漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符 「処ショ」 <腰をおちつける>

2014年06月12日 | 漢字の音符
[處] ショ・ところ・おる  几部 

解字 金文は虎の皮をかぶって劇の所作をする者が几(腰掛け)に腰をかけて足をおろしている形。「そこにいる」「いる場所」を示す。篆文から「虎の略体+夂(あし)+几」となり、旧字の處に続くが、篆文で虎の上部を省いた略字「夂+几=処」も登場し、これが現代の新字体となった。
意味 (1)おる(処る)。いる。「処世ショセイ」(世間の中で生きていく) (2)ところ(処)。場所。「居処キョショ」「随処ズイショ」「処処ショショ」(あちらこちら) (3)とりはからう。しょする(処する)。「処置ショチ」(とりさばく)「処分ショブン」(いらないものを始末する。罰する)「処罰ショバツ」 (4)世間に出ないで家にいる。「処女ショジョ」「処士ショシ」(仕官しない人)「出処シュッショ」(て仕官することと退いて家にて世間にでないこと)「出処進退シュッショシンタイ」(身の処し方。出処も進退も、仕えるか退くかの意)

イメージ  腰を 「おちつける」 (処・拠)
音の変化  ショ:処  キョ:拠

[據] キョ・コ・よる  扌部
解字 「扌(手)+処(おちつける)」の会意。手などを使って、ある場所に座を占めてよりどころとすること。旧字は據で、「扌(手)+豦(キョ)」 の形声。キョは居キョ(いる・おる)に通じ、その場所に居てより所にする意。新字体の拠は、居と同じ意味をもつ処に置き換えた字。
意味 (1)よる(拠る)。たよる。たてこもる。「依拠イキョ」(依も拠も、たよる意)「占拠センキョ」「割拠カッキョ」 (2)よりどころ。あかし。「根拠コンキョ」「証拠ショウコ」「典拠テンキョ」 (3)金銭を出し合う。「拠出キョシュツ
<紫色は常用漢字>




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