映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『マーゴット・ウェディング』

2008年10月18日 | Weblog
よい

ノア・バームバック 監督
ニコール・キッドマン、ジェニファー・ジェイソン・リー、ゼイン・パイス、ジャック・ブラック、ジョン・タートゥーロ、フローラ・クロス、キアラン・ハインズ 出演

性格に問題大アリ姉妹の物語。
ノア・バームバック監督の前作『イカとクジラ』の続編的、姉妹編的な存在としてもとらえることができる。

わたしは西川美和監督の『ゆれる』を評したときに、「地縁・血縁のどろどろした部分の描き方が、あくまでも都会人からみたもので、あっさりしすぎていて田舎に住む者としては、ものたりない、というか納得がいかない」と書いたが、そのどろどろした部分を思いっきり強調して、作品として成立するギリギリのところまで突き詰めるとこのような作品(本作)になるのではないかと思った。

『ゆれる』のわたしの記事
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/265eb50d03b67459a3d3f77fdd5f6402


家族の見苦しいところ、信じられないところ、醜いところのオンパレードになっている。言うなということをすぐに息子に話してしまう姉、姉の欠点を姉の息子に話してしまう妹、妹の部屋をあさる姉、結婚相手のトラウマを姉にあっさり話してしまう妹。なぜそういうことをするのかというと、「血がつながっているから」としか説明できない。

アマゾンなどではこの作品をハートウォーミングコメディとして説明されているようだが、コメディ要素はあるにせよ家族の醜さを意識したドラマくらいのものだろう。

木が象徴的に使われている。木が家族の体系、血のつながり・過去からの進化を示す樹形図のようなものとして表現されているのではないか。
だからこそ枝の先端で行き詰ってしまう姉とか、木を切断しようとしてこっぴどい目にあってしまう恋人とかが活きてくる。

『イカとクジラ』と同様にこの作品でも特に救いはない(笑)。たんたんと問題が提出され、それに対応した各家族の表情が描かれているだけである。

『イカとクジラ』のわたしの記事
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/116b99e364b5f7653db0e65fb60ebf13


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