「早春」DEEP END
1970西ドイツ/アメリカ
監督:イェジィ・スコリモフスキ
脚本:イェジィ・スコリモフスキ、イェジィ・グルザ、ボレスワフ・スリク
出演:ジェーン・アッシャー、ジョン・モロダー=ブラウン
ダイアナ・ドース
これも「中欧映画地下上映会」にて鑑賞。
ポーランドの作家の映画というんで、多少の先入観を(「灰とダイヤモンド」「尼僧ヨアンナ」「水の中のナイフ」「偶然」・・・・・えらい先入観だ)もって観にいったけれども、
蓋をあけてみるとちょっと場末な雰囲気のただよう純朴な青春映画だったので、意外。
観た後に思いおこしてみるにつれ、どんどん愛着がわいてくる。
ああ、いい映画だったなあ(しみじみ)
**
15歳の少年マイクは、(たぶん)ロンドンのプール付き公衆浴場で接客係として働きはじめる。おなじ接客係のスーザンは年上の美人。
マイクはスーザンに恋心を抱くようになる。
スーザンには婚約者がいて、デートに出かけるのだが、マイクは後をつけて、ポルノ映画館に忍び込んだり、会員制クラブの入り口で待ち伏せたりする。
(ああ、こういう怪しい行動、身に覚えがあるなあ(^^;))
スーザンはプールの指導員の親父とも関係があることがわかり、マイクは混乱する。アバズレめ!でも恋心はつのるばかり。
(これもわかるなあ(^^;))
ある雪の日、マイクはスーザンが乗るプール指導員の車に細工をし、パンクさせてしまう。怒ったスーがマイクにつかみかかるうちに、指輪のダイヤが外れて雪にまぎれてしまう。焦るスー。
マイクとスーは雪を根こそぎプールに運び、雪を溶かしてダイヤを見つけようとする。
スーがプール指導員とけんかをしているあいだに、マイクはダイヤを見つけるが、見返りに無言でスーとの関係を求める・・・
**
浴場やプールという、極端にウエットな舞台なのに、
全編のトーンはけっこうドライである。
マイクの恋心に過度に移入することなく、淡々とすれちがいや葛藤をつきはなして描く。この距離感が面白い。
ウエットなプールはマイクとスーザンの二人の関係が変容していく舞台装置なのだろう。
プールの中でのマイクとスーザンの関係性がおもしろかった。
最初は幻覚として。
つぎは看板の人形と。
そして最後はスーザン自身と。
最後に空のプールで関係が帰着したかと思わせながら、そこへ流れ込んでくる水。
思わぬかたちで終わりを遂げるふたりの、
妄想から現実へと至り、また妄想へと帰る道である。
**
というようなことをさておいても、
全編妙に軽いネタがしこまれていて退屈しない。
クラブ前で待ち伏せする時のホットドック食いまくりネタとか、
ポルノ映画館で追い出された復讐に夜道でスーの婚約者をハメるネタとか、
浴場の受付のおねえさんがスーの飲んでいる飲み物に香水?をシュッシュッとやる絶妙な間合いとか、
笑いに事欠かないのがよかった。
あと途中、カンの「マザースカイ」がすごくいい感じに流れる。
うわ、カンってこんなかっこよかったか??
それと、ジェーン・アッシャーってこんなにいい感じの女優さんだったんだ~と萌え。
場末のポルノ映画館なんかのエピソードなんかは、どうもジェーン・アッシャーがいるせいか、ハンブルク時代のビートルズの面々の多分汚れた青春時代なんかを脈絡なくも思い起こさせたりする、ちょっとダーティなヨーロッパの青春?
(ジェーンはポール・マッカートニーとデキてたんですよね)
**
上映会後、「この映画にちなんでホットドッグが食べたい」といった友人の
その発想に清き一票!!
好き度
↑かっちょいいカンのベストアルバムですだ。
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1970西ドイツ/アメリカ
監督:イェジィ・スコリモフスキ
脚本:イェジィ・スコリモフスキ、イェジィ・グルザ、ボレスワフ・スリク
出演:ジェーン・アッシャー、ジョン・モロダー=ブラウン
ダイアナ・ドース
これも「中欧映画地下上映会」にて鑑賞。
ポーランドの作家の映画というんで、多少の先入観を(「灰とダイヤモンド」「尼僧ヨアンナ」「水の中のナイフ」「偶然」・・・・・えらい先入観だ)もって観にいったけれども、
蓋をあけてみるとちょっと場末な雰囲気のただよう純朴な青春映画だったので、意外。
観た後に思いおこしてみるにつれ、どんどん愛着がわいてくる。
ああ、いい映画だったなあ(しみじみ)
**
15歳の少年マイクは、(たぶん)ロンドンのプール付き公衆浴場で接客係として働きはじめる。おなじ接客係のスーザンは年上の美人。
マイクはスーザンに恋心を抱くようになる。
スーザンには婚約者がいて、デートに出かけるのだが、マイクは後をつけて、ポルノ映画館に忍び込んだり、会員制クラブの入り口で待ち伏せたりする。
(ああ、こういう怪しい行動、身に覚えがあるなあ(^^;))
スーザンはプールの指導員の親父とも関係があることがわかり、マイクは混乱する。アバズレめ!でも恋心はつのるばかり。
(これもわかるなあ(^^;))
ある雪の日、マイクはスーザンが乗るプール指導員の車に細工をし、パンクさせてしまう。怒ったスーがマイクにつかみかかるうちに、指輪のダイヤが外れて雪にまぎれてしまう。焦るスー。
マイクとスーは雪を根こそぎプールに運び、雪を溶かしてダイヤを見つけようとする。
スーがプール指導員とけんかをしているあいだに、マイクはダイヤを見つけるが、見返りに無言でスーとの関係を求める・・・
**
浴場やプールという、極端にウエットな舞台なのに、
全編のトーンはけっこうドライである。
マイクの恋心に過度に移入することなく、淡々とすれちがいや葛藤をつきはなして描く。この距離感が面白い。
ウエットなプールはマイクとスーザンの二人の関係が変容していく舞台装置なのだろう。
プールの中でのマイクとスーザンの関係性がおもしろかった。
最初は幻覚として。
つぎは看板の人形と。
そして最後はスーザン自身と。
最後に空のプールで関係が帰着したかと思わせながら、そこへ流れ込んでくる水。
思わぬかたちで終わりを遂げるふたりの、
妄想から現実へと至り、また妄想へと帰る道である。
**
というようなことをさておいても、
全編妙に軽いネタがしこまれていて退屈しない。
クラブ前で待ち伏せする時のホットドック食いまくりネタとか、
ポルノ映画館で追い出された復讐に夜道でスーの婚約者をハメるネタとか、
浴場の受付のおねえさんがスーの飲んでいる飲み物に香水?をシュッシュッとやる絶妙な間合いとか、
笑いに事欠かないのがよかった。
あと途中、カンの「マザースカイ」がすごくいい感じに流れる。
うわ、カンってこんなかっこよかったか??
それと、ジェーン・アッシャーってこんなにいい感じの女優さんだったんだ~と萌え。
場末のポルノ映画館なんかのエピソードなんかは、どうもジェーン・アッシャーがいるせいか、ハンブルク時代のビートルズの面々の多分汚れた青春時代なんかを脈絡なくも思い起こさせたりする、ちょっとダーティなヨーロッパの青春?
(ジェーンはポール・マッカートニーとデキてたんですよね)
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上映会後、「この映画にちなんでホットドッグが食べたい」といった友人の
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