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漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符 「新シン」<あたらしい>「薪シン」「噺はなし」と「親シン」「襯シン」

2023年09月02日 | 漢字の音符
  改訂しました。   
 シン・あたらしい・あらた・にい  斤部


 上は新、下は辛
解字 甲骨文第一字は「辛(シン)+木(き)+斤(おの)」の会意形声。斤(おの)で木を切る意で、その発音をシンという。辛は先のするどい刃物の象形だが、ここでは発音のみを表す。意味は斧(おの)で伐った木で薪(たきぎ)であり、薪シンの原字。第二字は中央の木を省き、辛の下に木を重複させた形(下部が甲骨文の木になっている)にした。この字は仮借カシャ(当て字)され、「新しい」意味で使われた。従って原義の「たきぎ」は別に草冠をつけた字が作られた。
 金文は甲骨第二字の上に横線がつき横に斤がついた形。篆文にいたり左辺は辛の下部に木をつけた形になった(下図の辛に木をつけた形)。現代字は「立+木+斤」の新となった。立は辛を略した形である。
意味 あたらしい(新しい)。あたらしくする。あらた(新た)。「新人シンジン」「革新カクシン」「新鮮シンセン」「新妻にいづま
覚え方 「たつ()き()を、おの()できると、切り口はしい」

イメージ 
 「新しい」
(新・噺)
 原義の「たきぎ」(薪)

新しい
<国字> はなし  口部
解字 「口(はなす)+新(あたらしい)」の会意。新しく珍しいことを話すこと。
意味 はなし(噺)。ものがたり。「噺家はなしカ」(落語や人情話など話芸を職業とする人)「お伽噺おとぎばなし」(人の相手をする際に語り合う話。子供に聞かせる昔話や童話)
たきぎ
 シン・たきぎ・まき  艸部
解字 「艸(草木)+新(たきぎ)」の会意形声。新は本来「たきぎ」の意味だったが、あたらしい意となったので、艸をつけて元の意味を表わした。
意味 たきぎ(薪)。まき(薪)。燃料にする木。「薪水シンスイ」(たきぎと水。炊事のこと)「薪炭シンタン」(たきぎとすみ。燃料)「薪尽火滅シンジンカメツ」(薪が尽き火が消える。物事が途絶えること)

 シン・おや・したしい・したしむ  見部

解字 金文は「見(みる)+辛(シン)」の形声。見る意符に発音を表すシンがついた字で、[漢字字形史字典]は「当初の意味は『直接に見る』が原義だったようである」とする。ここから転じて金文は「親自シンジ(自分で、自ら)」「親近(親しみ近づく)」「親密(相互の交際の深いこと)」の意味になっている[簡明金文詞典]。篆文以降、この字は左辺が「辛+木」と複雑な形になった。これは同音である新の影響をうけ、木をさらに丁寧に付けくわえた形。意味も親(おや)・親戚など、婚姻関係にある人間の間柄などを表す意にひろがった。現在の字は簡略化され、左辺が新と同じ親となった。
意味 (1)おや(親)。「両親ショウシン」「母親ははおや」 (2)みうち。「親類シンルイ」 「親戚シンセキ」(3)したしい(親しい)。したしむ(親しむ)。「親友シンユウ」 「親衛隊シンエイタイ」( ①国王などの身辺を護衛する兵隊、②ある人物を取り巻きつき従う人たち) (4)じきじきに。みずから。「親展シンテン」「親書シンショ」(自筆の手紙) 
覚え方 「たつ()き()のかげで、み()まもる

イメージ
 「親しい・したしむ」
(親・襯)
したしむ
 シン・はだぎ  衣部
解字 「衣(ころも)+親(したしむ)」の会意形声。肌に親しむ(直接触れる)衣の意で、肌着をいう。
意味 (1)はだき(襯)。下着。「襯衣シンイ」(はだぎ)「襯衫シンサン」(肌着) (2)つく。近くに寄ってつく。「襯紙シンシ」(書物や器の間にはさんで保護する紙)
<紫色は常用漢字>

    バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。




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