中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

360度評価は時間とお金の無駄である

2013年11月29日 | コンサルティング

360度評価とは人事考課における評価方法の1つで、上司、同僚、部下などあらゆる角度からその人物を評価する手法です。

あるビジネスパーソン向けのホームページに、360度評価についての解説がありましたので以下に簡単にまとめてみました。

「人事考課では、評価結果が評価者の先入観や価値観に多少なりと影響されることになります。これを回避するために、上司だけではなく同僚や部下、他部門の関係者などが多面的に評価を行い公正性を高めようというものです。現在、多くの企業で導入されている評価方式であり、人事考課だけでなく人材育成や組織活性化などに活用されています。」

私(平野)の個人的体験から申し上げますが、360度評価を採用した企業のほとんどは「失敗」を暗に、あるいははっきりと認めています。私に言わせれば、360度評価は百害あって一利なし、時間とお金の無駄です。

その理由を簡潔に表現するならば、「他者を評価したことがない素人が、寄ってたかって他者を評価する」からです。

「いや、質問項目はバイアスが生じないような表現になっているし、感情的な判断は一切しないようにしっかりと伝えている」という声が聞こえてきそうです。

その点に関しては「だから、百害なのです」とお答えしておきます。

360度評価直後、職場のメンバーは新たな自分に気づき、マイナスの評価については改善しようと行動します。「お互いの強み、弱みへの理解」「気付いたことへの感謝の気持ち」「コミュニケーションの活性化」などの効果が現れます。

ところが、1ヶ月もするとこうした効果も次第に薄れていきます。

さらにまずいことに、職場内の「ちょっとした感情的な行き違い」が大きく増幅されてしまいます。

「ああ、やっぱりあの人は感情的なんだ」、「相変わらず幼児性が抜け切っていないな」などと無意識のうちに分析的に他者を判断してしまうのです。   つまり、 評価される側ではなく評価する側」が360度評価の本当の被害者というわけです。

こうした状態は、職場にコミュニケーション不全を起こす原因になります。

ですがご安心ください。こうした「エセ分析家」の傾向も数ヶ月すると薄れて無くなってしまいます。自然治癒ですね。

結局、後に残ったのは360度評価に費やした無駄な時間と労力、そして調査会社への支払いだけです。

(人材育成社)

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。