中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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お客様のニーズとは何でしょう?

2016年12月18日 | コンサルティング

「売れないのは自分のせいじゃない。商品に魅力がないからだ!」営業職を経験したことがある人なら一度や二度、そう思ったことがあるはずです。このセリフ、成績の悪い営業担当者が口にしそうです。反対に優秀な人なら、まずそんなことは言いそうにありません。

「売れる・売れない」は、商品の魅力だけで決まるものではありません。ある商品が、どう考えてもお客様のニーズに合わないとしたら、その商品は売れないし、売るべきではないでしょう。営業の目的は、お客様のニーズに合った商品を売ることです。

ところが、「ニーズがあろうがなかろうが、たとえば川原の石ころだって売ってみせるのが優秀な営業だ!」と思っている人がいます。しかも、世の中にはそう言ってはばからない人が結構多いのです。

今あなたが「石ころ販売株式会社」に入社したとします。
「どんな石でも根性があれば売れる!気合だ!」
そう営業部長に大声で言われて、車に石ころをたくさん積んで外回りに出されました。
渡された訪問先リストを見ると、大企業から商店、個人宅までが一覧になっています。
「最高級の石ころをお持ちしましたので、お時間をいただけますでしょうか。」
片っ端から訪問してはそう言ってみましたが、すべて断られてしまいました。
どうやら石ころのニーズは皆無のようです。
帰社して営業部長にそのことを伝えると「ニーズは必ずある!」と一喝されてしまいました。
そこであなたは営業部長に質問しました。
「ニーズって何ですか?」
するとこういう答えが返ってきました。
「知らん。売れたならニーズがあったということだ。」

必要としない人に必要としないものを売ろうとするのは、押し売りです。強引にやれば強要罪になりかねません。営業活動は、押し売りでもなければ犯罪でもありません。

お客様のニーズとは、潜在的であっても、それが満たされることでお客様が利益(benefit)を得ることができるものです。それが金銭的なものであれ、精神的なものであれ「利益」でなければなりません。

「売ることが営業の仕事だ」というのは、あくまでもお客様の利益がわかった上で口にすべきセリフです。

お客様にとっての利益とは、具体的に何でしょうか。
売ろうとしている商品はそれを実現できるでしょうか。
お客様にそのことを正しく伝えることができるでしょうか。

こうしたことを常に考え続けているのが「優秀な営業」なのです。

(人材育成社)