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第1,068話 あなたには何人の部下がいますか

2021年10月27日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「管理職として、何人くらいまで部下の指導ができるものでしょうか?」

これは弊社が管理職研修を担当させていただいた際に、たびたび受ける質問の一つです。

経営学の用語の一つに、スパン・オブ・コントロール(Span of control)」という言葉があります。もともとは軍の編成・組織構成において用いられていたものですが、一人の管理職が管理できる部下の人数や業務領域のことを言います。

では、管理職が管理できる部下の人数は実際のところどれくらいなのでしょうか?業務内容や部下の業務のレベルによっても大きく異なりますので、一概に何人ということはできませんが概ね4~8人、多くても10人くらいと考えられるのではないでしょうか。

たとえば、部下がルーティンワークでマニュアルにしやすいような仕事をしているのであれば、対応可能な人数は比較的多くなります。一方、複数人で課題解決をするプロジェクトのような仕事であれば、少人数でないと管理することは難しいと言えます。

それでは、管理職として部下の人数が適正数を超えてしまうと、どういう問題が起きてしまうのでしょうか?

仕事の内容によって異なりますので、必ずしも一概に言えるものではありませんが、部下とのコミュニケーションの量が減ることになるため、まず個々の部下の状況を把握することは難しくなります。その結果、部下の仕事の進捗状況が把握しにくくなるため、思わぬトラブルに発展してしまったり、部下の目標進捗状況や評能力開発が予定通りに進まず、部下のモチベーションが下がってしまったりというようなことが起きてしまいます。

弊社が担当する管理職研修では課題の一つとして、部下の目標を設定していただくことがありますが、やはり部下の人数が少ない人の方が具体的な目標を設定することができています。逆に、大勢の部下を抱えている管理職は一人一人の部下に接する時間が少なくなる分、どうしても目標があいまいなものになってしまうのはやむを得ないことだと思っています。

一方で、大勢の部下を指導している管理職の下にいる部下の側からは、上司との接点が少ないことから「上司から放置されている」と感じてしまうことがあるようです。また、管理職があまりにも忙しそうにしていることから、部下の方から話しかけたり相談したりするタイミングをつい逸してしまい、結果として部下が抱えている問題がそのまま放置されてしまうことになってしまうこともあるようです。

テレワークが積極的に活用されるようになった現在、対面で仕事をしていた時と比べて管理職が部下と接点を持つ機会は減っています。それゆえに若手社員の中には上司との意思疎通に不安を感じる人が増えていると言われています。

テレワークの活用は今後も続くでしょうし、業績にもよりますが組織の人数は減ることはあっても増えることはなかなかないのではないかと考えられます。スパン・オブ・コントロールを超えていると感じている管理職の方は、この機会に権限委譲できる仕事は部下に任せたり、自分の参謀役を育てたりするなどの手を打ち、積極的に部下とのコミュニケーションを確保することを心がけていく必要がありそうです。

コロナ禍で期せずして仕事の進め方が変わってきている今だからこそ、管理職が忙しそうで声をかけられないという状態を見直す良い機会として、生かしていくことが求められます。

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