帛 ハク・きぬ 巾部
解字 「白(しろい)+巾(ぬの)」の会意形声。白い絹織物のこと。紙がなかった古代中国で、絹布は字や画を書く材料としても用いられた。
意味 きぬ(帛)。しろぎぬ。絹織物の総称。「帛書ハクショ」(絹に書いた文書や手紙)「布帛フハク」(布は麻・棉などの植物繊維の布、帛は絹織物をいう。併せて織物の総称。きれじ)「竹帛チクハク」(竹簡と帛書、両者とも書物となるので書籍のこと)
イメージ
「しろぎぬ」(帛・綿・緜・棉・錦)
音の変化 ハク:帛 メン:綿・緜・棉 キン:錦
しろぎぬ
綿 メン・つらなる・わた 糸部
解字 篆文は、「系(糸がつながる)+帛(しろぎぬ)」の会意。絹織物をつくる、つながった長い糸の意。また、糸の原料となるマユからとれる「まわた」のこと。のち、木綿の実から製した「わた」にも用いる。現代字は、系⇒糸に変化した綿になった。
マユから真綿を作る
意味 (1)つらなる(綿なる)。長くつづく。「連綿レンメン」(長く続いて絶えない) (2)こまかい。「綿密メンミツ」 (3)わた(綿)。まわた。きぬわた。「真綿まわた」(マユを引きのばして作ったわた) (4)わた(綿)。きわた。わたの実から製したわた。「木綿モメン」「綿花メンカ」
緜 メン・べン・わた 糸部
解字 「系(糸がつながる)+帛(しろぎぬ)」の会意。絹織物をつくる、つながった長い糸の意。綿メンの本字。
「昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、糸部に新字の「綿」が収録されていました。その一方、旧字の「緜」は標準漢字表には含まれていませんでした。昭和17年12月4日、文部省は標準漢字表を発表しましたが、そこでも新字の「綿」だけが含まれていて、旧字の「緜」は含まれていませんでした(安岡 孝一「人名用漢字の新字旧字・綿と緜」)。以後、現在の常用漢字表まで「綿」が使用されている。
意味 (1)綿メンに同じ。現在、緜は使用されない。(2)中国の地名。「緜山メンザン」(山西省にある山)「緜上メンジョウ」(山西省にある県の名)
棉 メン・わた 木部
綿の木(棉)の実
解字 「木(き)+帛(=綿。まわた)」の会意。真綿(まわた)のとれる木(実際は多年草)の意で、わたのき(アオイ科の多年草)及び、きわた(木綿)を表わす。常用漢字でないため、代わりに糸へんの綿が使われることが多い。
意味 わた(棉)。(1)アオイ科の多年草。種子をとりかこむ白毛から、きわたができる。「棉花メンカ」(わたのきに咲いた花。種子のまわりに白い繊維がふっくらと付く=綿花)「棉実油メンジツユ」(きわたの種子から絞った油=綿実油) (2)もめんわた。きわた(木棉)。日本で木棉が栽培され一般的になるのは戦国時代後期からで、江戸時代に入ると急速に栽培が拡大し綿(棉)織物が普及した。
参考
錦 キン・にしき 金部
解字 「帛ハク(きぬ織物)+金キン(黄金)」の会意形声。帛は「白+巾」で白い絹布のこと。錦は金糸(金箔きんぱくを和紙にはりつけ細く切って縒った糸)や色糸を織り込んだ美しい模様を織り出した絹織物。また、重さが黄金と等しい値打ちがある色糸の絹織物との説もある。この字の音符は「金キン」で部首も金。参考のため重出した。
意味 (1)にしき(錦)。金糸や銀糸・色糸などを織り込んだ美しい織物。「錦旗キンキ」(錦のみはた。①官軍の標章。②自分の行為・主張を権威づけること)「錦織部にしごりべ」(大和朝廷で錦などを織ることに従事した職業部の一つ) (2)にしきのように美しい。「錦絵にしきえ」「錦秋キンシュウ」
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
解字 「白(しろい)+巾(ぬの)」の会意形声。白い絹織物のこと。紙がなかった古代中国で、絹布は字や画を書く材料としても用いられた。
意味 きぬ(帛)。しろぎぬ。絹織物の総称。「帛書ハクショ」(絹に書いた文書や手紙)「布帛フハク」(布は麻・棉などの植物繊維の布、帛は絹織物をいう。併せて織物の総称。きれじ)「竹帛チクハク」(竹簡と帛書、両者とも書物となるので書籍のこと)
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「しろぎぬ」(帛・綿・緜・棉・錦)
音の変化 ハク:帛 メン:綿・緜・棉 キン:錦
しろぎぬ
綿 メン・つらなる・わた 糸部
解字 篆文は、「系(糸がつながる)+帛(しろぎぬ)」の会意。絹織物をつくる、つながった長い糸の意。また、糸の原料となるマユからとれる「まわた」のこと。のち、木綿の実から製した「わた」にも用いる。現代字は、系⇒糸に変化した綿になった。
マユから真綿を作る
意味 (1)つらなる(綿なる)。長くつづく。「連綿レンメン」(長く続いて絶えない) (2)こまかい。「綿密メンミツ」 (3)わた(綿)。まわた。きぬわた。「真綿まわた」(マユを引きのばして作ったわた) (4)わた(綿)。きわた。わたの実から製したわた。「木綿モメン」「綿花メンカ」
緜 メン・べン・わた 糸部
解字 「系(糸がつながる)+帛(しろぎぬ)」の会意。絹織物をつくる、つながった長い糸の意。綿メンの本字。
「昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、糸部に新字の「綿」が収録されていました。その一方、旧字の「緜」は標準漢字表には含まれていませんでした。昭和17年12月4日、文部省は標準漢字表を発表しましたが、そこでも新字の「綿」だけが含まれていて、旧字の「緜」は含まれていませんでした(安岡 孝一「人名用漢字の新字旧字・綿と緜」)。以後、現在の常用漢字表まで「綿」が使用されている。
意味 (1)綿メンに同じ。現在、緜は使用されない。(2)中国の地名。「緜山メンザン」(山西省にある山)「緜上メンジョウ」(山西省にある県の名)
棉 メン・わた 木部
綿の木(棉)の実
解字 「木(き)+帛(=綿。まわた)」の会意。真綿(まわた)のとれる木(実際は多年草)の意で、わたのき(アオイ科の多年草)及び、きわた(木綿)を表わす。常用漢字でないため、代わりに糸へんの綿が使われることが多い。
意味 わた(棉)。(1)アオイ科の多年草。種子をとりかこむ白毛から、きわたができる。「棉花メンカ」(わたのきに咲いた花。種子のまわりに白い繊維がふっくらと付く=綿花)「棉実油メンジツユ」(きわたの種子から絞った油=綿実油) (2)もめんわた。きわた(木棉)。日本で木棉が栽培され一般的になるのは戦国時代後期からで、江戸時代に入ると急速に栽培が拡大し綿(棉)織物が普及した。
参考
錦 キン・にしき 金部
解字 「帛ハク(きぬ織物)+金キン(黄金)」の会意形声。帛は「白+巾」で白い絹布のこと。錦は金糸(金箔きんぱくを和紙にはりつけ細く切って縒った糸)や色糸を織り込んだ美しい模様を織り出した絹織物。また、重さが黄金と等しい値打ちがある色糸の絹織物との説もある。この字の音符は「金キン」で部首も金。参考のため重出した。
意味 (1)にしき(錦)。金糸や銀糸・色糸などを織り込んだ美しい織物。「錦旗キンキ」(錦のみはた。①官軍の標章。②自分の行為・主張を権威づけること)「錦織部にしごりべ」(大和朝廷で錦などを織ることに従事した職業部の一つ) (2)にしきのように美しい。「錦絵にしきえ」「錦秋キンシュウ」
<紫色は常用漢字>
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