日々の覚書

MFCオーナーのブログ

ジェフ・ポーカロ・セッション・ワークス

2008年09月20日 23時11分48秒 | 音楽ネタ

いえ、そういうタイトルのCDが出てるのは知ってます(汗)。これですね。ただ、今回は僕の持ってる中から、ジェフ・ポーカロのセッション参加作を拾ってみよう、という企画でして^^;

例の“Tribute To TOTO & Jeff Porcaro”の直後に、このネタであればタイムリーなんだけど、あれやこれやで遅くなってしまった(笑) ジェフ・ポーカロといえば、TOTOでの活動以外にレコーディング・セッションも数多くこなし、誰でも知ってるようなアーティスト(アルバム)はもちろん、かなり意外な人の作品に参加していたりもする。TOTOセッションなどでお題になるのは、やはり有名どころが多いが、それ以外でもなかなか捨てがたいプレイもあるので、そういうのも合わせて何枚かピックアップしてみた。

Katy Lied/Steely Dan
何故か、TOTOセッションではお題にならないスティーリー・ダンだが(笑)、このアルバムは名盤である。個人的には最高傑作と思っている。で、若き日のジェフ・ポーカロ(多分、20歳くらいでは?)は、一曲を除いて全曲に参加し、実にタイトなプレイを聴かせている。というか、ジェフのプレイ・スタイルとスティーリー・ダンの音楽性は、とても相性がいい。ジャズの要素も取り入れてはいるものの、かなりロック寄りだしね。ルーズでもファンキーでもなく、タイトでジャストなジェフのスタイルにはピッタリだ。つーか、そこを見込んで、スティーリー・ダンはジェフを採用したのだろう。ま、とにかく、ジェフのファンでなくても一聴をお薦めします(笑)

Down Two Then Left/Boz Scaggs
このアルバムと、前後の『Silk Degrees』『Middle Man』を合わせて、勝手にボズの三部作と呼ばせて頂くが(笑)、その三部作の中では本作が一番出来が良いと思う。ボズ・スキャッグス=オシャレなAOR、というイメージが最も似合うアルバムとも言える。このアルバムでは、ジェフは全曲に参加、当時(1977年頃)のトレンドだった、フュージョン的プレイを随所で聴かせる。ちょこちょこと16を混ぜるハイハット、リムショットの多用、スネアの代わりのタム、ハイハットのオープン・クローズを混ぜ込んだフィル等々、さりげない小技がたっぷりと堪能できる訳だ。8ビートから脱却したいドラム小僧たちは、こぞってマネしたのではないかな。僕も一時期そうだったけど(笑)

RIT/Lee Ritenour
A面にエリック・タッグをフューチャーした歌もの、B面はインストという構成のアルバムだが、白眉はなんといっても、A-1の「ミスター・ブリーフケース」であろう。この一曲の為にアルバムを買っても決して損ではない、というくらいカッコいいのである。で、この曲に参加してるのが、リー・リトナー、エリック・タッグを除くと、デビッド・フォスター、デビッド・ハンゲイト、そしてジェフ・ポーカロであり、顔ぶれを見ても想像つく通りの都会的AOR。もし、TOTOファンで、この曲聴いた事ない人がいたら、明日買ってくるように(爆) このアルバムには、他にハービー・メイソンらが参加しているが、その軽やかなプレイと比較すると、ジェフとの違いが分かって面白い。

Jump Up/Elton John
ご存知エルトンの1982年のアルバムだが、全曲ジェフが叩いているなんて、意外と知らない人も多いと思う。僕も、LP買ってクレジット見た時、ちょっと驚いた(笑) しかし、いいプレイしてますよ。アルバム自体もエルトン起死回生の名盤だが、全編に漂う若々しさというか活力は、やはりジェフのドラムによってもたらされたものではないか、と本気で思う。ま、このアルバムに至るまでの4~5年のエルトンは、ミョーに脱力したような感じだったから、余計に本作の勢いの良さが目につくのだろうけど(笑)

Meanwhile/10cc
1992年に発表された、10ccの再結成第一弾アルバム。ジェフは全曲に参加。再結成とはいえ、相変わらずエリック・スチュワートとグレアム・グールドマンの二人だけだが、久々に曲も粒よりでバラエティ豊か、ジェフの参加によりサウンドも強化されて、なかなかの好盤である。オープニングを飾る「ウーマン・イン・ラブ」のスライドは絶品です。ジェフ自身は、目立つ事はしてないけど、要所を押さえて、見事なサポートぶり。さすがです。確か、このアルバムが出て2~3ヶ月後にジェフは亡くなったはずで、セッション作としては生前最後ではなかろうか。

Living Eyes/Bee Gees
前評判の割りには売れなかったけど(笑)、ビージーズの隠れた名盤である。なんと、このアルバムには、ジェフの他、スティーブ・ガッド、ラス・カンケルも参加しており、実に珍しいジェフとガッドのツイン・ドラムの曲まである(笑) ま、ガッドが自分の参加曲で凄いプレイをしてしまっているので、それと比べるとジェフのプレイは地味かな^^; ビージーズ特有の変拍子は、さすがに上手くこなしてるけど。余談だが、ジェフは後に、ビージーズはやたらと注文が多くてうるさい、と言ったとか言わないとか(笑) ビージーズにとっては不名誉な作品のせいか(笑)、現在では入手困難なのが残念。

Extensions/The Manhattan Transfer
ジェイ・グレイドンのプロデュースで、ポップ市場にも進出して、成功を収めたマンハッタン・トランスファーであるが、このアルバムからシングル・カットされた「トワイライト・トーン」のドラムがジェフである。派手な事はやってないが、いかにもジェフと言わんばかりの、グッとくるプレイがよろしい。ブレイクの後のフィルの切れ込み具合とか、ほんと絶品である。単純なようだが、ジェフならでは、である。ついでに言うと、この曲でのグレイドンのギター・ソロも実にお見事。

Repeat Offender/Richard Marx
ベスト・セラーとなったリチャード・マークスの1stには、トム・キーンなど、いわばTOTOの弟分みたいな連中が参加してたので、その繋がりでジェフとスティーブ・ルカサーが呼ばれたのか、この2ndアルバム一曲目の「ナッシン・ユー・キャン・ドゥー・アバウト・イット」に、この二人が揃って参加している。ソリッドでいかにもウエスト・コーストらしいハード・ロック曲で、ジェフもルカサーも実に余裕のプレイ。アルバムの中でも、出来の良い一曲と言える。

Another Page/Christopher Cross
デビュー・アルバム『南から来た男』が大ベスト・セラーとなり、グラミーの主要4部門を制覇したクリストファー・クロスが、満を持して発表した2ndである。個人的には、いいアルバムだと思うんだけど、1stがヒットし過ぎたせいか、あまり評判良くなかったような記憶がある。本作からの第一弾シングル「オール・ライト」に、ジェフとルカサーがまたもや揃って参加(笑) 二人とも、的確なプレイでナイス。

PM9/矢沢永吉
我らの永ちゃんは、一時期ウエスト・コーストで、元ドゥービーのジョン・マクフィーやボビー・ラカインドらとアルバムを作っていたが、このアルバムには、ジェフとルカサーの他、アンドリュー・ゴールドやニコレット・ラーソンも参加してたりなんかして、正にウエスト・コースト・オールスターズって感じ(笑) しかし、本作は全曲永ちゃんのオリジナルで、全て日本語詞であり、そのせいか実に気合の入ったロック・アルバムとなった。タイトな演奏をバックに、永ちゃんのボーカルが熱い。

と、まぁこんな感じ。興味持った人は、是非聴いてみて下さい(笑)

それにしても、こうして並べてみると、ジェフも幅広くセッション参加してるようだけど、音楽的には、さほど節操なく何でもやる、という感じでもない。やはり、名前だけでなく、自分の音楽との相性を考慮し、作品の完成度をより高めてくれるドラマーとして、ジェフが呼ばれたという事なのだろうと思う。上記の作品たちは、全てジェフを呼んだことがプラスに作用している。ま、未聴だけど、ジェフを呼んだ意味が全然ない、という作品も少なからずあるらしい。これは、ジェフが悪いのではなく、楽曲もプロデュース・ワークもレベルが低く、結果的にいいミュージシャンを使っても駄作は駄作、というアルバムらしいけどね。ま、ジェフに限らず、一流を呼ぶなら、一流の曲を用意しないとダメですよ、という事か(笑)

コメント (15)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする