臧 ゾウ <収容する・おさめる>
臧 ゾウ ・ソウ 臣部 zāng・cáng
解字 篆文は「爿(ショウ)+臣(捕虜)+戈(ほこ)」 の会意形声。臣シンは、下を向いた目の形で、相手に対し下を向く意から臣下(家来)の意味があるが、また戦争で捕獲した捕虜(=臣虜シンリョ)の意がある。臧ゾウは、武器の戈(ほこ)を用いて臣(捕虜)にすること。発音をあらわす爿ショウが、ゾウ・ソウに転音した。捕虜、及び捕虜を獲得したので、「よい」意となる。音符になるとき、捕虜を「収容する・おさめる」イメージを持つ。
意味 (1)(捕虜を獲得したので)よい。「臧否ゾウヒ」(よしあし)(2)捕虜。召使い。奴僕(しもべ)。「臧獲ゾウカク」(戦争などの捕虜。また、召使い)(3)おさめる。かくす。(=蔵)。「臧匿ゾウトク」(人知れずかくす=蔵匿)
イメージ
「捕虜にする」(臧)
捕虜を収容する意から「おさめる」(蔵・臓・贓)
音の変化 ゾウ:臧・蔵・臓・贓
おさめる
蔵 ゾウ・くら・おさめる 艸部 cáng・zāng
解字 旧字は藏で「艸(作物)+臧(おさめる)」の会意形声。臧のおさめる意を、草かんむり(作物)をつけて表した字。作物などをおさめる意味のほか、物をおさめるくら(蔵)をいう。新字体は、藏⇒蔵に簡略化される。
「前田家土蔵」(「四国村案内」より)
意味 (1)くら(蔵)。「土蔵ドゾウ」(建物の四面を白土で塗った倉庫)「米蔵こめぐら」(2)おさめる(蔵める)。しまう。「貯蔵チョゾウ」「蔵書ゾウショ」(3)かくす。「埋蔵マイゾウ」「秘蔵ヒゾウ」「蔵匿ゾウトク」(人知れずかくす)
臓 ゾウ・はらわた 月部にく zàng
解字 旧字は臟で「月(からだ)+藏(おさめる)」の会意形声。身体の中におさまっている諸器官をいう。新字体は「月+蔵」の臓になった。
意味 はらわた(臓)。内臓。特に、心臓(しんぞう)・肺臓(はいぞう)・肝臓(かんぞう)・腎臓(じんぞう)・脾臓(ひぞう)を五臓という。「臓器ゾウキ」(内臓の器官)「臓物ゾウモツ」(はらわた)
贓 ゾウ 貝部 zāng
解字 「貝(財貨)+臧(おさめる)」の会意形声。財貨をおさめる意味であるが、盗みやワイロなど不正な手段でおさめることをいう。
意味 不正な手段で金品を手にいれる。わいろ。「贓罪ゾウザイ」(不正に金品を入手した罪)「贓品ゾウヒン」(わいろの品物)「贓吏ゾウリ」(わいろを受け取る役人)
<紫色は常用漢字>
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