安倍晋三首相は、「サンフランシスコ講和史観」から逸脱した「談話」を発信すれば、世界中から袋叩きに遭う

2015年04月22日 06時35分01秒 | 政治
◆自民党と公明党は4月21日、安全保障法制の整備に向けた与党協議を開き、座長を務める自民党の高村正彦副総裁が、外国軍隊への後方支援のための新たな恒久法「国際平和支援法」で自衛隊を派遣する際、公明党の主張に沿って、例外のない事前承認を必要とする案を示して了承、与党協議は大筋で決着し、高村正彦副総裁は5月11日の最終合意を目指す考えを示したという。安倍晋三首相は、今通常国会会期末の「6月24日」までに、「安保法制関連法案」の成立を図りたいとしている。
 こうした状況のなかで、安倍晋三首相は20日夜に出演したBSフジ番組で、今夏に発表する戦後70年談話に「侵略」や「おわび」などを盛り込むかどうかについて聞かれて、「(村山富市首相談話などと)同じことなら談話を出す必要がない。(過去の内閣の歴史認識を)引き継いでいくと言っている以上、これをもう一度書く必要はない」と述べ、否定的な見解を重ねて示したという。時事通信が4月20日午後8時46分、「侵略、おわび『書く必要ない』=戦後70年談話で安倍首相」という見出しをつけて報じた。
時事通信jijicomは4月20日午後9時50分、安倍晋三首相の発言要旨を、次の通り配信した。 
 (村山富市首相の戦後50年談話に明記された侵略、植民地支配、反省、おわびという表現が入るかについて)村山首相は村山首相として語られた。(戦後60年談話を発表した)小泉純一郎首相は小泉首相として。しかし、小泉首相のときは村山談話を下敷きにしているという感じはある。私の場合はそうではなく、安倍政権として、首相である私としてどう考えているのか(を伝えたい)。先の大戦に対する反省、戦後の平和国家としての歩み、これから地域や世界のためにさらに平和に貢献していく決意。70年、80年、90年、100年に向けて、日本はどういう国になっていくか、どういう世界にしていこうと思っているのかを発信したい。そういう文脈で考える。私の考え方がどのように伝わっていくかが大切だ。(過去の談話と)同じことなら談話を出す必要がない。今まで談話が出ている。歴史認識においては、この基本的な考え方は継いでいくと申し上げている。そこ(過去の談話)に書かれていることについては、引き継いでいく。引き継いでいくと言っている以上、これをもう一度書く必要はない。
◆しかし、この発言について、野党はもちろん、野党だけでなく与党の公明党からも重視する声が上がっている。さらに中国、韓国ばかりでなく、欧米諸国から、強く反発する批判の声が噴出してきているという。
 安倍晋三首相は、祖父・岸信介元首相が、A級戦犯として逮捕され、巣鴨プリズンに3年間囚われの身となった後、極東軍事裁判(東京裁判)の被告となりそうになったところ、間一髪のところで、不起訴処分になった経緯から、「極東軍事裁判史観」「サンフランシスコ講和史観」から日本を解放したい欲望に駆られているのであろう。
 それが、「戦後レジームからの解放」とか、「日本を、取り戻す。」「河野談話・村山談話否定」の心情に露骨に表れていると見られている。
だが、残念ながら、大東亜戦争(日中戦争・太平洋戦争など複合的な戦争=帝国主義・植民地主義戦争=侵略戦争=アジア解放戦争)が終わってから70年経たに過ぎない。従って、国連が厳然と存在している以上、極東軍事裁判史観」「サンフランシスコ講和史観」から逸脱した「談話」を発信するわけにはいかない。その禁をあえて犯して勝手な談話を発信すれば、世界中から袋叩きに遭うことを覚悟しなくてはならない。
【参考引用】 
 時事通信は4月20日午後8時46分、「侵略、おわび『書く必要ない』=戦後70年談話で安倍首相」という見出しをつけて、以下のように配信した。
 安倍晋三首相は20日夜に出演したBSフジ番組で、今夏に発表する戦後70年談話に「侵略」や「おわび」などを盛り込むかどうかについて「(村山富市首相談話などと)同じことなら談話を出す必要がない。(過去の内閣の歴史認識を)引き継いでいくと言っている以上、これをもう一度書く必要はない」と述べ、否定的な見解を重ねて示した。
 新たな談話では、戦後50年の村山談話に盛り込まれた「植民地支配と侵略」や「痛切な反省」などの表現をどう扱うかが焦点。首相は番組で「私の考え方がどのように伝わっていくかが大切だ」と強調。「歴史認識においては(歴代内閣の)基本的な考え方は継いでいくと申し上げている。そこ(過去の談話)に書かれていることについては、引き継いでいく」とも語った。一方で首相は、21日からのインドネシア訪問に合わせた中国の習近平国家主席との日中首脳会談について、「まだ何も決まっていないが、自然な形でそういう機会が設けられるなら、お目にかかる用意がある」と意欲を表明。「意思の疎通をすることは両国にとって必要だ」と述べた。 


本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
小沢一郎代表が、「緊急鼎談・憲法を語る」のなかで、自民党の「日本国憲法改正草案」を厳しく批判

◆〔特別情報①〕
 「自由と平等とデモクラシ―を考える市民の会」は4月20日、憲政記念館(東京都千代田区永田町1丁目1-1)講堂で、「緊急鼎談 樋口陽一、小林節、小沢一郎 憲法を語る」を開催し、約300人が参加した。樋口陽一東北大・東大名誉教授(専門は比較憲法学、パリ大学名誉博士、法学博士、日本学士院会員。日本学士院賞受賞)、小林節慶大名誉教授(弁護士、日本公法学会、日米法学会、国際憲法学会、比較憲法学会、全国憲法研究会、国際人権法学会等の学会に所属)、小沢一郎生活の党と山本太郎となかまたち代表、司会は、堀茂樹慶大総合政策学部教授(フランス文学・哲学研究者、翻訳家)。自民党の「日本国憲法改正草案」が、いかに時代錯誤的な条文文言によってつくられたグロテスクな憲法草案であるかが、鮮明に炙り出されて、極めて刺激的な鼎談であり、かつ、安倍晋三政権を根本から揺るがす起爆力があった。

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―福田、中曽根両氏に挟み打ちされる小淵恵三氏の選挙戦 ①

 
 小淵恵三官房長官(自民党竹下派)は、福田元首相、中曽根前首相という大物政治家がいる群馬三区で、選挙のたびにこの二人の実力者の挟み打ちに合い、苦戦の連続だったが、これをよくはねのけてきた。「昭和の、日本の、群馬の後継者」を以て自ら任じ、大きな目で選挙区を見渡し、堂々と大物を相手に戦ってきた「大局的視野」に立った戦略が、効を奏してきたといっていいだろう。姑息な手段でなく、たとえ小なりといえども、正攻法を取り、それにゲリラ戦法を組合わせたのが、成功したようである。

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『ブッシュの陰謀~対テロ戦争・知られざるシナリオ』2002年2月5日刊
『民主党派閥闘争史-民主党の行方』(2008年9月16日)
『民主党政変 政界大再編』(2010年5月6日)
『国際金融資本の罠に嵌った日本』(1999年6月25日刊)
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