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MFCオーナーのブログ

危険な金

2016年05月22日 23時42分40秒 | 音楽ネタ
今月のレコードコレクターズの特集は『20世紀のベスト・キーボーディスト/ピアニスト』である。以前にもやってたアレで、要するにレココレのライター達が好きなプレイヤーを投票してランキングを競う、という企画のキーボード版だ。ギタリスト、ベーシスト、ドラマーについては、何年か前に既に発表済みで、僕も当ブログでネタにさせて貰ったので、よろしければご覧下さい。ギタリスト編はこちら、ベーシスト/ドラマー編はこちらです。

今よくよく見てみると、ベスト・ギタリストもベスト・ベーシスト&ドラマーも、2012年の記事である。何故、今回のキーボーディストまでに4年も空いているのか? ま、いいか(爆)

という訳で、今回はベスト・キーボディストである。ま、頁を開く前から楽しみというか何というか(爆) では、例によって、まずはレココレが選んだ上位10人を紹介させて頂く。

1位・・・キース・エマーソン
2位・・・スティーブ・ウィンウッド
3位・・・ニッキー・ホプキンス
4位・・・ブッカー・T・ジョーンズ
5位・・・ビリー・プレストン
6位・・・ジョン・ロード
7位・・・スティービー・ワンダー
8位・・・レオン・ラッセル
9位・・・レイ・チャールズ
10位・・・レイ・マンザレク

う~む、亡くなった人の悪口を言わない、というのは日本人の美徳というか何というか、良くも悪くもとにかく日本人の特性なのだが、レココレのライター諸氏も間違いなく日本人であるようだ。こう言っては何だが、キース・エマーソンもジョン・ロードも、生きていればもっと順位は下だったろう。何たって、かつての編集長が「ELPとパープルの特集だけは絶対にやりません」と宣言してたくらいで、ツェッペリンやクリムゾンよりは、完全に下に見られていたバンドなのである。某萩●健●のように、音楽評論家のくせに、雑誌のレビューであからさまにパープルをバカにする原稿を平気な顔で書く輩がいる事でも分かるように、昔からELPやディーブ・パープルは人気あったけど、いや人気あったからこそ、ガキ向けの低レベルなバンドというレッテルを貼られ、通を気取る奴らからはケチョンケチョンに言われてきたのであり、またそれを許す傾向が音楽ジャーナリズムにはあったのである。そんなバンドのメンバーが人気投票で上位に入るなんて、ミュージックライフみたいなファン投票ならいざ知らず、音楽ライターによる投票ではあり得ないはずなのだ。なので、今回の結果は、「ま、キース・エマーソンも死んじまったし、よくよく聞いてみると悪くないし、供養の意味も込めて、下の方だけど一票入れておこうかな」てな心理が働いたからなのであり、フレディ・マーキュリーが亡くなった後に急にファンが増えたのと、根っこは同じである。だから、本当にレココレが一位にしたかったのは、スティーブ・ウィンウッドかブッカー・T・ジョーンズあたりだったのであろう。ほんと、死んだ人の悪口は言わないというか、死ぬと評価が上がるというか...

と、それは置いといて(笑)、この上位10人の顔ぶれ、個人的には凄く意外である。レココレ的にどうこう言ってるのではなく(笑)、キーボディストというよりシンガーとしての印象が強い人が、たくさんランクインしてるからだろう。いわゆる、弾き語りをする人たちというか。うむ、そう来るか、って感じ。そういう視点だと、絞り込みづらい気もするけどね。

前述の、ベスト・ベーシスト&ドラマーの記事を書いた時、僕は次はキーボードだろう、と勝手に予想し、僕のベスト・キーボ-ディストのランキングを掲載した。こんな感じである。

マックス・ミドルトン(26)
デビッド・ペイチ(89)
リック・ライト(41)
チャック・リーヴェル
ニッキー・ホプキンス(3)
アル・グリーンウッド
ジョン・ロード(6)
ピーター・バーデンズ
ジョン・エヴァン(78)
ジョン・ベック

「ピアノの弾き語りをする人は除外した」と断ってる(笑) 今見ると、ジョー・ザビヌルとかデニス・デ・ヤングとか入れとくべきだったかな、なんて思ったりして(笑) 名前の後の( )内の数字は、レココレのランキングでの順位である。

キーボードディストというと、ロック以上にジャズの印象が強くて、今回のランキングにも、いわゆるジャズ・フュージョン系の人がたくさん入っている(ハービー・ハンコック、リチャード・ティー、セロニアス・モンク等々)。また、前述のように、弾き語りをする人のランクインも多い(エルトン・ジョン、キャロル・キング、ダニー・ハサウェイ等々)。そういう点では、ギタリストの時みたいに、予定調和的な部分が少なくて面白く読めたかな。あと、ライターではない人に、キーボーディストについて語って貰っているのだが、ろくに楽器も弾けない評論家とか単にロック好きな俳優とかではなく、プロのキーボーディストにインタビューしてるのが大変よろしい(笑)

ついでに言うと、先月のレココレの特集は叙情派プログレで、こちらも楽しく読めた。プログレと一口に言っても範囲は広い訳で、あえて“叙情派”と一線を引いて区別しているあたりに、並々ならぬこだわりを感じたけど、結局プログレなら何でもアリ的な内容になってしまっていたのはご愛嬌(笑) 叙情派と言ってるのに、ELPが取り上げられるとは思わなかったが(爆)

前述したように、叙情派プログレバンドが、イギリスだけでなく、フランス、イタリア、ドイツ、ギリシャ等々ヨーロッパ各国から紹介されているのが面白い。やっぱり、プログレって、白人というかヨーロッパ人の音楽なんだなぁ、と改めて思う。正に西洋音楽である。確かに、アメリカにもプログレバンドは多数いるが、ほとんどが叙情派というより構築系で、それはそれで良いのだが、ちと違うのである(笑)

こういう特集を見てると、やはり色々と聴きたくなってくる訳で、手持ちの音源の中から、イエス、フロイド、ジェネシス、マクドナルド&ジャイルス等々引っ張り出して聴いてみたが、改めてその良さに感じ入ったのはキャメルだった。プログレというよりフュージョンみたいな雰囲気もあるが、叙情性という点では、他のバンドの追随を許さないものがある。しかも、分かりやすいし(笑)

あれこれ紹介されてた中で、ほとんど聴いた事なくて興味を持ったのが、ダリル・ウェイズ・ウルフ、グリフォン、ジェントル・ジャイアント、ルネッサンスといったところで、既にカートに追加してたりなんかして(笑) ルネッサンスについては、レココレでも紹介されていたアニー・ハスラム期より、キース・レルフによるオリジナル編成の方に興味がある。こっちは叙情派プログレではないのか?(爆)

こないだの連休の時の仲間内の飲み会でも、レココレのプログレ特集が話題になり、プログレ聴きたいよう、なんて声も多かったりして(笑) 今年に入ってからのレココレは、クリムゾンや大瀧詠一やらの特集が続いてて、個人的にはこの辺にはあまり興味ないもんで(笑)、ややつまらん、って感じてたけど(笑)、ここへ来て、2ヶ月連続で特集が面白いので、大変嬉しい(爆) 当然、買い物にも影響したりするのだ。

という訳で、唐突だが最近買ったCDについてあれこれ。



Wonderful Crazy Night/Elton John

エルトン・ジョン、前述のレココレのキーボーディスト・ランキングでは27位。

昨年元気に来日公演を行ったエルトンの新作。33作目らしいが、もうどうでもいい(爆) デビッド・ボウイと同じ1947年生まれなもんで、色々と心配だが、ひとまずエルトンはまだまだ大丈夫そう。この新作も素晴らしい。ほとんどが弾き語りで枯れた印象の前作と比べると、バンドと共に録られた本作は、明るく躍動感に満ち溢れ、エルトンが絶好調である事を伺わせる。レココレのレビューで、和久井光司氏に“できすぎで却ってつまらん”と言われてしまうくらい、充実した内容である。冒頭の3曲なんて、言うことなし!

あまり考えたくないのだが、あと何枚エルトンの新作を聴けるのだろう...と思うと、新作が出るだけでも有り難い、なんて気になってくる(笑) 内容がいいから、というのはあるだろうね。新作の出来がひどかったら、もう引退しなよ、なんて言ってしまうだろうから(爆)

そういう意味では、エルトンってやっぱり凄い。



Maiden Voyage/Herbie Hancock

ハービー・ハンコック、レココレのキーボーディスト・ランキングでは18位。

『処女航海』の邦題でお馴染み、ハービー・ハンコックの代表作と言っていいのだろうか。この人、ジャズ畑の人ではあるが、映画の音楽を手がけたり、ファンクやヒップホップに接近したりと、こちらの方(笑)とも接点が多いので、本当に凄い人なんだ、という印象は持ってて、優れたアルバムも多く世に送り出している、というのも理解しているのだが、でも僕はハンコックというと、まず『処女航海』を思い浮かべてしまう。

と言っても、このアルバム、通して聴くのは今回が初めてだ。タイトル曲は以前から知ってたけど。最近どういう訳かジャズに興味があって、おそらくのきっかけは、2~3年前にレンタルで借りた『This Is Jazz』というコンピだったかと思う。早い話、ジャズの有名曲を1枚にまとめた入門編的なコンピだった訳で、アート・ブレイキーの「モーニン」とか、バド・パウエルの「クレオパトラの夢」とか、曲名ではピンとこなくても、曲を聴けば多分知ってる、という有名曲に混じって「処女航海」も収録されていた。それを聴いてるうちに、CDが欲しくなってしまったのである(笑)

改めて聴いてみると、なかなか良い。収録された5曲はどれも海をイメージしたハンコックのオリジナルだが、やはりタイトル曲が出色の出来である。淡々とした印象の曲で、トランペットやサックスのソロも吹きまくり、という感じではないのだが、非常にエモーショナルなものを感じさせる名曲・名演である。あとラストの「ドルフィン・ダンス」も同傾向の名曲。当たり前だが、演奏者全てが生楽器なんだよね。そこもなんか、凄いなぁ、なんて思ったりして(よく分からんぞ) 5曲全て一日で録音してしまった、というのも凄い。静かな中にも漂う緊迫感はそのせいか。



Danger Money/UK

エディ・ジョブソン、レココレのキーボーディスト・ランキングでは31位。

やっぱり出たプログレ(爆) ご存知、エディ・ジョブソン、ジョン・ウェットン、テリー・ボジオによるプログレ・トリオの1979年のアルバム。久々に聴いたけど、いいねぇ(笑) とにかく「ランデブー6:02」は名曲です。

UKについては、以前書いた事があるので、よろしければどうぞ。こちらです。

という訳で、あれこれは書かないけど(笑)、UKはプログレと呼べる最後のパンドだったような気がする。複雑さとポップ性が同居してる所に時代を感じるが、このまま続けて80年代に突入してたら、エイジアみたいになったのだろうか。う~む、それはイヤだなぁ(爆)

ところで余談だが、このUKのアルバムを含む50枚が、プログレッシブ・ロック編として最近ユニバーサルから再発されている。これらのCDにはシールが貼られており、その裏にはなんと当たりくじが隠されている。当たりを引けば、もう1枚貰えるそうな。もしはずれでも、5枚集めれば、やはり1枚くれるらしい。で、買ってしまうのである(爆) なんて罪作りなんだ(爆爆)





コメント (7)
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