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日々の覚書

MFCオーナーのブログ

エルトンとオジー

2025年08月24日 13時55分56秒 | 音楽ネタ
この夏は訃報が多いような気がするが、6月にラロ・シフリンが亡くなっていた、というのを最近知った。享年92歳。知らなかった事も含めてショックである。謹んでご冥福をお祈り致します。

ラロ・シフリンと言われても、名前すら知らないという人は多いと思う。アルゼンチン出身の音楽家で、主に映画音楽の分野で注目された人だ。代表作はなんといっても、あのブルース・リー主演の『燃えよドラゴン』でしょうね。タイトルではピンとこなくても、曲を聴けばほぼ誰もが知っている(聴いた事ある)のではなかろうか。あと、テレビだけど『スパイ大作戦』のテーマ曲も有名。元々ジャズ系の人のようで、上記作品の他『ダーティ・ハリー』『ブリット』『危険がいっぱい』あたりが割によく知られていると思うけど、それらの作品で感じられるクールでオシャレな雰囲気が非常にカッコ良く、僕もそこいらに魅了された口である。ラロ・シフリンを知ったのは、まだ僕が小6か中1の頃、その年代の小僧を虜にするには、ラロ・シフリンの音楽はあまりにカッコ良すぎた。ほんと、惜しい人を亡くしたものと思う。合掌。

で、いきなりだが、最近買ったCDから。



僕がエルトン・ジョンを初めて見たのは、1995年2月12日、場所は日本武道館だったが、実はその時のフォーマットが、エルトンの弾き語り+レイ・クーパーという、2人だけで行うもので、要するに今回発売された発掘ライブ盤のフォーマットと同じなんである。このフォーマットでも、結構エルトンはコンサート活動をしており、随分前に発掘・販売されたモスクワでのライブ盤も、エルトンとレイ・クーパーの2人によるものだ。ちなみに、モスクワのコンサートは1979年5月、今回のレインボーのは1977年5月に行われたもので、実はこの2人ライブ、かなり前からやってたのだ。全く知らなかった(恥)

という訳で、エルトン+レイ・クーパーによる弾き語りライブ盤なのである。悪かろうはずがない。1995年の武道館もそうだったし、モスクワのライブ盤を聴いても感じたけど、エルトンの弾き語りって、ただ歌うだけではない。歌のない部分でも、そのピアノは実に雄弁である。ピアノのソロだけでも、これだけ観客を惹きつける事が出来るポッフスターは、今も昔もエルトンくらいなのではないか。ここにレイ・クーパーのパーカッションだ。それだけで十分。約2時間のステージなんて、あっという間に過ぎてしまう。実に素晴らしい。エルトンの声も歌い方も若いし(笑)

このエルトン+レイ・クーパーによるライブは、70年代から何回か行われていたようで、来日公演でも1995年だけでなく、2007年の時もエルトンひとりによる弾き語りライブだったらしい(日本のみだったとか)。2007年は、エルトン来日は知ってたけど、都合がつかず行けなかったので、全く知らなかった(恥) 

エルトンのようなタイプのミュージシャンの場合、ピアノ弾き語りでコンサートを行うというのは、一種原点回帰のようなものだと思う。今回のレインボーでのライブは、1977年という事でまだまだ絶頂期、大会場でバンドを率いてのコンサートが普通だったと思うのだが、ここでピアノ弾き語りというのは心機一転の意味合いもあったのだろうか。絶頂期とはいえ1977年は分岐点と言えなくもないし...とはいえ、エルトンの素晴らしいパフォーマンスが楽しめるので、このレインボーでのライブ盤は文句なし。選曲も、ヒット曲は少ないけど、実に渋い曲が並ぶ。1995年でも披露してた「驚きのお話」「トゥナイト」「アイドル」「僕に迫る自殺の誘惑」あたりが、この頃既にセットリストに入っていた、というのはちょっとした驚き(笑) 個人的には、本作にも収録されてて1995年にも歌ってた「ティッキング(母さんの言葉)」が感動的だ。何故か、この曲好きなのである。いつ聴いても涙してしまうくらいの名曲なのだ、僕にとっては(笑) あと、「さすらいの弾丸」「聖ペテロよ、私はこれからどこへ」「ダン・デア」といったコアな選曲も嬉しい。

やっぱりエルトンはいいな^^

続いては、



なんか、最近オジー・オズボーンの事ばかり書いてる気がするが(笑)、やはり訃報に接して、オジーをちゃんと聴いてみようと、昔カートに入れたままになっていたCDを注文したのである。それがこれ。1stもカートにあったのだが、何故2ndにしたのかというと、単純に「オーバー・ザ・マウンテン」が聴きたかったからだ(笑)

という訳で、改めてちゃんと聴いてみたのだが、良いですねぇ。とにかくキャッチーで分かり易くてカッコいい。以前にも言ったけど、僕はブラック・サバスはほとんど聴いてないので、曲も知らないのが多いだが、そのイメージと比べると、本作はほんと分かり易い。曲自体には、おどろおどろしいとか暗いとかのイメージもないし、ジャケットもギャグみたいに見える(笑)けど、ランディ・ローズはやっぱり凄いし、どの曲もリフがカッコ良く、キャッチーなだけでなく、ドラマティックな構成の曲もあるし、けどコンパクトにまとめていて、実に素晴らしい仕上がりだ。なんというか、LP時代ならではの作り、という気もする。あの頃、僕は20歳そこそこだったけど、今にして思えば、オジーをちゃんと聴いてれば、たぶん夢中になってただろう、と思う。惜しい事をしたなぁ(笑)

2~3日前、テレビ神奈川で放送している『Billboard TOP 40』を見てたら、オジーの曲が再びチャートに登場していた。「Crazy Train」と「Mama I'm Coming Home」の2曲である。「Crazy Train」は耳タコだが(オジーのオリジナルより、アマチュアのコピー聴いた回数の方が多いかも。笑)、よく知らない「Mama I'm Coming Home」は良い曲だなぁ、と思った。PVもなかなかでオジーもカッコいいし。残した作品の素晴らしさ、そして劇的な最期もあり、オジー・オズボーンが今再評価されるのは当然と言える。他も色々聴いてみよう。今さらだけど^^;

やはりオジーも凄い人だった。合掌。
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愛なき世界 -Loveless-

2025年08月16日 21時17分03秒 | 音楽ネタ
それにしても、今年の夏はどうなっているのだ? 猛暑かと思えば次は大雨。随分前からではあるが、日本の気候はおかしくなってるな。この先どうなってしまうのかと思うと心配だ。お前は先が見えているのだから、未来の事など気にならないだろ、なんて言われそうだが、気になるものは気になるのだ。仕方ない。

とにもかくにも、被害に遭われた地域の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

閑話休題。

先月惜しまれつつ亡くなったオジー・オズボーンだが、アマゾンでオジーのページを見ると、旧作がよく売れてるようで、”過去1ヶ月で100枚以上出荷されました”などとコメントされてるのが多い。やはり、追悼の意を込めて購入する人が多いのだろう。気になったんで、6月に亡くなったブライアン・ウィルソンやスライ・ストーンも見てみると、オジーと同じような状況になってて、ビーチ・ボーイズなら『ベット・サウンズ』、スライなら『フレッシュ』『暴動』といった、いわば代表作が、”過去1ヶ月で100枚以上出荷されました”となってる。ま、当然でしょうね。改めて、故人を偲びつつその業績を振り返り、残された作品の素晴らしさを再認識するのは良いことだ。いい供養にもなるし。

で、そのオジーなんだけど、当ブログのコメント欄でかがみさんが教えてくれたのだが、オジーとエルトン・ジョンが共演してる曲があるそうで、僕も全然知らなくてお恥ずかしい^^; で、その曲がまた良い曲なのである。ご存知の方も多いと思うけど、ここに紹介させて頂きます。

Ordinary Man/Ozzy Osbourne ft. Elton John

結構ジーンときます(笑)
かがみさん、ありがとうございました。

という訳で、最近買ったCDから。



以前、90年代ロックからの流れで”シューゲイザー”をネタにしたが、そのシューゲイザーの代表的名盤と言われているのが本作である。今さらながら聴いてみたいと思っていたのだが、ようやく入手した。さすが名盤の誉れ高いだけに、中古も意外と高額だったのだが、色々探した結果、リーズナブルな価格で入手する事が出来た。ま、時間かかったけど(笑)

で、聴いてみると、ある程度予想はしていたが、それ以上だったとも言える。ノイジーなギターにポップなメロディ、というのがマイ・ブラッディ・バレンタインの特徴と聞いてたけど、確かにギターありきのサウンドではあるが、決してノイジーなだけではない。歪んだトーンやクリアなトーンを自在に使い分け、これギターなの?と思ってしまうような音も組み合わせながら、一種独特の世界が構築されている。ボーカルやドラムの音が引っ込み気味なのもあり、そのギターによる音世界がより強調されている感じ。個人的には初めて接する世界のような気がする。実際、家で聴いてたら、妻に「いつも聴いてるのとかなり違う」と言われてしまった(笑)

音世界は独特だけど、音楽性はオーソドックスと思う。表現の仕方が斬新なだけ。だから、ちょっと変わってるなぁなんて思いながら、最後まで聴けてしまうのだ。僕も、90年代半ば頃、主にイギリスのビート・バンドというかギター・バンドの類をいくつか聴いてみたけど、とても観念的な感じのが多くて馴染めなかった、という経験をしてるが、マイ・ブラッディ・バレンタインについては、そういうのはない。つまり、音楽性も奇を衒ってないし、ギターサウンドも多彩なんで、聴きやすいのだ。前述の、僕が馴染めなかったビート・バンドたちのギターの音はクリアなのが多く、やっぱり飽きてしまうんだな。

個人的には、この『ラブレス』の曲では、ラストの「スーン」が意外とダンサブルで好きだけど、他の曲も味わい深い。つい手を伸ばしてしまうアルバムかも。聞いた話だと、本作のレコーディングはかなり時間がかかったそうだが、確かに、これだけのギター・サウンドを作るとなると、納得できるまでは大変だろう、というのは想像つく。シンプルに聞こえるけど実はそうではないし、ギターの音って本当に作るのは大変というのは、僕も素人ながらミュージシャンの端くれで、仲間のギタリストたちが苦労してたのを見てるので、凄く理解出来る。

とにかくジャケットやアルバム・タイトルも含めて、不思議に魅力に溢れたアルバムだ。ハマるかどうは僕次第。今後どうなるかな。楽しみが増えた(笑)

ところで本作、最初に日本発売された時は『愛なき世界』という邦題だったらしいが、今回手に入れた中古CDは再発された時のもので、タイトルは『ラブレス』と邦題はなくなってる。つまらんな。『愛なき世界』はアルバムのイメージともピッタリな、ナイスな邦題と思うのだが。
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愛した数だけ生きてきた

2025年07月18日 23時54分58秒 | 音楽ネタ
今年も梅雨明けしたそうな。これから本格的に夏な訳だ。十分本格的だったけどね^^; その暑さのせいかどうか分からないが、僕は今週初めから体調崩して、医者に言われた事もあり、ずっと家で療養してた。ま、療養なんて大げさだが(苦笑)、ま、ずっと家にいたのである。若い頃は同じ症状でも、こんなに長引かなかったのにな、なんて思うと情けない。会社も休んだ訳だし、迷惑かけたかどうかは分からんが(笑)、なんか忸怩たる気分。引退の時は近いのかも

と、いつもながら唐突だが、最近買ったCDから。



個人的に今最も注目しているミュージシャンであるブランディ・カーライルの通算3作目。2009年発表。彼女のアルバムをアマゾン等で物色していて、まずどれを聴こうかな、とあれこれ悩んでいたのだが、この『Give Up The Ghost』に決めたのはズバリ、ジャケットがカッコいいからだ(笑) うん、ロッカーって感じだよね(笑)

ブランディはアメリカーナのミュージシャンと聞いてたし、本人も、カントリーは自分から切っても切り離せない、みたいな発言をしてるのも見た事あるし、やはりそっち系(どっち系だよ)の人だと思ってたけど、本作を聴く限り、カントリーどっぷりという感じではない。かといって、ジャケットほどロッカー然としてる訳でもない。おそらく本人が弾いてるアコギに導かれて始まる曲が大半で、アレンジもメロディもシンプルだが、フォークという感じでもなく、ロック寄りではあるものの、フォーマットとしてのロックでもない。何が言いたいのか分からなくなってきたが、アメリカーナともいわゆるロックとも違うけど、これがブランディ・カーライルのスタイルなのであろう。言ってる事が多少矛盾するけど、新しい女性による新しいロックと言えるかも(やっぱり意味不明)。

ま、とにかく、シンプルで良いです。この人の魅力は、僕は声だと思ってるので、その声で歌われると、シンプルなだけに結構響いてくるものがある。彼女なりの思想や主張が歌詞に反映されているのだろうと思うが、歌詞が分からなくてもボーカルに説得力はあるので気にならない。なかなか曲も良いしね。こういうタイプ、日本でも人気出そうだけど、あまり日本盤ないみたいだし、惜しい気もする。

ブランディはエルトン・ジョンのファンである事を公言しており、そのせいかエルトンとの共演も多い(今年、エルトンとの連名で『天使はどこに』という名作を発表したし)のだが、2009年の本作で早くもエルトンが一曲ゲスト参加している。エルトンもブランディの才能を早くから認めていたのだろう。ポール・バックマスターの名前があるのも凄い。ま、なんというか、もっと早く知っておけば良かった、と悔やんでたりする訳だ。どうしようもならんけど(笑)

続いては、



一昨年デビュー50周年を迎えた南佳孝の新作である。オリジナル・アルバムとしては通算23作目。僕の計算によれば、だけど(笑) 内容はというと、南佳孝らしいというか何というか、21世紀以降の彼の時流に流されないマイ・ペースな活動ぶりが体現されたかのような雰囲気だ。良くも悪くも南佳孝である。もちろん、良い意味で言ってるんだけど(笑)

で、オリジナル・アルバムとしては2018年の『Dear My Generation』以来7年振り。新作とはいえ、12曲中7曲が既発表曲のリメイク(そのうち2曲は内田有紀、薬師丸ひろ子への提供曲)なので、やや新鮮味に欠けるかも(笑)という気はするものの、そのリメイクの選曲がシブくて、個人的には「クレッセント・ナイト」と「Moonlight Whisper」の2曲は、マイ南佳孝ランキングだとワンツーフィニッシュでは、というくらい好きな曲でもあり、新曲とも違和感なく並んでるので、まぁいいかな。「渚にて」をリメイクしてるのも意外。もちろん新曲も良いです。

今回、松本隆作詞の曲はないものの、新曲5曲のうち、松井五郎と売野雅勇との共作が2曲づつ、そして南佳孝本人の作詞が1曲、もちろん作曲は全て南佳孝で、やはり安定したクォリティだ。50年以上この世界で生きてきた人は違うな。そういった曲たちを、近年一緒にコンサート活動している松本圭司がアレンジして、完成したのが本作という訳だ。タイトル曲は、サビの”愛した数だけ生きたような気がする”という部分が、歌詞とメロディが一緒に出来て、そのまま完成したそうな。リメイクも新曲も合わせて、今の南佳孝なんだろう。松井五郎との共作「FAMILY TREE」では娘の事(だと思う)を歌ってるが、僕の知る限り、南佳孝の曲に娘が登場するのは2回目だ(笑) フィクションかノンフィクションか知らんけど(笑)

ま、とにかく、なんのギミックもない等身大の南佳孝です。彼もこういう心境になったんだ、としみじみしてしまうのは何故?(笑)

ところで全然話は違うが、サッカーワールドカップなんだけど、また日本で招致するという話が進んでるらしい。実現するとしたら、なんと2046年開催のW杯なんだそうで、その頃まで生きてないかも(爆) 日本単独開催ではなく、韓国、中国、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムといった、アジア地域の複数国で開催、という方向で検討してるそうな。ふーん、て感じ。ま、次回(2026年、もう来年だ)の中南米大会はアメリカ、カナダ、メキシコの共催、その次(2030年)はスペイン、ポルトガル、モロッコを軸に、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイと、ヨーロッパ、アフリカ、南米に跨っての開催が決まってるようで、こんな状態だと、決勝戦をどこでやるか揉めそうだ(苦笑) それと、次回は出場国が48に増える、というのは聞いてたけど、次々回は出場国を64にする案もあるらしい。開催エリアはともかく、出場国64って多過ぎない? FIFA加盟国の半分くらいが出場出来てしまうのでは?(笑)

という訳で、ファンには楽しみが増えたってとこかな^^ もし共催とはいえ、2046年にW杯が日本で開催されれば、2002年から44年振り。丁度いいくらいなのかどうなのか。それと、もうひとつびっくりしたのだが、「JFA2005年宣言」というのがあって、その中で、日本は2050年までに自国でW杯を開催して優勝する、という目標を掲げているのだそうな。恥ずかしながら、こんな目標があったとは全く知りませんでした。申し訳ありません(誰に謝ってるのか)



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あなたの心に -In Your Mind-

2025年07月13日 11時30分02秒 | 音楽ネタ
参院選が公示されてから10日程が過ぎたが、うちの近所だけの事かもしれないが、選挙カーも走っておらず、街宣もなく、とても静かな選挙戦だ。都会ではそうでもないのかな。ま、どちらにしても、3連休の真ん中を投開票日にした、という時点で与党のセコさを感じるが、この3連休レジャーなとで家を空ける予定の皆さん、期日前投票に行きましょう。投票率を下げてはなりません。少しでも抵抗しなければ。僕も期日前投票済ませました。特に3連休の予定はないけど(笑)

ところで、今さら聞くのも恥ずかしいが(笑)、期日前投票って「きじつまえ」か「きじつぜん」か、どっちが正しい読み方なのだろう?

という訳で唐突だが(いつものことだけど)、最近買ったCDから。



ブライアン・フェリーもブリティッシュ・ロック界の重鎮であり、ロキシー・ミュージックの1stが発表されたのは1972年ということで、50年以上のキャリアを誇る立派なレジェンドなんである(ちなみに、ロキシー・ミュージックは2019年にロックの殿堂入りしている)。その間フェリーは、常に最前線にいた訳ではないものの、世間から忘れ去られる事もなく安定した活動を続け、高い評価を受けているというのは、決して大衆的とは言い切れない音楽性を考えると心底凄いと思う。素直に敬意を表したい。近影を見ても相変わらずカッコいいしね^^

そんなブライアン・フェリーだが、昨年だったかな、そのキャリアを総括したボックス・セットを発表した。これだ。興味は大いにあったが、5枚組を購入するほどでもないので^^;、1枚に編集されたベストを買おうと思ったのだが、70年代の曲が少ないのがやや不満で(笑)、以前に出ていたベスト盤を買うことにしたのである。実は、意外と思われるかもしれないが、僕はブライアン・フェリーも案外好きなのである。どうでもいいことだが。

ブライアン・フェリーといえば、僕にとってはなんといっても、1977年のソロ・アルバム『あなたの心に』と来日公演である。50年近くが過ぎた今でもその印象は強烈だ。その前年にロキシー・ミュージックを解散したフェリーは、1977年にワールド・ツアーを行い日本にもやってきた。『あなたの心に』が出たのはその頃で、来日記念という感じでFMでもよくかかっており、「明日への誘い」「あなたの心に」といった曲に僕も魅せられてしまったのだ。そこに追い打ちをかけたのが、錚々たるメンバーで構成されたバンドを従えての来日公演で、もちろん実際には行っていないが、なんと、後日NHKでスタジオ・ライブが放送されたのだ。もちろん『ヤング・ミュージック・ショー』である。コンサートを放送したのではなく、あくまでもスタジオ・ライブなのだが、わざわざ日本のファンの為に、スケジュールの合間を縫ってスタジオ入りして生演奏を収録してくれた訳で、なんという素晴らしい心意気だろう! しかも、そのスタジオ・ライブでのフェリー及びバンドの面々のカッコよさと言ったら! 筆舌に尽くしがたいとは、正にこのこと。中学生を数回昇天させてしまうには十分過ぎるパフォーマンスだった。ほんと、テレビにかじりついてたね(笑)

余談だが、ほんと『ヤング・ミュージック・ショー』って凄い番組だったと思う。ネットどころか、一般家庭ではビデオもまだ普及していなかった時代、海外のアーティストのライブを見るのは大変なことだった。そんな時、この『ヤング・ミュージック・ショー』にどれだけ世話になったことか。主に外タレのライブを放送するこの番組、語り継がれているのは1977年のキッスの初来日武道館だが、僕自身としては、ブライアン・フェリーもだが、ローリング・ストーンズやロッド・スチュワートのライブ映像が印象深い。ストーンズはたぶん1976年頃の映像で、『ブラック・アンド・ブルー』の曲をたくさんやってた。ロッドは、あのカーマイン・アピスを含むバンドを結成したばかりの頃の映像と思われ、『明日へのキック・オフ』の曲はやってなかった。どちらも記録は残ってないが、貴重な映像だった。見れて幸せ(笑) NHKもほぼ強制的に受信料取るんだから、こういう番組をもっと制作・放送して欲しいものだ。古い映像のアーカイブ化にも期待したいが、フィルムやビデオが現存していないのも多いらしい。残念だ。

という訳で、本ベスト盤である。1stソロの『愚かなり、わが恋』から2007年の『ディラネスク』までのアルバムから選曲されているようだが、もちろん、僕が知ってる曲は少ない。大切なのは、『あなたの心に』の曲が入っているかどうかで(笑)、「明日への誘い」と「東京ジョー」の2曲収録されているが、「あなたの心に」は未収録。残念。「東京ジョー」はその20年後くらいに、木村拓哉主演のドラマの主題歌になってた記憶がある。「キャント・レット・ゴー」は、学生の頃ロキシーのコピ-バンドをやってた事があって、その時コピーして演奏してたので、よく知ってる。ロキシーの『ハイ・ロード』というライブ盤で聴いてたので、ロキシーの曲と思ってたけどフェリーのソロ曲だったらしい。ちなみに、そのコピバンでは、他に「恋はドラッグ」「セイム・オールド・シーン」「マイ・オンリー・ラブ」といったところをやってた。懐かしい^^

ま、本ベスト盤を通して聴くと、ブライアン・フェリーという人の美意識というか主張というか、そういうのはデビュー以来ひたすら一貫してる、というのが分かる。つまり、ブレてないってことね(笑) ヒットを連発してた80年代の頃の音は、とてもスタイリッシュでオシャレな感じだが、この頃以外は、洗練されてはいるが、独特の、言うならばフェリー独自のサウンドでまとめられていて、流行ともやや違うけど、古臭い訳でもない、70年代の曲と2000年代の曲を続けて聴いても違和感ゼロ、という凄い内容なんである。本ベスト盤がとくかく素晴らしかったので、ふとロキシーの『サイレン』を引っ張り出して聴いてみたが、こっちも改めて聴いたらめちゃ良かった。ソロと音も似てるかな。ブライアン・フェリーって、失礼ながら冷静に見ると、決して歌上手いと思えないし、良い曲もあるが変わった曲もあるし、いちミュージシャンとしてはどうなの?なんて思う事もあったが、実は凄い人なのだ。改めて思い知りました^^;

で、ブライアン・フェリーだが、本ベスト盤の発表後も、様々な試みに挑戦しながら、独自の美意識を追求した作品をコンスタントに発表してるようだ。ツアーもやってるようで、2019年には来日公演も行われたらしい。ノーマークでした、すいません(誰に言ってんのか)。御年79歳だそうだが、まだまだダンディーでカッコいいし、いつまでも元気でいて欲しいものだ。

う~ん、でもやはり『あなたの心に』が聴きたいな。中古でも何でも手に入れなくては。
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温新知新・その後

2025年06月03日 22時30分42秒 | 音楽ネタ
いきなりだが、JR横浜駅の改札を入ってすぐの所にあるコンビニのみ○ほ銀行のATMが、いつの間にか撤去されていた。よく利用してたので残念だ。と言っても、利用してたのはせいぜい月に2~3回程度なんで、決してヘビー・ユーザーではないが、会社の行き帰りに便利だったのは確か。ただでさえ、ATMが少なくなってるような気がするのに、この便利なATMがなくなってしまうと、本当に困る。何故、わざわざ不便を生むような事をするのか?と一瞬憤ってみたが、冷静に考えると、今やキャッシュレスが当たり前の世の中で、現金を持ち歩く人なんて少ないだろうから、ATMを利用する人も減っているのだろう、とも思える。つまり、ATMの減少も時代の流れ、という訳だ。公衆電話と同じってこと。悲しい事ではあるが、それが現実なのだ。でも、不便は不便である。何とかならんのか。

最近聞いた話だけど、コンビニの書籍コーナーを撤去する動きがあるらしい。やっばり書籍は売れないんだね。これも時代の流れなのか。コンビニで書籍を買うなんて、コミック誌以外はほとんどないけど、なくなるとなると悲しいなぁ。書籍コーナー撤去して、空いたスペースにクレーンゲームを設置する、なんて聞くと余計悲しい。

さて先日、新しい音楽の傾向を知りたい、、という事でミュージックマガジン増刊『ミュージック・ガイドブック 2010-2024 VOL.1』を買って読んでる最中、というのをブログネタにしたが、それからしばらくして読破した。時間はかかったが(笑)なんだかんだで、とても勉強になったのは確か。全く分からない・知らない或いは興味がない、というジャンルもあったけど、そういうのも含めて、大変興味深く読んだのである。やはり、新しいもの、流行っているもの、トレンドとなっているもの、というのを知るのは楽しい。新しいと言っても、ガイドブックのタイトルにもあるように、2010年以降のアルバムを紹介してるので、10年以上前の作品もたくさんあるが、今の自分にとっては、10年前なんて、つい最近である(笑) 自分の守備範囲外でも、それなりに面白い。ま、あのミュージック・マガジンなんで、単純に流行りの音楽を紹介するだけというのはなく、社会情勢や風俗や文化などに絡めてくる傾向があって、まぁ雑誌の性質上それは仕方ないとは思うけど、LBGTとか多様性とか言う前に、まずは音楽について語って欲しいな、と思ったりもしたが、ま、それなりに楽しく読んだというのは間違いない。

以前にも書いたが、一冊通して読んでみると、気になるもの、興味を覚えたものもいくつかあった。せっかくなので、そういうのも出来るだけ聴いてみようと思い、入手してみた。

という訳で、最近買ったCDから。



『ミュージック・ガイドブック 2010-2024』では、ルーツ・ミュージック>フォーキー、に分類されている。もちろん初めて聴くバンドで、本作は2008年に発表されたデビュー・アルバムらしい。ガイドブックには、2011年の2ndが紹介されていて、解説を見て興味を覚えて検索してみたのだが、1stの方が良い、という声が多いので、1stを入手してみたという次第。

で、このフリート・フォクシーズ、なかなか面白い。フォーキーに分類されてる訳なんで、確かにアコギをメインしたサウンドで、フォーク調或いはカントリー風の曲が多いが、そうと見せかけておいて、徐々に構成が複雑になり、まるでプログレみたいな展開となるのである。なんか凄い世界。なんというか、ジェスロ・タルやジェネシスといったバンドの叙情派フォーク調或いはトラッド風の曲を思い出してしまった。コーラスはCSN風というのがまた凄い。

ジャケットもそうだし、プログレッシブでフォーキーという音楽性にしても、アメリカンロックと言うよりイギリスのバンドみたいな雰囲気。いやほんと、良いです^^

続いては、




ミュージック・ガイドブックでは、ロック/ポップス>ロック(イギリス/オーストラリア)に分類されている。もちろん、知らないアーティストだが、フローレンス・ウェルチという女性シンガーを中心としたバンドの2ndで、2011年発表。1st共々全英No.1になったそうで、立派な売れ筋である。全然知らなかった^^;

断るまでもないと思うが、ジャケットの女性がフローレンスで、神秘的な美貌の持ち主だが、ビジュアルだけでなく曲も書く彼女の個性を前面に押し出した作品と言える。フローレンス以外のメンバーはギターとドラムとハープ(ハーモニカ?)の3人の男(たぶん)がクレジットされているが、ほとんど目立たない。CDブックレットにはフローレンス以外のメンバーは写真すらない。ただ、このフローレンス・ウェルチという人、なかなかの才能の持ち主のようで、曲も良いし、なんといってもボーカルがいい。彼女ひとりだけで、アルバムもバンドも背負っていけるポテンンシャルは十分にあると思う。

ガイドブックの解説では、ケイト・ブッシュやアニー・レノックスといった英国女性歌手の美意識を受け継ぐミュージシャンと、フローレンスを紹介しているが、ま、確かにそんな感じはある。なんというか、ゴシック系からダークな部分を排除して、R&Bやゴスペルの要素をまぶしたような音楽で、ここ10年くらいの流行りかと思うが、アンセム的な雰囲気の曲が多い。ジャケットから受ける印象よりも聴きやすいかも。ま、今のロックって、ある意味こんな感じなのかな。大変興味深く聴きました(笑)

前回書いたけど、このガイドブックを見て興味を覚えたアルバム(アーティスト)は10枚くらいあったのだが、調べてみると、アマゾンあたりでは入手困難、中古でも見つからない、あっても高額、というのが多くて、既に廃盤なのか、メジャーレーベルでない或いはファンサイト限定販売なのか、配信オンリーなのか、とにかく手に入れるのが難しいのが多いなか、今回紹介した2枚は比較的容易に入手出来た。聴いてみてもなかなか良かったし、正に収穫である。オールド・ロック・ファンにもお薦めだ。ま、考えてみると、一部の非ロック的なジャンルを除けば、ロックの本質自体は特に変わっていないのかもしれない。なので、オールド・ロック好きなオジサンたちも、決して怖がる事はないと思う(笑) 新しいロックに触れてみよう(笑)

という訳で、入手困難な物はあるが、諦めずに追いかけていこうと思う。ほんと、『ミュージック・ガイドブック 2010-2024』には感謝である。
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