日々の覚書

MFCオーナーのブログ

奇跡の9ヶ月

2011年06月28日 22時37分49秒 | 本と雑誌

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やや遅くなったが、今月のレコードコレクターズの特集はキャンディーズである。日本の歌謡曲系がレココレで取り上げられる事自体珍しいのに、キャンディーズとはむちゃくちゃ意外な気がするけど、よくよく考えてみるとそうではない。洋楽(ロック)好きでありながら、実はキャンディーズが好き、という人は実は多いのだ。僕の周囲にも結構いた。特定の世代にとっては、キャンディーズは別格なのだ。もしかすると、山口百恵やピンク・レディー以上に。何故なのかは、よく分からないけど(笑)

ついでに言うと、今月のもうひとつの特集は、こりゃまた意外なことにTOTOである。先月号でレインボーの特集が組まれた時も、レココレも変わったもんだと隔世の感に捉われたものだが(笑)、今月はTOTOである。レココレでフォリナーやジャーニーの特集が実現する日も近いかも(爆) と、それはともかく、レココレは変わりつつあるような気がする。いや、洋楽ジャーナリズムが少しづつ変化してるのかもしれない。やはりレココレの今年の2月号で、ムーンライダーズ(というか鈴木慶一)の特集が組まれたのだが、そこに掲載されたインタビューの中で、鈴木慶一がムーンライダーズ結成の頃を振り返って、1975年頃10ccの「アイム・ノット・イン・ラブ」やクイーンの「キラー・クイーン」を聴いて「やっぱイギリスは面白い」と大いに刺激された、という発言をしている。これこそ、21世紀の今だからこそ、公にされる発言であろう。前世紀であれば、封印されたはずだ。なんたって、最先端のミュージシャンがクイーンを肯定してるのである。かつての日本の洋楽ジャーナリズム的思考では、クイーンなんてバカにされるべき存在であり、鈴木慶一クラスがクイーンを良いなんて言う訳ないし、また言っちゃいけないのである。このインタビューは最近のもので、鈴木慶一自身も今だから口にしたのかもしれない。10年前なら言わなかったろう。それくらい、日本の洋楽ジャーナリズムは変化しているのだ(なんのこっちゃ)

という訳で、その変わりつつあるレココレ、今後どんな展開を見せるのか、非常に楽しみである。こんな境地にたどり着くのに20年かかったけど(爆)

閑話休題。で、そのレココレのキャンディーズ特集だが、「奇跡の9ヶ月に何が起こったのか」という記事が興味深い。奇跡の9ヶ月とは何か。1977年7月の解散宣言から1978年4月のファイナル・カーニバルまでの間、つまり最後の9ヶ月、キャンディーズは今までになく盛り上がった。精一杯盛り上げて送り出してあげよう、というファンクラブの熱意と活動によるものであるのは間違いないが、それほど熱心なファンでなくても、この時期だけはキャンディーズ一色だった、という人も多かった。そんな、熱心なファンもフツーのファンもにわかファンも巻き込んでの一大キャンディーズ・フィーバーが吹き荒れたのが「奇跡の9ヶ月」だったのである。うむ、実に懐かしい(笑)

僕自身はどうだったのか、というとビミョーだなぁ。『8時だョ!全員集合』などを見てて、デビュー前から知っていたせいか、キャンディーズには親しみを感じていたし、ヒット曲が出てメジャーになったのも嬉しかったし、作品を重ねるごとに曲のクォリティも歌唱力も向上していくのが分かったし、それなりにキャンディーズには注目していたのである。ただ、ファンというほどではなかったような^^; けど、後から出てきたピンク・レディーよりは、圧倒的にキャンディーズ派であった。よく比較されてたけど、歌ってる曲も全然違うし、僕としてはキャンディーズの方が実力は上と思っていた。あの頃は、アイドルというと低く見られていたけど、それでも、男だろうが女だろうが、グループであれば曲の途中でハモったりするのは当たり前で、そんな中でもキャンディーズは上手かったのである。今では、AKB48もモーニング娘。もSMAPもハモる事なんてまずないけど、いつからアイドルグループはユニゾンで歌うのが普通になったのか。悲しい^^;

好きな曲も多かったけど、一番好きなのは、ちょうど解散宣言した頃に流行っていた「暑中お見舞い申し上げます」である。レココレの特集ではこの曲について、「クイーンのバイシクル・レース並みに、情報量が豊富なシングル曲」なんて書いてあるけど(笑)、明るく浮き立つようなテンポと曲調、サビ部分の見事なハーモニー、曲のあちこちに入る合いの手、などなど実に夏らしく、ほんとウキウキしてくる素晴らしい曲である。この曲が好きだっただけに、余計に解散宣言はショックだった。音楽的には絶好調に見えたので、勿体ないと感じたのだ。この後、解散に向けてのカウントダウンが始まると、その思いは一層強くなった。その頃リリースされたシングルは、どれも素晴らしい曲ばかりだったからだ。初のオリコン一位になったラストシングル「微笑みがえし」がフツーの曲に思えてしまうくらい(笑)

でも、僕もその「奇跡の9ヶ月」の最中、それなりに盛り上がっていたのだろう。時折見る程度だった『みごろ!たべごろ!笑いごろ!!』も、解散宣言以降は毎週見るようになったし(笑) 高校受験の時期だというのに(笑)

余談だが、そのキャンディーズの解散コンサートが、フォリナーの初来日公演(東京公演)と同日に行なわれたのは一部では有名な話だが(笑)、どちらへ行こうか、迷う人はまずいなかったのでは、と思われる。レココレの記事の中で、伊藤秀世氏が「フォリナーの東京公演が武道館で予定されていたが、私は一秒も迷わなかった」と書いているが、伊藤氏がキャンディーズとかぶらなかったとしても、フォリナーを見に行くとはどうしても思えないので、これはマニアウケ狙いであろう(爆) ちなみに、僕も迷わずフォリナー見に行きました(爆爆)

解散後、ラン・スー・ミキの3人が揃ってステージに立つ事はなかった。昨今の再結成ブームにあっても、キャンディーズの再結成は実現しなかった。彼女たち3人は、ずっと“元キャンディーズ”のままだった。スーちゃんは、解散後10年近く経過するまで、プライベートなカラオケなどでも、絶対にキャンディーズの曲を歌うことはなかったという。

「奇跡の9ヶ月」、キャンディーズの3人にとってもファンにとっても、輝ける幸福な日々だったに違いない。

所で、キャンディーズって何年かの周期でプチブームがあったような気がするが、こんなCDが出ていたのをご存知の方はいらっしゃるだろうか?

Candiesbeats

タイトルは『Candies Beats』という。写真が小さくて申し訳ない^^; 1989年か1990年頃に出たと記憶してるが、いわゆるリミックス・アルバムだ。当時、カセットに録音して車でよく聴いてた。キャンディーズの曲を、ボーカルはオリジナルのまま、バックトラックを差し替えて、ハウスやダブやメタルに変身させたもので、まぁ別に珍しいモノではないのかもしれない。実際、リミックスが成功してる曲ばかりではないし。けど、冒頭を飾るハウス版「危ない土曜日」は素晴らしい。原曲より良いかも^^; 中古レコード屋で500円以下で売ってたら、買ってもいいかもしれません(笑)

キャンディーズ再結成は永遠になくなってしまった今、夫婦でカラオケに行くと、時折「微笑みがえし」「ハートのエースが出てこない」あたりを一緒に歌ったりする。それは、とても楽しいひと時である。

スーちゃんのご冥福を、心よりお祈り致します。

コメント (8)
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