日々の覚書

MFCオーナーのブログ

九月の雨

2008年09月11日 23時14分25秒 | 音楽ネタ

前々から思ってたんだけど、九月の歌って少ないような気がする。そりゃ、アース、ウィンド&ファイアの「セブテンバー」とか、竹内まりやの「セプテンバー」とか、有名な曲は確かにあるけど、この2曲共九月じゃなくてセプテンバーだし(なんのこっちゃ)。

そんな中で、僕が思い出す“九月の歌”といえば、もうこれしかない。

九月の雨/太田裕美

掛け値なしの名曲である。大田裕美には、この曲以外にも名曲がたくさんあるのだが、やっぱり「九月の雨」は名曲である。九月=雨、というイメージはあまりないのだが、この曲を聴いてると、あたかも自分が冷たい雨に打たれているようで、儚さや切なさが込み上げてくる。大田裕美という人は、決して上手い歌手ではなかったけど、この曲は彼女が歌うからこそ、その切なさが沁みてくるのである。言っちゃ何だが、もっと上手い人、例えば岩崎宏美とかが、この曲を歌ったとしたら、こんな儚い名曲にはならなかったのではなかろうか。いや、それ以前に、筒美京平が太田裕美以外の歌手に、この曲を歌うことを許さなかったに違いない。

そう、この曲を作曲したのは、昭和歌謡界が誇る職人、筒美京平である。しかし、「九月の雨」と聞いて、筒美京平を思い出す人は稀だろう。この曲は、あくまでも太田裕美の曲なのである。そこに筒美京平の凄さがある。こんな名曲を作れるのは筒美京平しかいないのに、その曲は歌った歌手のものとなる。そこに僕は職人魂を感じる。歌は永遠に歌手と共に生き続ける。人々は、作曲した人の名前など知る由もない。しかし、「九月の雨」は名曲として、聴き継がれていく。作曲者にとっては、何者にも代え難い歓びであろう。しかも、この曲は数ある筒美京平の名曲の中では、比較的フツーのレベルであるのだ。なんて、凄い人なんだろう。

September rain、九月の雨は冷たくて...

コメント (7)
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