ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

ドイツ情報: 緊迫する難民問題・続報

2015-08-31 22:40:10 | 日記
2015年8月31日(Mon.)、ドイツからの情報です。ハンガリー経由でオーストリアに流入する難民に対し、オーストリアは取り締まりを強化していると報じられています。(ニュースソース: ドイツ DW-DE)






<原文の一部>

Austria uncovers 200 refugees after tightening border

オーストリアは、国境警備を強化して以降、200人の難民を発見しています。



The government has announced the discovery of 200 migrants and the arrest of five smugglers within hours of tightening controls at the border with Hungary. Vienna has increased border checks to crackdown on traffickers.

政府(オーストリア)は、ハンガリーとの国境付近の取り締まりを強化した以降の数時間で、200人の難民発見と、5人の密輸人(密航者手引き)を逮捕したと発表しました。


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Tougher controls have triggered traffic jams on a major highway connecting Austria and Hungary. The move caused a line-up of vehicles at Austria's eastern border, a queue extending nearly 50 kilometers (30 miles) back into Hungary.

取締りの強化は、ハンガリーとオーストリアを結ぶ主要道の交通渋滞を招いています。車列は、ハンガリー側でおよそ50kmの長さにも及んでいます。

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Hungary's approach to refugees

Budapest announced that 8,792 refugees arrived in the country over the past three days. Many crossed the border with Serbia, despite Hungary building a fence intended to keep them out.

ハンガリー(首都ブタペスト)は、この3日間で8792人の難民が流入したと発表しています。ハンガリーが流入阻止のためのフェンスを設置したにも関わらず、多くの難民はそのセルビアの国境を越えて入ってきています。

Authorities allowed hundreds of migrants continue on trains headed towards Vienna, Munich and Berlin. Police had previously blocked 2,000 people from leaving the station because they had no papers.

当局者は、数百人の難民については、ウィーン(オーストリア)、ミュンヘン(ドイツ)、ベルリン(ドイツ)に向う列車に乗車することを認めています。一方で、警察は書類(パスポートか)を持ってないことを理由に、2000人に対しては駅から出発することを認めていません。










これらの写真は、ハンガリーのセルビアとの国境付近のものです。有刺鉄線をくぐっても、警備当局に逮捕(?)されるのでしょうか。



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ハンガリーはシェンゲン協定国なので、ハンガリーに入ってしまえば、理屈上は、オーストリア経由等でドイツに向うことも容易になっています。密輸(密航)業者たちの動きを制するためには、ハンガリーへの不法な入国を阻止する必要がありますが、一方で、フランス等が批難するように、セルビアとの国境地帯に有刺鉄線(約4m高)を張り巡らすことは、人道的見地からは許しがたいことだとの見方もあります。(密航の費用を吊り上げる理由にもなると・・・)

上の写真にもあるように、国境を越えたところで逮捕されて絶叫する父親(?)の悲痛な表情は、諸事情がわからないにしても何とか助ける必要があるのではないかと思わせるものがあります。

シリア以外のアフガニスタンや、アフリカの各国からも発生しているようですが、緊急性の高い地域から優先して国連・国際マターとして取り組むべき内容でしょう。


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民主的である筈の先進諸国は、その可能な範囲において、手を差し伸べる必要があると思います。思うに、日本においては、戦争準備ではなく、国際紛争に際しての治安維持や医療支援・復興支援・農業産業振興支援・・・、こうした面での法整備や体制整備を行うべきでしょう。そして、国防の観点では「専守防衛」のスタンスでのみ備えておくことが肝要でしょう。

そうしたことを考えると、あれもこれも一括して、しかも、アメリカの要望に全て応えるかのような現在の安保法制の制定には無理があって、道理も通らないのです。政府与党が「対案」を出せと言っているようですが、そもそも違憲のものは廃案・撤回しかなく、必要なもののみは時間をかけて法整備等をすべきでしょう。これが正論です。

多分、必要なものに限って法整備をするのに、2~3年は必要なのではないでしょうか。少なくとも、安倍の考える、切れ目の無い=何でもできる・歯止めの無い法案で、且つ、兵器・軍需産業や原発産業を後押しするような目論見があるような法案(違憲)は撤回しなければなりません。


望ましいエネルギーミックス(再生可能エネへのシフト)や、各国の食糧自給率を高めたり、基本は地域でのエネルギー自給や地産地消的なところに置きながら、不可能なものについては、国際流通するような産業構成・分担を目指し、且つ、各地・各国の守るべきそれぞれの文化が活かされる社会・世界が望ましいのではないでしょうか。

こうしたあるべき姿に向って、各国が協調して話し合える外交関係を構築することが、日本の戦争体験を活かした主軸方針であって欲しいものです。(どうやって国民を守るんだ・・・と言って、集団自衛権を容認する人がいるようですが、その考えでは戦争を繰り返すだけなのです。そうしたことがわかっていないようです。または、わかっていたと仮定すると、戦争企業家の類ということになるでしょうね・・・いずれにしてもボロ人間です。)