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4月14日 春の熊狩り

2024-04-14 17:01:15 | 里山の暮らし

春の熊狩り…。といってもこの南郷地域で熊猟に出るのは、自分と親方の二人だけになってしまった。

猟師の平均年齢は75歳。さあ、やりますよ!と声をかけても、昨年まではなんとか猟が出来たが今年はもう身体が動かねえ…。今年は雪が無くて気持ちになんねえ…。

いつかこうなるだろうとは思っていたが、その危惧があっという間に来てしまった。そうなるものと思い、今まで親方にはみっちりと熊狩り・山の事を教えてもらっていた。

その親方も今年は本調子ではないようだ。教えてもらうことがこの先そう長くはないだろう。今日も貴重な一日になりそうだ。

親方宅から、直接山へ向かう。

親方は南会津でも一目置かれた南会津マタギだった。今では鉄砲は手放したが、身体は丈夫なので頭領・勢子として今でも猟に向かう。山のこと熊のこと猟のことについては「生き字引」だ。

見渡せる場所に来ると、双眼鏡でじっくりと熊の様子・痕跡をうかがう。この場でもじっくりと自分に教えてくれる。

日当たりのよい斜面ではブナの新芽が吹きだしている。春熊は木に登ってよくこれを食べている。ただ、食べに来るブナと食べに来ないブナがある。このブナがある場所、芽吹くタイミング。これも頭に入れておくこと。

タムシバのつぼみ。これも春熊がよく食べる。ただ、別名ニオイコブシというくらい香りが強い。アロマに使えるほどよい香りなのだが…。

先輩猟師たちは、熊がこの花を食べ始めると肉まで臭くなるので熊狩りを止めるという。

日当たりでは可愛いイワウチワが咲いていた。

さて、いよいよ今日の猟場へたどり着く。この黒木(針葉樹類)が集まるボッチから二手に分かれる。

親方は勢子。自分はマヂコ(射手)。お互いイヤホン付きの無線でやり取りする。ここから緊張が始まる。

熊が遊んでいるであろう眼下の斜面と、潜んでいるであろう黒木の曽根(尾根)。

たった二人の狩りなので、勢子の動きと熊の逃げる方向を鑑み最大公約数的な配置を取る。一本勝負。

雪が消えてしまった山の移動はなかなか大変。

急な斜面のトラバースや下降でよく使うのがこのハイイヌガヤだ。しなるし根張りが強い。昔はこの実を食べていたようだ。

マヂコ場へ到着。やはり雪が全くなく藪が立ってしまい見通しが悪い。これはなかなか難しいぞ…。

親方に準備完了の無線連絡をし、いよいよ追い始まった。

なるべく視界が良い場所を選び、銃口を下に向けじっと待つ。動いてはいけない。

熊が来るであろう方向から自分が見えないようにブナの樹の陰に隠れて待つ…と考えがちだが、「ひょっこりはん」のように樹の陰から覗くものならあっという間に熊に感ずかれ逃げられてしまうのだ。

ブナの樹の前に立って動かなければ、どんな派手なオレンジの狩猟ベストを着ていても熊は樹と間違う。熊は案外目は良くないのだとおもう。

遠く下方から親方の勢子声が弱く強く波のように聞こえてくる。この時間が一番緊張…汗。

ちょっとした動くもの、ガサガサ音に超敏感に。そんな時、ちょっと下方でまだ白毛のウサギが横切った。ウサギには感づかれたかな…。

長い時間、樹のつもりになって鉄砲を構えていたがとうとう親方から「ダメだ、やめっぺ。集合!」の無線が入る。

目印の大きなカツラの樹の下に集合。

はあ~、やっぱりそう簡単には行かないなあ。たった二人の熊狩りは失敗に終わりました。

沢を下って集落へ戻ります。下山後は親方宅でお茶菓子を食べながら次の計画を話し合った。

あと一回、熊狩りをやろうと思う。

畑では準備が始まった。

枯れモダを集めて火を入れる。

灰になったトマトの枯れ樹は、また次のトマトの土となる。

排水溝の泥上げも、この時期の大事な作業。

育苗の準備も始まります!

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