秋である。ある人にとっては「食欲の秋」であり、また「読書の秋」であり、「芸術の秋」でもある。秋は美味しい物がたくさん収穫されるので「食欲の秋」、夜が長くなるので本を読む時間も増えるというので「読書の秋」、まぁここまでは分かるが、「芸術の秋」ってのはどういう理由なのだろう? 秋になると、何故か皆物思いにふけり詩人になるからだろうか。そう、秋は人を詩人にする。みんなが芸術家なのだ。Everybody's A Artist!(意味不明)
さて、そんな「芸術の秋」という訳で、先週の土曜日(28日)に珍しく美術展に行ってきた。神戸市立博物館で開催されている「オルセー美術館展」である。MFCオーナーに絵を愛でる趣味があるのか!と驚いておられる方もいらっしゃるだろうが、昔から絵を見るのは好きなのだ。ただ、難しい事は分からないので、単に見てて好きかどうか、だけでしか判断できないのだが(笑) でも、確かに美術展に足を運ぶなんて滅多にない。あの忍者さんですら、プラド美術館展を見に行ってるというのに。ま、今回は、とある筋から無料入場券を貰ったので、行ってみようかな、という気になったのだが(笑)
という訳で、「オルセー美術館展」だ。あのルーブル博物館とセーヌ河をはさんで対岸に位置しているのだそうだ。でも、開館は1986年と、割合最近。今回は、全てのコレクションが日本にやってきたわけではないそうだが(当たり前だ)、かなり有名な絵も展示されており、人気が高い美術館らしい。と、伝聞ばかりで申し訳ない。詳しくはホームページを見て下さい(笑)
本国でもそうなのか、今回の美術展では、1.親密な時間 2.特別な場所 3.はるか彼方へ 4.芸術家の生活 5.幻想の世界へ と、5つのセクションに分けられ、それぞれのテーマに沿った作品が展示されていた。なかなか面白い企画だ。いわゆる印象派の画家の作品が中心らしいが、マネ、モネ、ゴッホ、ルノアール等々、僕ですら名前を知っているメジャーな人たちの作品も多く、そのせいか、館内もかなり混み合っていた。けど、絵の前に柵が作られ警備員が立っている、なんて事はなく、近くに寄って絵を眺める事が出来たのは良かった。個人的には風景画が好きなので、この5つのセクションの中では「特別な場所」が印象的だったかな。「はるか彼方へ」も良かったけど。
前述したように、かなり人が多かったのだけど、ひときわギャラリーを集める絵があった。何だろう、と近寄ってみたらセザンヌの作品だった。やはり人気高い(笑) また、画家たちの中にオディロン・ルドンの名前を見つけて、ちょっと懐かしい感じがした。小学生の頃、母に連れられてオディロン・ルドン展を見に行ったことがあるのだ。その時に買ったパンフレットも、まだ実家にある。なんというか、悪く言えば気味の悪い、よく言えば幻想的な絵を描く人、という印象があり、考えてみると小学生には刺激が強かったのかもしれないが、今でもその名前を覚えている所をみると、相当インパクトは強烈だったようだ。今回の「オルセー美術館展」に展示されていた作品も、さほど刺激が強いものではなかったが、やはり幻想的なテーマと筆致が印象的だった。
ま、美術には縁遠い僕が、これ以上説明してもしかたないので(笑)、ここいらで止めておく。ただ、全体的にはオーソドックスかつノーブルな雰囲気の絵が多く、気のせいか館内にも穏やかな雰囲気が漂っていた。ギャラリーが大勢いた、と言ったが、決して押し合いへし合いしながら慌しく鑑賞するのではなく、ゆっくりとじっくりと見れたし、非常に良い体験をさせて貰ったと思う。久々に過ごした、バンド練習やセッションではない休日は、とても貴重なものとなった。たまには絵を鑑賞するのもいいものだ。
この「オルセー美術館展」、来年1月8日まで開催されているので、是非行ってみて欲しいと思う。入場料は大人1500円、決して高くない。え?タダ券で入場したヤツが言うんじゃない、って?どうも失礼しました(笑)
で、今回の戦利品である。
実はゴッホの絵って、結構好きなのだ。本当はレプリカ買って帰りたかったけど、ちょっと悩んでしまった。いや、決して手が出ない値段ではなかったのだけど、汚い部屋に飾ってもなぁ...なんて、つい躊躇してしまったのだ(笑) で、代わりにマグカップにしたという次第。これでコーヒーを飲むたびに、心はアルルへ...って事はないか(笑)