日々の覚書

MFCオーナーのブログ

シーナはモダン・ガール

2022年05月29日 11時32分10秒 | 音楽ネタ

またしても大物ミュージシャンの訃報である。それも二人も....ひとりはバンゲリス。ギリシャ出身の元アフロディーテス・チャイルドというより、『炎のランナー』や2002FIFA日韓ワールドカップのテーマ曲を手がけた事で知られる人だ。享年79歳。そして、もうひとりはイエスのドラマーとして有名なアラン・ホワイト。享年72歳。どちらもショックだった。謹んでご冥福をお祈り致します。

このどちらとも関わりがあるのがジョン・アンダーソンだ。続けて二人の盟友を失って何を思うのだろう?

という訳で、最近買ったCDから(唐突)

The Definitive Singles 1980-1987/Sheena Easton

前回、マライア・キャリーは90年代の歌姫だ、と書いたが、それならば、このシーナ・イーストンは80年代の歌姫と言ってもいいのではなかろうか。ま、異論はあると思うが^^;

そのシーナの、EMI時代の英米での全シングルを集めたのがこれ。3枚組で、デビュー曲の「モダン・ガール」から1987年の「イタニティ」までのシングル曲がDisc1及びDisc2の途中までリリース順に収録され、残りDisc2の後半とDisc3は、よくあるリミックスやロング・バージョン等が占めている。いつも思うのだが、この手の編集盤に12インチ・バージョンはいらない。別に必要でもないし、どうしても聴きたいという事もない。シングル・バージョンだけで十分。その分、枚数減らして値段安くして貰いたい(笑)

と、まぁ、そんな訳で、シーナのシングルがまとめて聴ける優れ物である。正統派ポップス路線でデビュー、「モダン・ガール」「モーニング・トレイン(9 to 5)」がヒットして注目され、デビュー2年目にして007シリーズの主題歌を担当する大役に抜擢、正にシンデレラ・ストーリーと言っていいスタートを切り、その後も順調にヒットを重ねつつ、プリンスに接近したりなんかしながら徐々にダンス系に傾倒していく、という80年代のシーナの歩みが、ヒット曲を楽しみながら俯瞰出来てしまうのだ(笑) ちなみに、プリンス直伝のダンス路線は、1988年のMCA移籍第一弾『ラバー・イン・ミー』で見事に結実している。

ま、とにかく、どの曲も素晴らしい。シーナ自身もさることながら、良いスタッフに恵まれていたのだろう。曲もサウンドもプロの仕事って感じ。個人的には、「モダン・ガール」を聴いてシーナに興味を持ち、デビュー・アルバムを買ってすっかりファンになってしまった、という経緯もあって、その後もずっとシーナをマークしていて、アルバムもだいたい聴いてた。以前、シーナのデビュー・アルバムについて、ブログネタにした事があるので、よろしければご覧下さい^^ こちらです。

前述の『ラバー・イン・ミー』以降も、しばらくシーナはチェックしていたのだが、そのうち聴かなくなってしまった。あれからどういう活動してたんだろう? 近頃では、何年かに一度来日し、ビルボードライブでのみライブしてるみたい。見てみたい気はするけどね...^^;

お次は、

Pyromania/Def Leppard

以前にも書いた事があるが、僕はハード・ロック好きだった割には、80年代のHR/HM系はあまり聴いてない。NWOBHMとかLAメタルとかのムーブメントもあり、単なるハードロックではなくジャンルも細分化され、様々なバンドが登場してヒットチャートを賑わせたりなんかしてた訳で、こっち方面が好きなら盛り上がらないはずはないのだが(笑)、70年代のハードロックと80年代のHMは違うものだ、と頑なに思っていたのだろう。80年代のHMバンドは、どれも同じに聞こえたし(笑) なので、当時僕が聴いてたのはラットとデフ・レパードくらいだった。

で、そのデフ・レパードの1983年発表の3枚目がこれ。邦題『炎のターゲット』。いやいや久々に聴いたけど、いいっすね(笑) デフ・レパードはNWOBHMの波に乗って登場したが、元々その音楽性はメタルというより、グラム系ハードロックに近くて、そこいらは明らかに同時期に登場したバンドとは違っていた。本作も、メロディックでキャッチーな曲が多いが、ブリティッシュ・バンドらしい重厚さとウェット感は残っており、後のようにアメリカナイズされる一歩手前で踏ん張っている感じで、まぁ、とにかくよろしい(笑) 当時アメリカでベストセラーとなってデフ・レパードはスターダムにのし上がった訳だが、今考えてみると、よく売れたなとも思う。ブリティッシュ・ハードロックの名盤には違いないのだが、アメリカでウケる音ではないような気がするもんで^^;

続いて、

Night After Night/U.K.

こちらも『炎のターゲット』同様、何故今さらという感じだが、色々事情がありまして、申し訳ないっす(誰に言ってんだか。笑) ま、今さら解説するまでもない、ジョン・ウェットン、エディ・ジョブソン、テリー・ボジオによるキーボード・トリオUKのライブ盤にして最終作である。1979年発表。実は名盤が多い事で知られるライブ・イン・ジャパンなのだが、こちらも例外ではなく名盤。ほんと、よく聴いてたなぁ。本作については、以前ブログネタにした事があるので、よろしかったらご覧下さい。こちらです(またかよ)

ところで、このアルバム、SHM-CD仕様で再発されたものだが、ボーナス・トラックとして、「ホエン・ウィル・ユー・リアライズ」という曲が収録されており、これがパンキッシュな感じの曲で、UKのイメージと違ってて、なかなか面白い。知らなかったけど、「ナイト・アフター・ナイト」がシングルで発売された時のB面だったそうな。こんな曲を聴くと、あの時解散したのは実に惜しかったな、と思う。40年以上前のことなんだけどね^^; ジョン・ウェットンもこの世にいないし、つくづく世の無常を感じる今日この頃(意味不明)

で、最後、

Footloose(Original Soundtrack)

これも今さら、っすね(爆) これも以前ネタにしたので、よろしければどうぞ。こちらです。ま、手抜きと言えば手抜きなんだけど(笑)、特に昔と考えが変わってる訳でもないし(笑) ま、自分にとっては、今でもあの80年代を象徴する一枚であるのは間違いない。

ところで、このアルバムには、カーラ・ボノフの「Somebody's Eyes」という曲が収録されており、実はこの曲とても好きで、この曲聴きたさにCDを買ったようなものでもあるのだが、今回初めて、この「Somebody's Eyes」がカーラ・ボノフの自作ではない事を知った。実に今さらながら、ちょっとショックである(爆)

早く、マスクしないでも外出できるようになるといいですね^^

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マライア

2022年05月03日 14時55分24秒 | 音楽ネタ

歌姫と呼ばれる人たちがいて、歌が上手くて容姿にも恵まれていて、つまり実力と見た目の両方で聴衆を魅了出来る人たちの事だ。ディーバ(Diva)とも言う。イタリア語らしい。僕の記憶では、歌姫よりディーバという言葉がよく使われるようになったのは、アニー・レノックスが『ディーバ』というアルバムを発表してからではないだろうか。『ディーバ』とは歌姫という意味です、なんてあちこちで言われてた気がする。ちなみに近頃では、ディーバでググると、連結会計とかグループ会計管理とかいった言葉が上位に来る。よく分からん^^;

という訳で、歌姫である。先ほど、歌姫とは実力プラス容姿と書いたが、ウィキペディアによると、ディーバとはオペラの世界で成功した女性を指す言葉で、プリマドンナと密接に結びついているのだそうで、容姿が優れているのが条件とは書かれていない。が、歌姫というと、やはり美人歌手を思い浮かべてしまうのは仕方ないところで、人前に出る以上、実力だけでなく容姿も良い方が有利ではある。ジャンルにもよるが、見た目の華やかさもエンタテインメントの重要な要素には違いない。歌姫とは、そういう要素を満たした希有な存在なのである。誰しもがなれる訳ではない。だから歌姫は人々から惜しみない賞賛と憧憬を集める事ができるのだ。

歌姫は登場しただけで、場の空気を一変させる力がある。その場にいる全ての人の目は歌姫に釘付けとなる。ただステージに立って歌うだけでいいのだ。楽器を弾くなどという俗な行為は下僕に任せておけばよろしい。歌姫とはそういうものだ。

昔から歌姫という称号に値する歌手はたくさんいたと思うが、マライア・キャリーも歌姫という呼び名がふさわしい歌手ではなかろうか。と何故か唐突だが、今回のネタはマライア・キャリーなんである。前振り長くてすまそ(笑) 

マライア・キャリー。1990年デビュー、すかさず全米No.1ヒットを連発、一気にスターダムにのし上がって、以来現在に至るまで、多少の浮き沈みはあったものの、トップスターの座を守り続けてきた。19曲もの全米No.1ヒットを持っているというのが凄いが、10週以上の1位が2曲あるというのも凄い。間違いなく記録にも記憶にも残る歌手であろう。

実は、僕も一時期マライアを聴いてた時期があり、デビュー・アルバムもほぼ出ると同時に買っている。5オクターブ半の声域を持つ実力派でありながら、自身で作曲・プロデュースも手がける才女であり、加えて美人^^;と、各方面でかなり評判になっていたので、ちょっと興味を惹かれたのだ(笑) けど、そのデビュー・アルバム『マライア』を聴いてみた印象としてはまぁまぁという感じ。悪くはないけど、それ以上のものは感じなかった。が、このデビュー・アルバムからなんと4曲もの全米No.1ヒットを放ち、その後も順調な活動を続けるのを見ていると、やはり気になって、結局マライアの90年代のアルバムは全て聴いている(レンタルだけど^^;)。が、2000年代以降はほとんど聴いていない。環境が変わってレンタルに行けなくなったのもあるが、2000年前後からマライアがヘンな方向に行き始めたように感じられたからでもある(特にビジュアル面)。

なので、僕はマライアのCDは、前述したデビュー・アルバムと『#1's』というベスト盤、それと2009年の『Memoirs Of An Imperfect Angel』(これはフォリナーのカバー目当てで買った^^;)しか持っていなかった。が、最近になって、これがきっかけで、これまで自分が聴いてきた名盤を振り返ったりしてるうちに、レンタルでしか聴いてなかったマライアの昔のアルバムが聴きたくなってきて、2枚程買ったのである。それがこれ。

 

左が1991年の『エモーションズ』、右が1997年の『バタフライ』などと、改めて説明せんでもご存知の方は多いだろう。デビュー・アルバムを含め、マライアは90年代に6枚のオリジナル・アルバムを出しているが、その中でも出来の良い2枚と、個人的には思う。

僕の印象では、デビュー時からのマライアの音楽は割にオーソドックスで、70~80年代からの正統派ポップスのスタイルを踏襲していて、そこにゴスペルやR&Bの要素をまぶしたものだ。1995年の『デイドリーム』までは、このパターンでアルバムが作られているが、少し作風に変化が見られたのが、1997年の『バタフライ』で、ヒップホップの要素を大胆に取り込み、このパターンは次作の『レインボー』でも続いている。その後はよく分からない^^;

前述したように、デビュー・アルバムが今イチだったので、僕のマライアに対する興味は薄れており、その翌年、2ndアルバム『エモーションズ』が出た時も最初はスルーしていたのだが、シングルになった「エモーションズ」が気に入ってしまい、レンタルとはいえ2ndも聴いてみた。そしたら、さすが稀代の歌姫、デビュー・アルバムよりさらに進化した内容になっていたもんで、すっかり気に入ってしまったのであった。

当時、チャートを席巻していたC+Cと組んだタイトル曲は、軽やかなリズム、ゴスペルチックなピアノとボーカル、マライアの高音域ボイスが堪能出来る名曲だが、それ以外の収録曲も粒よりである。アップテンポとスローな曲の配分が良く、スローの方は、ブルースやゴスペルの雰囲気満載で、素晴らしい出来映え。ここいらは他のバラード系歌手とは、この時点ではマライアが一線を画していたと言える。ただ残念なことに、この路線は2ndまでで、次作以降は大仰な歌い上げバラードが定番スタイルになっていく。

『バタフライ』は人気絶頂にあったマライアが、前述した通り、ヒップホップを取り入れたアルバムである。シングル・カットの「ハニー」は、マライアの特性とヒップホップの要素が無理なく混在した名曲だった。が、今回、久々にアルバムを聴いてみると、定番バラードが相変わらず多いのと、そっち方面のミュージシャンと組んだヒップホップ系の曲が、「ハニー」以外は案外面白くないのとで、ま、フツーの出来である。当時は良いと思ったのだが^^;

この頃、マライアのライブ映像もいくつか見た事がある。実力もさることながら、ビジュアルも良く、本人もサービス精神旺盛でもあり、非常に楽しめるライブだった。そういえば、ライブとは違うけど、1996年か97年頃だと思うがMTVかどこかが、アレサ・フランクリンの偉業を人気シンガーたちが讃える、みたいな番組をやってて、偶然見た事がある。出演は大御所アレサをはじめ、セリーヌ・ディオン、ホイットニー・ヒューストン、シャナイア・トゥエインにマライア・キャリーという顔ぶれで(確か)、それぞれのジャンルからトップクラスの歌姫たちが勢揃いしてた訳で、正に絢爛豪華という内容だった。で、その時のマライアなんだけど、前へ前へとアピールする歌姫たちを尻目に、最初から最後までアレサ・フランクリンをエスコートしていて、例えは悪いが、祖母に付き添う孫娘みたいな感じ(笑) ま、自分が目立つ事より、アレサ・フランクリンを讃えるのが番組の趣旨だったので、マライアの行動は正しいのだが、実は性格いい人なのかも、なんて感じたりして^^;

という訳でマライア・キャリー、90年代の歌姫と呼ぶにふさわしいシンガーだと思うけど、どうなんでしょう? ま、”今も”、なんですけどね^^; 

コメント (2)
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