庶の解字を改めました。
庶 ショ・もろもろ 广部

解字 庶の字は、甲骨文第二字(下)から金文~現代字へと続く流れが代表的な変遷となっている。甲骨文第二字について[甲骨文字辞典]は、[石の初文(三角形)+火]で、おそらく石を火で熱する意味の会意文字で、火を用いた祭祀儀礼の一種であろう、とする。字形は金文で「石(厂+口)+火」となり、篆文で「厂⇒广、口⇒廿」に変化し、現代字で「火⇒灬」に変化した庶になった。
意味は金文で庶人・庶士など、多くの人々の意で使われており、篆文も[説文解字]は「屋下の衆也(なり)」とし庶民の意で、この意味が現在まで続く。甲骨文から金文への意味の飛躍を説明する字が、甲骨第一字(上)の存在である。[甲骨文字辞典]は、「庶(もろもろ)の意味としては、三つの人に声符として「石(三角形)+火」(ショ)を加えた形の第一字がおそらく初文であるが、後代の字形には残っておらず、金文以降では「石+火」の系統の字形が借りて「庶」の意味として用いられた」とする。従って、もろもろの意味は甲骨文字第一字の「人人人」であり、この発音がショ(石(三角形)+火)である。なお、庶の意味には、庶民の意から、正統(正式)でない意味も生じた。
意味 (1)もろもろ(庶)。多くの人々。よろず。「庶民ショミン」「庶務ショム」(いろいろの雑多な事務) 「庶事ショジ」(よろずの事) (2)正統でない。「庶子ショシ」(正妻でない女性の子)「庶出ショシュツ」(=庶子) (3)漢文訓読の用法。ある状況に接近することを期待する熟語。こいねがう。①「庶幾(こいねがわく)は余(われ)を赦(ゆる)せ」(どうか私を許していただきたい) ②「庶幾ショキする姿」(こいねがう姿)
イメージ
「もろびと」(庶・遮)
「形声字」(蔗・蹠・鷓)
音の変化 ショ:庶・蔗 シャ:遮・鷓 セキ:蹠
もろびと
遮 シャ・さえぎる 辶部
解字 「辶(ゆく)+庶(もろびと)」の形声。庶(多くの人々)が路上にでて、辶(進行)がさまたげられること。[説文解字]は「遏アツ(とどめ)る也(なり)」とする。発音は、ショ⇒シャに変化。
意味 (1)さえぎる(遮る)。ふさぐ。はばむ。「遮断シャダン」「遮光シャコウ」 (2)覆いかくす。「遮蔽シャヘイ」 (3)当て字の用法。「遮二無二シャニムニ」(がむしゃらに)
形声字
蔗 ショ・シャ 艸部
解字 「艸(草)+庶(ショ)」の形声。ショは黍ショ(きび)に通じ、艸(植物)をつけてキビの一種であるサトウキビを表した。サトウキビはニューギニア諸島が原産で、中国へは周代に伝わった。当初は「柘シャ」(現在の、ヤマグワ・ツゲ)の字を当てていたが、漢代に「蔗」の字が出現した。参考(中国。百度記事)「甘蔗,上古叫柘,六朝始叫甘蔗,原产(産)南亚(亜)」(甘蔗という呼び名は後漢以後の六朝からのようである)
意味 (1)さとうきび。イネ科の多年草。「甘蔗カンショ」(さとうきび)「蔗糖ショトウ」(サトウキビから作った砂糖) (2)うまい。おもしろい。「蔗境シャキョウ」(面白くなるところ。佳境)
蹠 セキ・ショ 足部
解字 「足(あし)+庶(セキ)」の形声。セキは石セキに通じ、歩くとき石をふむ足のうらをいう。跖セキは同字。発音のショは慣用音。
意味 (1)あし。あしうら。「対蹠的タイセキテキ・タイショテキ」(二つの物事が正反対の関係にあるさま)「対蹠地タイセキチ・タイショチ」(地球あるいは天体で、ある地点と180度逆に位置する場所。地球においては地球の裏側をいう。=対蹠点) (2)ふむ。「蹠地セキチ」(地をふむ)
鷓 シャ 鳥部
コモンシャコ(ウィキペディア)
解字 「鳥(とり)+庶(シャ)」の形声。シャという名の鳥。「鷓鴣シャコ」に用いられる字。
意味 「鷓鴣シャコ」とは、キジ科の鳥のうち、ウズラとキジの中間の体形をもつ一群。中国ではこの中の一種コモンシャコをいう。「鷓鴣斑シャコハン」(陶釉の一つ。釉(うわぐすり)中に鷓鴣の羽毛の斑紋に似た模様が表れているもの)
<紫色は常用漢字>
庶 ショ・もろもろ 广部

解字 庶の字は、甲骨文第二字(下)から金文~現代字へと続く流れが代表的な変遷となっている。甲骨文第二字について[甲骨文字辞典]は、[石の初文(三角形)+火]で、おそらく石を火で熱する意味の会意文字で、火を用いた祭祀儀礼の一種であろう、とする。字形は金文で「石(厂+口)+火」となり、篆文で「厂⇒广、口⇒廿」に変化し、現代字で「火⇒灬」に変化した庶になった。
意味は金文で庶人・庶士など、多くの人々の意で使われており、篆文も[説文解字]は「屋下の衆也(なり)」とし庶民の意で、この意味が現在まで続く。甲骨文から金文への意味の飛躍を説明する字が、甲骨第一字(上)の存在である。[甲骨文字辞典]は、「庶(もろもろ)の意味としては、三つの人に声符として「石(三角形)+火」(ショ)を加えた形の第一字がおそらく初文であるが、後代の字形には残っておらず、金文以降では「石+火」の系統の字形が借りて「庶」の意味として用いられた」とする。従って、もろもろの意味は甲骨文字第一字の「人人人」であり、この発音がショ(石(三角形)+火)である。なお、庶の意味には、庶民の意から、正統(正式)でない意味も生じた。
意味 (1)もろもろ(庶)。多くの人々。よろず。「庶民ショミン」「庶務ショム」(いろいろの雑多な事務) 「庶事ショジ」(よろずの事) (2)正統でない。「庶子ショシ」(正妻でない女性の子)「庶出ショシュツ」(=庶子) (3)漢文訓読の用法。ある状況に接近することを期待する熟語。こいねがう。①「庶幾(こいねがわく)は余(われ)を赦(ゆる)せ」(どうか私を許していただきたい) ②「庶幾ショキする姿」(こいねがう姿)
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「もろびと」(庶・遮)
「形声字」(蔗・蹠・鷓)
音の変化 ショ:庶・蔗 シャ:遮・鷓 セキ:蹠
もろびと
遮 シャ・さえぎる 辶部
解字 「辶(ゆく)+庶(もろびと)」の形声。庶(多くの人々)が路上にでて、辶(進行)がさまたげられること。[説文解字]は「遏アツ(とどめ)る也(なり)」とする。発音は、ショ⇒シャに変化。
意味 (1)さえぎる(遮る)。ふさぐ。はばむ。「遮断シャダン」「遮光シャコウ」 (2)覆いかくす。「遮蔽シャヘイ」 (3)当て字の用法。「遮二無二シャニムニ」(がむしゃらに)
形声字
蔗 ショ・シャ 艸部
解字 「艸(草)+庶(ショ)」の形声。ショは黍ショ(きび)に通じ、艸(植物)をつけてキビの一種であるサトウキビを表した。サトウキビはニューギニア諸島が原産で、中国へは周代に伝わった。当初は「柘シャ」(現在の、ヤマグワ・ツゲ)の字を当てていたが、漢代に「蔗」の字が出現した。参考(中国。百度記事)「甘蔗,上古叫柘,六朝始叫甘蔗,原产(産)南亚(亜)」(甘蔗という呼び名は後漢以後の六朝からのようである)
意味 (1)さとうきび。イネ科の多年草。「甘蔗カンショ」(さとうきび)「蔗糖ショトウ」(サトウキビから作った砂糖) (2)うまい。おもしろい。「蔗境シャキョウ」(面白くなるところ。佳境)
蹠 セキ・ショ 足部
解字 「足(あし)+庶(セキ)」の形声。セキは石セキに通じ、歩くとき石をふむ足のうらをいう。跖セキは同字。発音のショは慣用音。
意味 (1)あし。あしうら。「対蹠的タイセキテキ・タイショテキ」(二つの物事が正反対の関係にあるさま)「対蹠地タイセキチ・タイショチ」(地球あるいは天体で、ある地点と180度逆に位置する場所。地球においては地球の裏側をいう。=対蹠点) (2)ふむ。「蹠地セキチ」(地をふむ)
鷓 シャ 鳥部

解字 「鳥(とり)+庶(シャ)」の形声。シャという名の鳥。「鷓鴣シャコ」に用いられる字。
意味 「鷓鴣シャコ」とは、キジ科の鳥のうち、ウズラとキジの中間の体形をもつ一群。中国ではこの中の一種コモンシャコをいう。「鷓鴣斑シャコハン」(陶釉の一つ。釉(うわぐすり)中に鷓鴣の羽毛の斑紋に似た模様が表れているもの)
<紫色は常用漢字>
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