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「週刊文春」の表紙が9月11日号から変わるとのことです。この表紙は1977年5月からイラストレーターの和田誠さんが担当していて、2019年10月に和田さんが亡くなられて以降も、以前載せたことのある絵を使用し続けてきていたのでした。しかし、この度の8月28日号が和田さんのイラストの表紙の最終号となり、9月4日号の表紙には「和田誠さん、48年間ありがとうございました。来週から表紙が変わります」と記されています。
和田さんの絵やイラストに魅了されてきた一人として、半世紀にわたって続いてきた和田さんのイラストの表紙がついに終了してしまうことは大変残念に感じます。同時に没後6年もの長きにわたって和田さんの絵が表紙として生き続けてきたということは、和田さんならではであり改めて存在感の大きさを感じています。
私自身は、和田さんについては絵のみならず妻の平野レミさんが語る和田さんのエピソードによって、さらに魅了されていました。レミさんがトーク番組で何度か紹介していたのですが、和田さんは1日の仕事を終えて帰宅すると、レミさんに「今日も楽しく絵が描けた」と嬉しそうに語っていたということです。このように、1日の仕事を終えて「楽しかった」と言い続けられる人は、そうたくさんはいないのではないでしょうか。
これに関連して、リクルートが2013 年より毎年、全国の就業者約 5,000 人~12,000 人を対象に実施している「働く喜び調査」というものがあります。この調査によると、2013~2023年の11年間の調査を通して見えてきたこととしては、働く喜びを必要とする人が毎年約8割以上いるにも関わらず、実際に「働く喜び」を感じているという人は約4割にとどまるということです。働く喜びを必要としている人のうち、半数以上の人が働く喜びを感じられていないという結果であり、まだまだ課題の多い状況であるということのようです。
こうした調査からも「仕事が楽しいと感じること」や「働く喜びを感じる」ということはそう簡単にできるようなものではないということがわかりますが、この調査は企業に雇用されている人が中心であると考えられることから、和田さんの場合と直接比較できるものではないのだろうと考えます。
とはいえ、和田さんのように少しでも仕事を楽しいと感じられるようにするためには、私たちはどうすればよいのでしょうか。それにはいろいろな考え方があるかと思いますが、まず言えるのは「楽しさ」は与えられるものではなく、自分の関わり方次第で見出すものだということです。
具体的には、仕事のすべてが好きというわけではなくても、自分の得意分野や興味を活かせる部分を見つけること。また、仕事では課題やトラブルが生じるのは常のことですが、それを困難と捉えるのではなく、新たな工夫をするチャンスと考えたり、上司や顧客からの指示を待つのではなく自から提案して裁量を広げたりすること。さらに様々な人間関係(上司や同僚・取引先との関係)を負担と考えるのではなく刺激として捉えたりと、前向きに考え取り組むことで、仕事の中に楽しさを見出していくことができるのではないかと思うのです。
こうした地道な心掛けによって、仕事は楽しいと感じるようになっていくことも可能になるのかもしれません。まずは、自分自身に「あなたは自分の仕事が楽しいと感じていますか」と問いかけることから始めてみませんか。