っています。


そろそろ収穫タイミングでしょうか。

ジャガイモ(アンデスレッド)は、前回の写真(ブログ掲載)に比べ、随分と葉が繁っています。中には花を咲かしているものもありました。



この日は1回目の土寄せもしました。収穫は6月末か7月初旬頃かと思っていますが、それまでにはあと2回ぐらいは土寄せする予定です。ちなみに今年は畝間1m、株間50cmぐらいとしました。(昨年は80cm、40cmでしたが・・・)収穫量などに差が出るのでしょうか。


そして、写真はありませんが、本日(5月7日)はサツマイモ用の畝を起こしてきました。5mぐらいの長さで4本、これで50株ぐらいを植える予定です。近くの田圃(稲作)からの漏水があって、水分が多くなる土質(地形)なので「高畝」にしています。

私たち夫婦でやっている野菜・ハーブ作りは、あくまで自給用なのでオーガニック栽培で、化学肥料や農薬は使っていません。なので、安心して食べることができます。(厳密には、前の畑使用者がどのような栽培をしていたのかは不明なので、3年は経過しないと・・・)

スーパーなどで並ぶ野菜も食べていますが、どのような方法で栽培されているのか気になるところです。大量生産ではなく、安全・安心で生産できる量と言うのはある程度限界があるのでしょうね。その意味では、生産者の顔が見える方式の栽培・販売方法と言うのは、今後益々関心が高まるのでしょう。そして流通コストなどを省いて直販することで、妥当な金額レベルに収束(?)していくのではないでしょうか。

画一的で・量産的で・低コストのもの・・・これらは徐々に遠ざけられるのではないかと感じます。ドイツでお世話になったOさんの目指す地域内で循環するスタイルが、サステイナブル(持続可能)な社会の最も基本の要素の一つに思えてなりません。





ドイツ・NRW州ラーデン近郊

2015-05-06 23:10:47 | 日記
2013年9月1日、ラーデンに入って2回目の日曜日でした。この日は全行程約18kmの初サイクリングを楽しみました。



ラーデンの街並みから抜け出ると、突然のように開けた土地(牧場)になっていました。地図を頼りに走ります。


こんな細い道を通って良いのか? と思いつつ、地図を信じて走ります。


ドイツ北部は、ほとんど平坦な地形なので川の流れも緩やかです。水草が見えています。


農家と思われますが、屋根にはソーラーバッテリーが設備されているようです。こうした農家は実に多い印象です。


道幅は広くはありません。しかし、並木の太さは歴史を感じさせるものでした。こうした風景はあちらこちらで見かけます。


馬の姿もところどころで見かけます。乗馬用(ペット)として飼われています。こうした点も日本とは異なることでしょう。


最初はわからなかった緑色のドーム、コーンを材料にしたバイオガス生成設備です。ところどころで見かけます。



こちらもソーラーの設備が見えています。


サイクリングコース途中にあるレストランです。日曜日なので残念ながらお休みでした。日曜日はお休み・・・と言う店舗は実に多いですね。
(ビアガーデンとミニゴルフ場が併設)
(看板: ユニークです。)


こちらもソーラーが見えています。


風力発電は多くはありませんでしたが、ところどころで見かけました。再生可能エネルギーへの関心度の違いも実感しました。


農山村エリア内に忽然と存在する美容院です。幟(のぼり)のデザインもいいですね。


大型農機具の一つのようです。散布に使うものではないでしょうか。


このあたりの農家は、家屋が集落に集まっている形ではなく、隣家と隣家が比較的離れている立地になっているようです。


この農家も実に古そうな歴史を感じさせる家屋です。内部は3階建て構造ではないでしょうか。代々、住み続けている・暮らし続けている・・・ことがすばらしいと思います。もちろん、時代に合わせて手を加えてきているのでしょうが・・・。およそ9kmを走ったあたりで、ここから折り返して行きます。






この周辺で最大のソーラー温水器(バッテリーではありません)設備だそうです。そばに写っているのは牛ですが小さく見えます。


鹿がいるようですね。


飼料としての干草ですが、ロールケーキのように丸められています。


私が借りていた黄色のマウンテンバイク、お世話になりました。


少し大きめの建物ですが、よく見ると屋根にはソーラーパネルが全面に貼られています。


リンゴです。9月1日です。北緯52度付近なので北海道より北に位置していますからね・・・。


およそ15kmぐらいを走って、ラーデンの街が近づいているころです。


これぐらいシッカリした家屋であれば、代々守りたくなるかも知れません。日本でも100年・200年住宅の方が、その土地で暮し続ける工夫・努力が生まれるのかも知れません。

以前のブログ内でも書いていますが、この日は古い風車を見る目的でサイクリングしたのですが、1基も見ることはできませんでした。教えてもらった情報が古過ぎて、既に風車は存在していませんでした。(後日、別の風車は見せてもらいました。)
20km近い道のりをサイクリングすることも久しぶりでしたが、3時間ほどの異国の地での一人サイクリングも悪くありません。


夕食は近くの老舗レストランで。地元のビール(Barre)やツイスターと呼ぶフライドポテトも美味しかったです。そうそう、店の雰囲気も伝わりますかね?!

(ツイスター)

ウーム、ビールはおかわりしています、ハイ。


BTW,ソーラーエネルギーを屋根の上で活用している例をラーデン周辺で多く見かけました。日本でも電力買取制度発足以来、あちらこちらで同様の設備を見かけますが、何か違うのです。

日本では、平地に設備しているものが多いように感じています。ひょっとして畑の跡地かも知れない・・・、屋根の上の利用ではない・・・。これって少し違うと感じています。

例えば、工場・体育館・学校・公共施設・マンション屋上等々の屋根部分の活用、また、電車軌道上のスペース活用等、先ずはそうした「死にスペース」のような場所を使うべきではありませんか。

森林や畑・田圃等は本来の用途で使いたいものです。何が大切か・どうあるべきか・目先の採算性だけを条件にして投資(投機)していないか・・・。50年・100年・200年先のことも考えて判断して行きたいものです。

エネルギーに関するドイツの判断や行動は、良い参考になると思いませんか。日本の現政府は、一体何を大切にしているのでしょうか。