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IoTからROEへ

2016年06月12日 | コンサルティング

最近話題のIoT(Internet of Things)は「モノのインターネット」と言われています。機械に限らず様々なモノ同士がインターネットにつながることで、今まで生活の中には存在しなかった利便性が生まれます。

例えばビルや道路、橋梁などインフラを構成する構築物にセンサーと通信機能を付ければ、経年劣化や地震による崩壊を事前に防ぐことができます。また、すでに家電の一部ではスマホで家のエアコンを制御したり、冷蔵庫の中に何が入っているのかを確かめたりできるようになっています。

このように、身の周りのあらゆるモノがインターネットにつながることで新しい市場が次々と生まれ、経済も活性化していくだろうと言われています。

このようにIoTは商売のネタになりつつあります。そこで多くの企業がIoTに投資し、市場はますます拡大して行きます。

先日、大手銀行のある方とお話をする機会があり、IoTが話題になりました。

その方は「これからIoTに投資するとしたらどの会社が良いですか?」という質問を私にしました。

「研究分野では大手家電メーカーが最先端ですが、センサーやアクチュエーターを使った制御技術に強い産業機器メーカーや電子部品メーカーが良いのでは?」と私。

「なるほど、A社やO社、K社あたりですね。サービス産業に比べるとまだROEが低めですね。今のうちに出資できそうなところを探してみますか。」

ROE(Return on Equity)とは自己資本利益率のことで、株主が出資した資本(自己資本)に対する利益の割合のことです。計算式は、当期純利益÷自己資本(純資産から新株予約権、少数株主持分を指しい引いたもの)で、投資対象としては10%以上あれば日本では優良株です。

多くの投資家たちは企業を「Cash-Generating Machines」すなわち現金生成機械と見ています。ROEはその機械(企業)の儲け具合を判断する最も重要な指標です。

「投資の神様」として知られるウォーレン・バフェット氏も、ROE15%を目安にしていると言われています。

IoTが注目されるにしたがって、新たな利益を目指してお金が市場に流れ込んできています。これからは、小さな企業やベンチャービジネスにも投資マネーがたくさん入ってくるでしょう。

IoTもエンジニアの手から投資家の手に渡りつつあります。

では、IoTはどのくらい人々の生活を豊かにするのでしょうか?

医療や福祉、社会インフラに大きな進歩をもたらす可能性は大きいと思います。

しかし「生活の質」がどう変わるのか、私にはいまひとつ読み切れません。

先日エアコンを買い替えたのですが、たしかに賢くはなっているようでした。

※画像は2000年に日本の会社がサンフランシスコの展示会で使用したものの一部です。

(人材育成社)