日々の覚書

MFCオーナーのブログ

3面実況録音

2023年10月23日 23時35分13秒 | 音楽ネタ

2023年も秋である。キング・オブ・コント新チャンピオンも決まり、阪神とオリックスが日本シリーズで対戦する事も決定した。阪神は9年振り(リーグ優勝という意味なら18年振り)、オリックスは3年連続の日本シリーズだ。なんと、同じ兵庫県を本拠地とするチーム同士の対決であり、正に"兵庫県シリーズ"だ!、と楽しみにしていたが、試合自体は甲子園と京セラドームで行われるらしい。なので、厳密には"兵庫県シリーズ"ではない。残念だ。とは言うものの、よくよく考えてみたら、去年も一昨年も、オリックスのホームゲームとしては京セラドームで試合が行われていたので、今年もオリックスなら京セラドームで試合するのは分かってた訳で、結局、僕が勝手に"兵庫県シリーズ"と盛り上がっていただけ、という次第である。あほらし(笑)

今年の日本シリーズは、10月28日(土)京セラドームで開幕である。関西のチーム同士の日本シリーズは、1964年の阪神-南海以来で、なんと59年振り! 今から楽しみだ^^  両チームの皆さん、好ゲームに期待してます^^

という訳で、最近買ったCDから(唐突)

Firefly/Uriah Heep

以前から聴いてみたかったのだが、最近ようやく入手した。1977年発表。ユーライア・ヒープのジョン・ロートン(Vo)、トレバー・ボルダー(Bs)の2人が加入しての初アルバムである。トレバー・ボルダーは、デビッド・ボウイとのスパイダース・フロム・マースのメンバーだった人。余談だが、元メンバーに故人の多いユーライア・ヒープであるが、このジョン・ロートンとトレバー・ホルダーも故人である。そう言えば、確か、前任のベーシストはジョン・ウェットンだったはず。ほんと、故人が多いバンドだ。合掌。

このアルバムが出た時の事はよく覚えてる。当時某ML誌に、ユーライア・ヒープ新メンバーで新作発表、とグラビアに写真と記事が載ったのだ。色々とゴタゴタのあったヒープだけど、新メンバーも決まり、これからは新しい顔ぶれで頑張ります、って感じの意気込みに溢れた記事だった。特にファンではなかった僕だけど、なんとなく応援したい気持ちになったのを覚えている(笑)

で、あれから40年以上が過ぎた今、改めて聴いてみると、この『ファイアフライ』非常にシンプルなハード・ロックという印象。『対自核』や『悪魔と魔法使い』で聴かれたドラマティックな展開はあまり見られず、どの曲もコンパクトで分かりやすくまとめられている。特徴あるコーラスは変化ないかな。以前に比べると、ギターが目立ってる感じ。セールス的には、今イチだったみたいだけど、決して内容が過去のアルバムより劣っている訳ではない。新ボーカルのジョン・ロートンも実力派だし、やや地味目とはいえ一定のクォリティは維持しているし、ヒープの底力は侮れないな、70年代のバンドってやっぱ凄い、と改めて思いました。と言ってる事は毎回同じ(笑)

続いては、

Jennifer Warnes

やや地味な存在かもしれないが、実績は十分。なんたって、ジェニファー・ウォーンズは80年代に2曲の全米No.1ヒットを放っているのだ。その2曲とは、かの有名な「愛と青春の旅立ち」と「タイム・オブ・マイ・ライフ」である。どちらの曲も、大物シンガーとのデュエットで映画の主題歌、という共通点があるので、そのせいで地味な印象があるのかもしれないが、でも実績としては申し分ない。2曲とも、大物を引き立てながらも、その独特の凜としたボーカルをさりげなく聴かせている。実は実力派なのだ。

No.1ではないが、本作収録の「星影の散歩道」もビルボードTOP10に入るヒットとなっており、もっとジェニファー・ウォーンズの評価は高くても不思議はないと思うのだが。

ジェニファー・ウォーンズの名前は、結構前から知っていて、ずっとシンガー・ソングライターだと思っていた。自作曲も歌うので、シンガー・ソングライターであるのは間違っていないのだが、本作では、自作曲は1曲だけで、他はいわゆる他人の曲。前述の「星影の散歩道」もピーター・マッキャンの曲だ。けど、その歌声の前では、誰が作った曲か、なんてどうでもよくなってしまう。ジャケットを見ても、学校の先生みたいなルックスで、失礼ながら決して華やかな印象ではないのだが、生真面目ながらも毅然とした佇まいが声にも表れていて、なんというか、自分の意志をしっかりと持っている女性、といった雰囲気が素晴らしい。大物シンガーとのテュエット相手に指名されただけあって、決して自分から目立とうとするタイプではないと思うが、芯のしっかりした力強い歌声は、強い印象を残す。本作も、そんなジェニファー・ウォーンズの魅力に溢れた一枚。ストーンズの「ライトを照らせ」のカバーも素晴らしいです。

続いては。

Three Sides Live/Genesis

"MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選"では、本作は335位である(だから?)

ジェネシスの事はよく知らないが、そのキャリアを見てると、割と節目にライブ盤を出してる印象がある。この『スリー・サイズ・ライブ』は通算3枚目のライブ盤ではなかろうか。フィル・コリンズ、マイク・ラザフォード、トニー・バンクスの3人によるジェネシスが、なんだかんだでまだプログレ・バンドだった時期、つまり『そして3人が残った』『デューク』『アバカブ』の3枚からの曲を中心に構成されている。この時期のジェネシスは、シンセをサウンドの核としながらも、長い曲でもコンパクトにまとめた作風で、非常に聴きやすく尚且つプログレの雰囲気もたっぷり、個人的には割と好きだったりする。この『スリー・サイズ・ライブ』でも、テクニックはあるが、それを売りにせず、あくまでも叙情的雰囲気とタイトなアンサンブルで迫るジェネシスが堪能出来ます^^

知ってる人は知ってるけど、この『スリー・サイズ・ライブ』、発売当時、イギリス盤とインターナショナル盤で内容が違ってて、LP2枚組というのは一緒だけど、イギリス盤は4面全てライブ(スティーブ・ハケット在籍時の音源含む)なのに対して、インターナショナル盤はA~C面はイギリス盤と同じライブだが、D面はスタジオ録音の5曲が収録されている。僕が当時、友人に借りて聴いてたのもインターナショナル盤で、ライブもさることながら、D面も結構好きだった。シングル・カットされた「ペーパーレイト」とか。こういうポップだけどちょっと捻れた曲って、この時期のジェネシスの特徴のひとつでもある。

CD化の際、最初はインターナショナル盤も出たけど、その後イギリス盤に統一されてしまい、今や『スリー・サイズ・ライブ』のインターナショナル盤のCDは入手困難だ。が、偶然メルカリで見つけてしまい、すぐに注文した。安かったし(笑) いやいや、諦めかけていた『スリー・サイズ・ライブ』インターナショナル盤CDを入手出来るとは...長生きはするものである(笑)

やっぱ、秋の夜長はプログレだな(意味不明)

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杜の詩

2023年10月21日 14時59分23秒 | 時事・社会ネタ

何かと話題の多い昨今である。10月だというのに夏日の地域がある、という異常気象だし、ウクライナがまだあんな状態なのに、イスラエルが戦争状態になってるし、阪神がセ・リーグ優勝して、日本シリーズ進出も決めたし(笑)

それにしても、21世紀の今、戦争とは...ロシアによるウクライナ侵攻もまだ終わる様子がないのに、イスラエルとパレスチナいや正確には、パレスチナのガザ区のテロ組織ハマスが戦争状態になっている。あの地域は、遙か昔から宗教上の問題で民族間での対立が絶えないエリアであるし、その背景も色々と複雑かつ難解で日本人には理解し難いものがあるので、あまりどうこう言うつもりはないが、テレビの報道番組などを見ていると、イスラエルがその軍事力に物を言わせて、一般人だろうがハマスだろうが見境なくガザ地区を攻撃しまくっていて、ハマスはその報復に、イスラエル領の人たちを人質に取っている、要するに悪いのは圧倒的にイスラエルという事になっていて、それはちと違うんじゃないの、なんてさすがに思ったりする訳だ。勘違いする人も多いと思うけど、今回の抗争は、イスラエルvsパレスチナではなく、あくまでもイスラエルvsハマスなのであって、ハマスはガザ地区を実効支配しているテロ組織であり国家ではない(ついでに言うと、バレスチナも国家ではない)。分かりやすく言うなら、共産党が九州を実効支配してるようなもの、と解説する人もいる。なるほど。で、このハマスというのが、わざと住宅地や学校、病院の地下とかに基地を作ったりしてるもんで、ハマスを壊滅させようと攻撃すれば、必然的に一般人も巻き添えになってしまうのだ。で、イスラエルはハマスの拠点を攻撃する際、前もって告知して避難勧告を出してるようだが、それでも犠牲者は出る。それをハマスが、イスラエルは鬼だ、みたいに外国のメディアに訴え、各国のメディアはそのまま報道するから、全てイスラエルが悪いのだ、と思ってる人ばかりになるのである。特に日本では。

今欧米では、アラブ系(イスラム系)による反イスラエル(=反ユダヤ)運動があちこちで起きていて、このままヒートアップすると各地のユダヤ人たちが襲撃されかねない。何でも、アメリカ自体は今回の件ではイスラエル支持を表明しているようだが、国民の中にはユダヤ人嫌いが多くて、反ユダヤが当たり前という空気になっているらしい。ユダヤ人差別は元々あったようだが、どうしてこうなってしまうのか。ユダヤ人嫌いなら、本当はホロコーストは正しい行為だった、と皆さん思ってるんでしょうかね。近年多く出現した偉そうにダイバーシティとか主張する人たちは、ユダヤ人差別を止めさせてユダヤ人を擁護すべきでしょう。その他の人たちと同様に。けど、あっちでは、白人とユダヤ人は侮蔑しても差別してもかまわない存在、という事になってるようだ。あと、東洋人もかな。

いきなりだが、東京の明治神宮の外苑の再開発計画について、反対する声が多い。最近、著名人たちが反対声明を出した事で、テレビや新聞でも取り上げられ、一般にも広く知られるようになった。故坂本龍一氏も反対の立場だったらしく、その遺志を継いでサザン・オールスターズというか桑田佳祐も、この問題をテーマにしたシングルを発表したりしてる。ま、こういう問題に、多くの人が関心を持つのはいい事だが、同時に、関心を持つなら、内容もちゃんと理解していなければならない。

今回の神宮外苑再開発の中味はというか、開発する側からの目的は、簡単に言ってしまうと、

・神宮球場、秩父宮ラグビー場を取り壊して、新たな野球場とラグビー場を作る
・公園内に商業ビルを建てて集客を狙う

こんな感じで、反対してる人たちも、これだけなら特に文句もないのだろうけど、この為に神宮外苑の森林を伐採する、というので問題になっているのだ。確かに、あの神聖な神宮外苑の森林を伐採して丸裸にしてしまうなんてめちゃくちゃで、神をも恐れぬ罰当たりな行為である。しかも、そんなとんでもない再開発計画が、議会も通さず、ゼネコンと知事の間だけで水面下で進められていた、と聞かされれば、冗談じゃねぇ撤回しろ明治神宮を何だと思ってるんだ、となるよな。よく分かります(笑) 実際、僕も最初そのように聞いたので、絶対撤回させるべきだ都議会は何やってんだ、と思ったけど、しばらくして、東京都のHPでこの再開発計画の資料を見てみると、一番問題となる森林の伐採については、全て伐採する訳ではなく、また伐採した分は新たに植樹するので、森林自体が縮小される事はない、有名ないちょう並木にも手はつけない、という内容になってた。ま、少しは考え直したのかな、とは思ったけど、反面、最初に外苑だけでなく内苑の森林も伐採される、とも聞いていて、外苑の再開発以上にそっちが大問題だ、と思っていたのだが、資料にはその事は、つまり神宮内苑の再開発の事は記載がなくて、あれ?どうなってるの?という心境でもある。

ま、森林の一部は伐採するけど、ちゃんと元通りにします、という計画だし、反対派の人たちも多少納得したのかもしれない。ただ伐採するなだけでは森は守れない訳だし。一時期に比べ、これに関するニュースも見なくなった。伐採した分は植樹する、と言っても、すぐに元通りになる訳でもないし、その辺はもっと追求する必要はあるかな。個人的には、内苑に手をつけないのなら、あれこれ言うつもりはない。明治神宮と杜は今の状態を守るべきである。

それにしても、この神宮外苑再開発で感じたのは、何故、由緒も人気もある神宮球場と秩父宮ラグビー場を立て直すのか、ということ。確かに老朽化してて危険かもしれないけど(ブラジルあたりで、サッカースタジアムが老朽化してて、試合の最中に観客席が崩れた、なんて映像見たことあるし)、ほんとにそれだけかね。先の東京オリンピックの時にも揉めたけど、スポーツ界の人たちって、すぐ競技場作りたがるよね。古くなってるから、オリンピックなんていいチャンスだ、どうせ金はかかるんだから、ついでにいいだろ、ってとこかな。未来に向けてレジェンドを残さねばならない、という意味不明の事も言ってたな。日本には特定の競技の会場がないから、オリンピックを開催するとなると作らねばならない、というのはおかしな考えだが、多少分からなくもない。が、立派な競技場があるのに、さらに作らせようとするのは絶対におかしい。今回も、本当に新競技場が必要なのか、なんとなく怪しい。

それと、この再開発計画で、個人的に一番あほらしと思うのは、外苑の一角に商業ビルそれも地上40階とか38階とかの高層ビルを建てようとしてる点だ。何故、日本ではどこへ行っても、都市部の再開発というと高層ビルを建てたがるのか。こないだ都内にあべのハルカスを抜いて日本一となる高層ビルが完成した。が、同じ都内に、2027年にもっと高いビルが完成するらしい。なのに、また神宮外苑にも作ろうとしている。自然保護だ環境問題だとあちこちでやかましく言ってる時代に、高層ビルなんて時代遅れではないの、というか、高いビルを作ろうという発想自体、あまりカッコよくないな、と思う。既にたくさんあるし、高さを競うのはもういいでしょ。バカと煙は高いところに上る、というか、高いところが好き、というか、まぁ昔から言われているけどね。

ちなみに、この「バカと煙は」の格言だけど、言い回しが違うと意味も変わるらしい。つまり、

①バカと煙は高いところに上る→愚か者はおだてに乗りやすい
②バカと煙は高いところが好き→バカ(お調子者)は状況や危険も顧みず高いところ(目立つところ)に行きたがる

このように意味が違うのだそうな。今まで、同じように使ってたな。ちなみに、ほとんど②の意味かと思ってた。勉強になりました(笑)

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MFC presents 500 Favorite Albums of All Time 140-121

2023年10月14日 11時15分10秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
140位→121位

☆140位☆

Thick As A Brick/Jethro Tull (1972)
ジェラルドの汚れなき世界/シェスロ・タル
LP両面で一曲という、プログレ超大作であるが、決して難解ではなく、歌部分の分かりやすさもあり、長いけれど、取っ付きやすい作品となっている。ジェラルドという少年の書いた詩をモチーフにした、という嘘八百のコンセプトもユーモアたっぷり。スリリングで複雑な演奏もなかなか楽しめる。こんなアルバムが全米No.1とは、良い時代だったと思う。

☆139位☆

Midnight Cowboy/Original Soundtrack (1969)
真夜中のカーボーイ/オリジナル・サウンドトラック盤
アメリカン・ニュー・シネマを代表する作品と言われている。冒頭に流れるニルソンの「うわさの男」がとにかく有名で、確かに名曲だが、それ以上にジョン・バリーによるテーマ曲が素晴らしい。名曲である。ハーモニカがリードする中で導かれる哀愁の旋律がとにかく泣ける。素晴らしい。エレファント・メモリーの曲もなかなか良い。

☆138位☆

From Russia With Love/Original Soundtrack (1963)
ロシアより愛をこめて/オリジナル・サウンドトラック盤
007シリーズ2作目。シリーズ中最高傑作と思う。ジョン・バリーによる音楽も素晴らしい。マット・モンローの歌うテーマ曲をオーケストラでインスト化したメイン・タイトルが白眉である。「ゴールデン・ホーン」「007」といった挿入曲も印象的。『エヴァンゲリオン』の音楽も、本作に影響されてると思う。ジョン・バリーは本当に凄い。

☆137位☆

Les Liaisons Dangereuses 1960/Art Blakey's Jazz Messengers (1959)
『危険な関係』オリジナル・サウンドトラック/アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ
ジャズ・ミュージシャンが手がけたサントラの中では、『死刑台のエレベーター』と並んで有名な作品と思う。冒頭の「危険な関係のブルース」は、テーマが奏でられたあとサックスやトランペットによるソロ交換、そしてまたテーマに戻る、という構成が分かりやすく、ジャズに疎くても馴染みやすい。アフロ調の曲が収録されている所にも、当時の彼らの方向性が垣間見える。

☆136位☆

George Harrison/George Harrison (1979)
慈愛の輝き/ジョージ・ハリスン
「愛はすべての人に」「プロー・アウェイ」の2大名曲を含む本作は、ジョージを代表するアルバムと言っていいと思う。曲にもサウンドにもボーカルにもギターにも、優しくて儚げでちょっとセンチなジョージらしさが溢れている。この頃が、彼の人生で最も公私共に充実していた時らしく、全編に幸福感が満ちており、聴けば聴くほど虜になるアルバムである。名盤。

☆135位☆

Power In The Darkness/Tom Robinsn Band (1978)
パワー・イン・ザ・ダークネス/トム・ロビンソン・バンド
パンク・ムーブメントの中から登場したバンドであるが、トム・ロビンソン自身が当時からゲイである事を公表していたのもあり、他のパンク系とは違う立ち位置だったように思う。ヒットした「2・4・6・8モーターウェイ」に代表されるように、キャッチーで小気味良いロックン・ロールが身上だが、曲の出来も良いし、キーボードがいる事でアレンジに幅があるのも強み。

☆134位☆

Hasten Down The Wind/Linda Ronstadt (1976)
風にさらわれた恋/リンダ・ロンシュタット
名盤の多いリンダだが、本作は選曲も良く、最高傑作と言っていいのではないか。まだ無名だったカーラ・ボノフの曲を3曲取り上げており、そのどれもが素晴らしく、そのせいかリンダがいつも以上に熱唱しているように思う。レゲエな「ハートを下さい」、メロウな「おしゃべり屋」も良い感じ。「ザットル・ビー・ザ・デイ」のギター・ソロの掛け合いも名演。

☆133位☆

Between The Lines/Janis Ian (1975)
愛の回想録/ジャニス・イアン
ヒットした「17歳の頃」を含む、出世作であり代表作。アコーステイックな雰囲気で淡々と歌われる曲の印象が強いが(「置き手紙」「約束事」など)、歌い上げ系の曲も鮮烈だ(「冬の部屋」「愛の回想録」など)。「17歳の頃」がそうであるように、明るい内容の曲は少ないが、感情的にならず作品と距離を置いている感があり、メロディも分かりやすく、落ち着いて聴いていられるアルバム。

☆132位☆

One Of These Nights/Eagles (1975)
呪われた夜/イーグルス
タイプの違う3曲のシングル・カット(「呪われた夜」「いつわりの瞳」「テイク・イット・トゥーザ・リミット」)が目立ってしまうアルバムではあるが、「トゥー・メニー・ハンズ」「安らぎに寄せて」「ビジョンズ」といった曲も地味かもしれないが佳曲である。ウェスト・コーストのバンドらしい雰囲気も残っていて、"ホテカリ"前夜でもあり、正に過渡期のアルバム。

☆131位☆

Young Amercans/David Bowie (1975)
ヤング・アメリカン/デビッド・ボウイ
変容を続けるボウイは、本作でソウル・ミュージックに接近、自らそれを"プラスティック・ソウル"と呼んだ。洗練されたサウンドながら、ちょっと捻れた感じの収録曲は、なんだかんだでボウイらしさ全開という気がする。ジョン・レノンとの「フェイム」や「アクロス・ジ・ユニバース」のカバーは非常に良いアクセントとなっているが、やはりタイトル曲は名曲である。

☆130位☆

Rapture/Anita Baker (1986)
ラプチュアー/アニタ・ベイカー
ブラコンなのかスムース・ジャズなのか、ジャンル分けも無意味な名盤。アニタ・ベイカーのボーカルの魅力で最後まで聴かせてしまうのが凄い。ゴージャスなバックの音も素晴らしい。アニタ自身もソング・ライティングに加わった曲たちも粒よりで、全ての要素が高いレベルで結実した奇跡のようなアルバム。ただ単にオシャレでムーディなだけではない、明確な意志に貫かれた世界である。

☆129位☆

Moving Pictures/Rush (1981)
ムービング・ピクチャーズ/ラッシュ
ラッシュのプログレ・ハード・ロック・トリオ期最後のアルバム。例によって、複雑な構成の曲を高度なテクニックで聴かせるが、何故かとても馴染みやすく、またコピーしたくなってしまう、というラッシュならではの世界。冒頭の「トム・ソーヤー」はその全てが集約された名曲だが、ライブでの定番インスト「YYZ」や大作「カメラ・アイ」、割にポップな「ライムライト」も聴き物。

☆128位☆

Live...In The Heart Of The City/Whitesnake (1980)
ライブ・イン・ザ・ハート・オブ・ザ・シティ/ホワイトスネイク
70年代のホワイトスネイクは、デビッド・カバーデイルのソロ・プロジェクトではなく、あくまでもカバーデイルを擁したバンドだった。本ライブ盤には、そんなホワイトスネイクの魅力がたっぷり詰まっている。「カム・オン」から「スイートトーカー」へと続くオープニングのカッコ良さには即昇天。代表曲が続くセットリストも文句なし。メタルではなくブルージーなハード・ロックが満載。

☆127位☆

Wings Greatest/Wings (1978)
ウィングス・グレイテスト・ヒッツ/ウィングス
ビートルズ解散後のポール・マッカートニーが最も光り輝いていたのが、ウィングスを率いていた70年代であるのは間違いない。この頃のヒット曲を一枚にまとめた画期的なベスト盤。全12曲、どの曲も素晴らしいメロディとアイデアに溢れた名曲ばかり。後の編集盤もこれがベースになっているのは当然。唯一の欠点は「あの娘におせっかい」が収録されてない事だけ。

☆126位☆

Along The Red Ledge/Daryl Hall & John Oates (1978)
赤い断層/ダリル・ホール&ジョン・オーツ
ホール&オーツも70年代の方が良かったと思う。本作は従来のブルー・アイド・ソウル路線に加え、新境地と言えるのかどうか、B面では多彩な(意外な)ゲストを迎えて、ロックンロール大会を繰り広げている。A面の従来路線では、名曲「イッツ・ア・ラーフ」をはじめ、バラエティに富んだ充実した作品が並ぶ。一般的な評価はともかく、名盤であるのは間違いない。

☆125位☆

Stranger In Town/Bob Seger & The Silver Bullet Band (1978)
見知らぬ街/ボブ・シガー&シルバー・ブリット・バンド
「ナイト・ムーブス」のヒットを足がかりに、ボブ・シガーは本作で人気を確立させた。シングルの「夜のハリウッド」「裏切りのゲーム」をはじめ、「フィール・ライク・ア・ナンバー」「街の孤独」など、キャッチーで豪快なアメリカン・ロックが堪能出来る名盤。後にカバーヒットが出た「夜の果ての愛」も名曲。正にボイス・オブ・アメリカと呼ぶべきボブ・シガーのボーカルが何より素晴らしい。

☆124位☆

Fly Like An Eagle/The Steve Miller Band (1976)
鷲の爪/スティーブ・ミラー・バンド
当時久々のアルバムが突如ベスト・セラーとなった。スティーブ・ミラー中心のトリオ編成でのシンプルなサウンドだが、シングル・カットされた「ロックン・ミー」「テイク・ザ・マネー・アンド・ラン」「フライ・ライク・アン・イーグル」のカッコ良さは今でも色褪せない。「星空のセレナーデ」「ザ・ウィンドウ」あたりも聴き物。途中に挿入されるシンセの短いインストも面白い。名盤。

☆123位☆

Royal Scam/Steely Dan (1976)
幻想の摩天楼/スティーリー・ダン
スティーリー・ダンがレコーディングのみに活動を限定していた時期の最高傑作と言っていいのでは。ラリー・カールトン、バーナード・パーディといったミュージシャンを起用して、様々な要素を取り込んではいるものの、スタイルとしてはあくまでもロックであるのが良い。ファンキーな「滅びゆく英雄」「緑のイヤリング」もいいが、「トルコ帽もないのに」のアイロニーもいい。

☆122位☆

Band On The Run/Paul McCartney & Wings (1973)
バンド・オン・ザ・ラン/ポール・マッカートニー&ウィングス
ポール・マッカートニーの最高傑作は、間違いなくこれ。何故か政情不安なラゴスでの録音で、そのせいか緊迫感が漂っているのもいいし、シンプルなサウンドも曲の出来もいい。ポールらしいアイデアに溢れたタイトル曲もいいが、「ブルーバード」という裏名曲もある。「ミセス・バンデビルド」も聴き物。ラストの「西暦1985年」がスリリング且つドラマティックで素晴らしい。

☆121位☆

The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars/David Bowie (1972)
屈折する星屑の上昇と下降そして火星から来た蜘蛛の群れ/デビッド・ボウイ
デビッド・ボウイのみならず、70年代ロックを代表する名盤。地球に落ちてきたロック・スターの活躍を描く、というコンセプトも当時としては画期的だったと思うが、それを可能にしたのがボウイ自身の類い希なソング・ライティングの才能である。本作の凄さは、収録曲全てのグレードが高く名曲揃いであること。「月世界の白日夢」「スターマン」等々、こんな凄いアルバムは他にはない。

次回は、120位→101位です。いよいよ上位100枚に迫ってきました(笑)

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南佳孝フェス

2023年10月01日 09時28分16秒 | ライブレポート

50周年おめでとうございます。

以前にも書いたが、孤高(笑)のシンガー・ソングライター南佳孝が、今年デビュー50周年を迎えた。これは凄いことである。あの大御所ユーミンが昨年50周年を迎えた時にも感じたが、この浮き沈みの激しい世界で、ほぼずっと、途中で休業したりせずに活動を続けてきた、というのは、本当に賞賛に値すると思う。本人のメンタルや努力の賜物だろうけど、なんだんかだ言ってもやはり才能ではなかろうか。優れた作品を発表してヒットさせることで地位を築き、創作活動を継続することで安定した評価と人気を確立させ、年月が経っても過去の作品が相変わらず評価されることで、世間に忘れ去られることなく、また経済的な潤いも得ることが出来る、こういうのは音楽の才能が背景にあるからこそ可能なのだ。ユーミンだって桑田佳祐だってそう。イメージ戦略やメディア戦略だけでは、こうはいかないと思う。そんな音楽家の一人が南佳孝なのであり、ほぼ同時デビューのユーミンや、一時期同列で評価されていた山下達郎あたりと比べるとめちゃ地味だが、それでも続けてきたのは、実に素晴らしいことと思う。

50周年おめでとうございます。

という訳で、先日、南佳孝の50周年記念コンサート『50th Anniversary Live 2023 南佳孝フェス』に行ってきたのである。同じ50周年で、春から年末まで全国アリーナツアーを展開するユーミン、毎年のように全国ホールツアーを精力的に行っている山下達郎、45周年記念で茅ヶ崎野球場で4日間コンサートを開催するサザン、といった大御所たちと比べて、50周年記念だけど東京国際フォーラムで、それも一回だけのコンサートというのはいかにも地味な感じだけど(苦笑)、それも南佳孝らしくて良いではないか。そもそも50周年記念コンサートなんて、開催出来る人の方が少ないのである。

という訳で行ってきた。

場内に入ると、お祝いの花束が、奥ゆかしく並んでいた。

今回のコンサートは、50周年でもあり、南佳孝だけでなく、普段から彼が交流を持ったり共演したりしているミュージシャンたちがゲストで登場する、というのは事前にアナウンスされていた。その顔ぶれはというと、

太田裕美、尾崎亜美、杉山清貴、松本隆(トークゲスト)、鈴木茂、小原礼 他

なかなかに豪華である。チケットには”他”と書かれていたが、実際には”他”のゲストはなかった(笑)

さて、予定より10分ほど遅れて、南佳孝フェスは始まった。ステージの上のメンバーは、ビアノ、キーボード&サックス、ベース、ドラムの4人に、南佳孝のギターとボーカル、という編成。去年見に行った『南佳孝 の松本隆を歌う』の時の編成にベースとドラムが加わった感じ。

暖かい拍手と歓声に迎えられて登場した南佳孝、ギターを手に一曲目「憧れのラジオガール」を歌い始める。意外だが、近年この曲よく歌ってる気がする。実に声がよく出ているのに、いつもながら感心する。で、そのまま「日付変更線」「涙のステラ」と歌い続けてから最初のゲスト、杉山清貴が登場。

この2人、何年も前から一緒に活動してて、ライブだけでなくCDも出している。確か、どういうわけか2人揃って『徹子の部屋』にも出た事があったはず(笑) 正直言うと、南佳孝と杉山清貴のイメージが、僕の中ではどうも重ならないので(笑)、何故一緒にやってるのだろう、と不思議だったが、この時のMCでは、割に共通点があるらしい。一カ所に長くいられないとか海が好きとか(笑) ま、ここでこの2人の共演で2曲。杉山清貴と言えば、僕にとってはやはりオメガトライブなんだけど、その当時と全く変わらない声と声量は素晴らしい。あの頃より少し太ったような気はするけど^^;

杉山清貴とのセクションが終わってから「Scotch And Rain」「プールサイド」の2曲が演奏された。MCで南佳孝が、今回の50周年記念に、作詞家の来生えつこを呼びたかったのだが、体調不良で参加出来ないと返事があった、と言ってた。みんな年齢も年齢だし、色々あるんだね、なんて事も言ってたけど、来生えつこも何か病気を抱えているのなら、早く良くなって欲しいもの。「プールサイド」はそんな来生えつこに捧げたような感じかな。

南佳孝と言えば、松本隆の作詞による作品が一番多いと思うが、来生えつこと組んだ曲も意外と多いし、また名曲率も高い。有名な「モンロー・ウォーク」も作詞は来生えつこだ。確かに、この場にいても不思議な人ではない。個人的には、来生えつこって写真すらも見た事ないので、どんな人なのか見てみたい気持ちはあったけど(笑)

そして、ここで2番目のゲスト登場。尾崎亜美&小原礼である。南佳孝と尾崎亜美の組み合わせも意外だが、この2人も割と共演すること多い。この前日も、所沢で一緒だったらしい。と言っても、小原礼のバンドSKYEのイベントに南佳孝も尾崎亜美と共にゲスト出演した、という事のようで、言わば返礼みたいなものか(笑) ステージ下手から尾崎亜美・南佳孝・小原礼の順に並んで、3人とも大好きだというビートルズのナンバーなど3曲を披露。中でも、尾崎亜美の代表作と言っていい「オリビアを聴きながら」を南佳孝が歌う場面があり、これがまた良かった。”ただ歌うだけでなくドラマを感じさせるシンガー(松本隆・談)”である彼の正に面目躍如。耳慣れたはずの「オリビアを聴きながら」が違う曲に聞こえた。アコギだけのバックで歌ったこともあり、声も含めて南佳孝の個性が際立っていたように思う。やや意外ではあったが^^;

尾崎亜美は皆さんご承知の通り、非常に才能豊かな人であり、名曲も多く発表しているが、その存在は今イチ地味である。本来なら、ユーミンや中島みゆきとまではいかなくても、竹内まりやくらいのポジションにいてもおかしくない人なんだけど。不思議だ。その夫である小原礼は、ゲストなんだけど、意識しておとなしくしてた感がある。確かに、この人は本来ベーシストだしね。もっとベース弾いて欲しかったけど無理か(笑)

ここでまた南佳孝ひとりに戻って「コンポジションⅠ」「夜の翼」「ブルーズでも歌って」と隠れた名曲が続く。たまりません。なんか進行を間違えたらしいけど、ご愛嬌ってことで(笑)

ここで3番目のゲスト、太田裕美登場。こちらも意外な組み合わせだが、先ほどの尾崎亜美同様、結構付き合いは古いらしい。まずは太田裕美の大定番「木綿のハンカチーフ」を2人で歌ったところで、松本隆そして鈴木茂登場。ひとしきりトークに花を咲かせた後、この日の為の新曲を、鈴木茂を交えて演奏。太田裕美はここまでで、ちょっと残念。客席から見る限り、外見も声も全く昔と変わってないのが凄い。衣装も昔のまんま。恐れ入りました(笑)

鈴木茂はそのままステージに残って「そばかすのある少女」「スタンダード・ナンバー」、そして、客席とのコール&レスポンスを交えてランディ・ニューマンの「Sail Away」。この前にもう一曲演奏したように思うのだが、忘れてしまった^^;年は取りたくない(爆)「そばかすのある少女」には杉山清貴も参加。何でも、彼は昔から鈴木茂のファンだったそうな。

余談だが、今から40年近く前、当時通っていた大学の学園祭に南佳孝がやってきて、もちろん見に行った事がある。その時も、アンコール(だったと思う)で「Sail Away」を歌っていた。この日のMCから察せられたが、思い入れの深い曲のようだ。確かに名曲だし、歌ってて気持ち良さそう^^

ただ残念なことに、「Sail Away」でコンサートは終了。ちょっと少ないような気がしたが(笑)、ゲストとの共演もあったし、こんなものかな。

もちろんアンコールありで、ゲストもステージに勢揃いして「スローなブギにしてくれ」「モンロー・ウォーク」とお約束の定番曲。太田裕美と尾崎亜美も曲の一部で歌ったのだが、2人とも低い音域で歌ってもなかなかである。素晴らしい。さすがキャリア長いだけあって実力は十分なのだ。

50周年記念コンサートを締めくくったのは、これまた定番「冒険王」。松本隆もいたし、これしかないかな。いつ聴いても素晴らしい曲であり歌なのであった。

2時間ちょっとのコンサートで、もっとやって欲しかったけど仕方ないか^^; 年を取るにつれて、南佳孝の歌は円熟味を加え、以前にも増して素晴らしい。堅実なバックの演奏(特にピアノが素晴らしい)もあり、またゲストとの楽しいトーク等もあり、非常に素晴らしいコンサートだった。南佳孝は、普段はもっと小規模な会場でライブを割とまめに行っており、いつまでも歌い続けて欲しいと思う。また、この日松本隆とのトークの中で、新曲作ろうなんて話も出てて、これまた楽しみ。

という訳で、南佳孝フェスのライボレポでした。50周年おめでとうございます。またいずれ、ライブ行きますのでよろしくです(笑)

で、最後におまけ(笑)当日、会場で配っていたパンフレット。今回のゲストの皆さんのお祝いメッセージが掲載されてます。読めないと思うけど(笑)

50周年おめでとうございます。

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