井上由美子『赤い波止場』

「ＢＳ日本のうた」は、カバー曲中心の構成というのが面白いのと、１曲ごとのラストにオリジナルの歌手名と発表年が表示されるのがいい。たまに意外なオリジナル歌手を知り、ああそうだったのかと思うこともある。

若手歌手をこの番組に、オリジナルでもカバーでもいいからもっと出演させてほしいところだが、今回出演の若手は井上由美子。彼女のデビューは１６年１月７日だが、花の１５年組に含めておいてもよい。デビュー後１か月の昨年２月１０日、早くもＮＨＫ歌謡コンサート新人特集に出演というのはラッキーだった。ちなみに同じ日に竹川美子も出ているが、彼女の場合はデビューから９か月も経っていた。
デビュー曲『恋の糸ぐるま』はどちらかというとアイドル演歌路線だったが、今回の『赤い波止場』は本格演歌で、堂々と唄いこなしている。昨年１０月の関西歌謡大賞のステージでも、小柄な体で力強く唄う姿が印象的だった。演歌の雰囲気を持ち合わせた楽しみな若手だ。