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段取り八分って何ですか?

2018年09月26日 | コンサルティング

「段取り八分」、皆さんはこの言葉の意味をご存知でしょうか?

弊社が行う仕事の生産性向上を目的とした研修では、仕事の段取りの立て方を説明することが頻繁にあります。

以前はそこで当たり前のように「段取り八分」という言葉を使っていたのですが、年代に関係なくこの言葉が今一つ認知されていないことがわかってからは、先手を打って、はじめに「段取り八分」の意味を説明しています。

「段取り」とは、「ことが上手く運ぶように事前に準備をする」ことです。また、「段取り八分」とは、「仕事の段取りがしっかりできたら、仕事の8割位は終わったと言える」という意味です。

この語源は歌舞伎の楽屋用語で、段取りの段とは話の区切りや一幕のことで、芝居の筋や構成することを「段取り」と表現したことが始まりと言われています。(手語源由来辞典による)

実際、これまでの私の経験上、仕事が予定通りに進んでいる人や納期に遅れたりすることがない方ほど、しっかり段取りをしていると感じます。特に、長期にわたって取り組むプロジェクトなどであれば、段取りの有無が仕事の成否に大きく影響すると言っても過言ではないはずです。

そして、仕事の大小にかかわらず段取りをきちんとしている人は、当たり前のように段取りそのものも仕事の一部としてとらえているように感じています。反対に仕事が予定通りに進んでいない人ほど、「段取りの重要性は理解しているけれど、こんなに忙しいのだから、段取りをする余裕はない」などと言う人もいます。

そもそも段取りとは実際に行うべき仕事の一部であり、決して余分なものではないはずですが、その真意がすぐに伝わらない人がいるのも事実です。実際、日々の業務や残業に追われている人ほど、実はこの段取りを立てていないことが少なくないのは、何とももったいないと感じています。

仕事の生産性向上が求められている今、そのためにいろいろな取り組みを行っている人も多いとは思います。しかし、もし、今の仕事の進め方が段取りをきちんと立てていないのであれば、まずはそこからはじめてみてはいかがでしょうか。

段取りを立てて仕事に取り掛かってみると、何もしないよりも確実に早く、無駄も少なく進められるということを、きっと実感していただけるはずです。

「忙しくて、段取りを立てる時間もない」と思っている人は、だからこそ一度、段取りを立てることにトライしてみてください。段取りを立てることに要した時間より、より多くの時間を節約できたことにきっと気づいていただけるはずです。

ところでこの「段取り八分」という言葉、広辞苑他、国語辞典を何冊(小学館、角川、三省堂、岩波・・・などなど)も調べてみましたが、確かに意味が載っていませんでした。

そうであれば、弊社はますます力を込めて「段取り八分の伝道師」を目指したいと考えています。

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